ワンルーム 2024/03/21 Thu ワンルーム 首筋を伝う汗。荒い息。斜陽に染まる白い肌。重なる手のひら。薄桃色の唇。 「……っふ……きて……ください……」 しっとりした腕が俺の背に回り、頭を包み込む。長い指がうなじを這って耳朶を挟む。 血が集中して末端は冷えてしまっているのか――それは俺も同じだ――巽の冷えた指の感触が、熱を持った皮膚に心地いい。思わず頬を擦り付けると、巽は鈴が鳴るように笑って両の手の平で俺の顔を挟み込み 「……愛しい人」 引き寄せて接吻をくれた。耳を塞がれたまま ぢゅっ……ちゅっ 水気を多分に含んだ接吻の音が脳内で官能的に響く。四つん這いで巽の唇を貪っている俺は指の間に煎餅布団を食い込ませ必死で体重を支える。 じゅるっ……ちゅっ…ぢゅっ…… 半袖から伸びる白くてしなやかな腕。露わになる、白い腋。近くで見るときめが細かくて、青い筋がうっすら透けるのが病的なような健康的なような。 「……! ……妙なところを責めますな」 苦い顔をする彼に「いいでしょ」と言えば「まぁ、あなたがいいなら俺は」彼は咎めず舐めさせてくれる。 彼の腋は汗の味がする。塩気が薄くて仄かにミネラルを感じる、男の味。 「……ふふ。そろそろくすぐったいのですが」 首をもたげると、目の前には困った子供をあやす様な顔があった。言葉にはしないものの「これに何の意味が?」と問いかけている。 大人しく姿勢を起こす……。 巽は布団の上で器用に身を捩らせ、半袖を脱ぐと上裸になった。透けるような肌だが、付くとこには付いたバランスのいい筋肉。隆起した鎖骨や肋骨のライン。触れば程よい弾力が感じられるのであろう、立派な胸部にはピンクベージュの飾りがついている。西の陽光が陰影を作る。 白いシーツに躍り出た、パティシエ渾身の一品。皿に盛られたデザートをどう食べるのが正解なのか凡夫な俺には想像もつかない。困り果てた俺を見かねた巽は 「手伝います」 手を取って自分の胸に当てた。波打つ心臓が手の平を伝ってドーパミンを絞り出してくる。巽の鼓動に合わせてドクンドクンと脈を打つ。次第に俺たちの心音は全く同じリズムを刻むようになった。 次は、と問う前に巽は恋人繋ぎの真似事をして俺の指を掴むと自分の乳首へと当てがった。中指と薬指を使われて、健気に勃ったそれを軽く撫でさせられる。 他人の指を自慰の道具にする巽を、俺はじっくり観察した。普段自分勝手なことなどできない彼が――と思うと感慨深い。暫く「んっ……」とか「っ……」とか悩ましげに漏らしていたが、俺がじっと見ているのに気が付いたのか徐に手を離すと 「いや……ですか?」 不安そうに首をかしげる。 かぶりを振って思いっきり乳首をつねった。 「んああっ…………!!」 痛い? と聞くと巽は目をぎゅっと瞑りながら首を横に振った。もう一度つねる。 「んっ!」 赤く充血した乳首に顔を近づけ、慰むように優しく舐める。頭上で呼気が穏やかになっていくのを感じる。舌の根元を使ってゆっくり舐め上げ、最後に軽く歯を立てる。 「ッ……はっ…………」 左の親指と人差し指で左の乳首をこねる。右の乳首を噛んだり舐めたり。 「まってくださ…………」 俺は空いた右の手で短パンの上から巽の股間をさする。同時に左乳首に爪を立て乳頭の窪みを軽く引っ掛く。 「っふ……もう、……くるしい……です……」 服の上の膨らみを感知し、乳首を虐めるのを止め股間へと顔を下ろした。まずは短パンを脱がせ、蒸れて先が群青色になった青基調の幾何学模様のトランクスと対面する。トップから汁が溢れている。しかし不思議なことにアンモニアの匂いが一切しない。行為の前に丁寧に洗ってくれたのだろうか。そんなことしなくていいのに……。 慎重にトランクスを滑らせていく。弾けようとするソレを布が押さえる。際の際でそれ以上下ろすのを止め、焦らす。ぐぐ……と硬くなった先っぽが布を押し上げ、遂に ぶるんっっ 立派な勃起ちんこが。 俺は口にくわえた。 「……そんな、いいのに……」 口では言いつつよがって手の平を俺の頭に押し付けてくる。内腿と膝に力が入っている。 逸品を亀頭から玉まで美味しく頬張った。 じゅぱっ……っぽ……ぢゅるっ 彼のちんこは無味無臭。いくら爽やかイケメンったって人間味がなさすぎる。 皮の間も掃除する。舌を溝に沿わして。 じゅるるっ…… 「…………っ!!」 手で握って上下運動を繰り返しながら、カリに唇を引っかけ浅くフェラをする。 徐々にカウパーが溢れてきて扱く手も早くなる。 「うっ……! あ゛…………!」 イきそうな声を上げた彼を根元を抑えて阻止。内腿が打ち震えている。 「……ッッ…………意地の、悪い……」 恨めしそうに見てくる彼に悪戯に笑いかける。彼の眉が呆れたように開かれた。 俺は垂直を保ったままのソレに跨って、ゆっくり腰を落としていく。 自前に準備していたので容易に奥まで入ってくる。反りっ立ったソレが肉壁を圧迫する。形は覚えてしまっている。 ずちゅ……ずちゅ…… 最初は包み込むようなピストン。俺たちが一体となれるように根本で抜き差しを繰り返す。腹の中に彼のモノがあると考えるだけで熱いものが込み上げる。 「っ……はっ…はっ…………」 彼が焦ったような熱い吐息を零す。俺は床に手をついて腰を使ったピストンに移る。 ぱちゅっぱちゅっぱちゅっ 顔中に熱が集まるのを感じる。額から汗が染みだす。目をギュッとつぶって、さらにピストンを激しくする。 ぱんぱんぱん 背筋に電流が走った瞬間があって精管から尿道を白いものが駆け巡る。 う゛っ……あ゛あ゛っ 吐き出して、俺のは芯を失い床を向いた。 俺は軽く深呼吸を繰り返して呼吸を整すと、モノをケツから抜きティッシュで拭いて風呂場に持っていった。 そのままシャワーを浴びて部屋着に着替え、一人分の夕飯を作ってテレビの前に座する。ビールのプルタブをカシュッと鳴らして電源を点ければ、丁度ALKALOIDの冠番組が始まるところだった。緑髪の男の子が丁寧にお辞儀する。 ――風早巽君。 数年前、音楽番組で新曲を披露する彼に俺は一目惚れをした。それからはライブに行ったり番組を追ったり、推し活をしている。 巽君はきっと俺のことも、おかずにされていることも知らない。俺だけが彼を想い楽しんでいるだけでいいのだ。 「好きだよ…」 独り言が出てしまう。 巽君がカメラに向かって笑いかける。愛しい人を見つめるみたいに。 ワンルーム(終) 〈〈前の話 ページTOP
首筋を伝う汗。荒い息。斜陽に染まる白い肌。重なる手のひら。薄桃色の唇。
「……っふ……きて……ください……」
しっとりした腕が俺の背に回り、頭を包み込む。長い指がうなじを這って耳朶を挟む。
血が集中して末端は冷えてしまっているのか――それは俺も同じだ――巽の冷えた指の感触が、熱を持った皮膚に心地いい。思わず頬を擦り付けると、巽は鈴が鳴るように笑って両の手の平で俺の顔を挟み込み
「……愛しい人」
引き寄せて接吻をくれた。耳を塞がれたまま
ぢゅっ……ちゅっ
水気を多分に含んだ接吻の音が脳内で官能的に響く。四つん這いで巽の唇を貪っている俺は指の間に煎餅布団を食い込ませ必死で体重を支える。
じゅるっ……ちゅっ…ぢゅっ……
半袖から伸びる白くてしなやかな腕。露わになる、白い腋。近くで見るときめが細かくて、青い筋がうっすら透けるのが病的なような健康的なような。
「……! ……妙なところを責めますな」
苦い顔をする彼に「いいでしょ」と言えば「まぁ、あなたがいいなら俺は」彼は咎めず舐めさせてくれる。
彼の腋は汗の味がする。塩気が薄くて仄かにミネラルを感じる、男の味。
「……ふふ。そろそろくすぐったいのですが」
首をもたげると、目の前には困った子供をあやす様な顔があった。言葉にはしないものの「これに何の意味が?」と問いかけている。
大人しく姿勢を起こす……。
巽は布団の上で器用に身を捩らせ、半袖を脱ぐと上裸になった。透けるような肌だが、付くとこには付いたバランスのいい筋肉。隆起した鎖骨や肋骨のライン。触れば程よい弾力が感じられるのであろう、立派な胸部にはピンクベージュの飾りがついている。西の陽光が陰影を作る。
白いシーツに躍り出た、パティシエ渾身の一品。皿に盛られたデザートをどう食べるのが正解なのか凡夫な俺には想像もつかない。困り果てた俺を見かねた巽は
「手伝います」
手を取って自分の胸に当てた。波打つ心臓が手の平を伝ってドーパミンを絞り出してくる。巽の鼓動に合わせてドクンドクンと脈を打つ。次第に俺たちの心音は全く同じリズムを刻むようになった。
次は、と問う前に巽は恋人繋ぎの真似事をして俺の指を掴むと自分の乳首へと当てがった。中指と薬指を使われて、健気に勃ったそれを軽く撫でさせられる。
他人の指を自慰の道具にする巽を、俺はじっくり観察した。普段自分勝手なことなどできない彼が――と思うと感慨深い。暫く「んっ……」とか「っ……」とか悩ましげに漏らしていたが、俺がじっと見ているのに気が付いたのか徐に手を離すと
「いや……ですか?」
不安そうに首をかしげる。
かぶりを振って思いっきり乳首をつねった。
「んああっ…………!!」
痛い? と聞くと巽は目をぎゅっと瞑りながら首を横に振った。もう一度つねる。
「んっ!」
赤く充血した乳首に顔を近づけ、慰むように優しく舐める。頭上で呼気が穏やかになっていくのを感じる。舌の根元を使ってゆっくり舐め上げ、最後に軽く歯を立てる。
「ッ……はっ…………」
左の親指と人差し指で左の乳首をこねる。右の乳首を噛んだり舐めたり。
「まってくださ…………」
俺は空いた右の手で短パンの上から巽の股間をさする。同時に左乳首に爪を立て乳頭の窪みを軽く引っ掛く。
「っふ……もう、……くるしい……です……」
服の上の膨らみを感知し、乳首を虐めるのを止め股間へと顔を下ろした。まずは短パンを脱がせ、蒸れて先が群青色になった青基調の幾何学模様のトランクスと対面する。トップから汁が溢れている。しかし不思議なことにアンモニアの匂いが一切しない。行為の前に丁寧に洗ってくれたのだろうか。そんなことしなくていいのに……。
慎重にトランクスを滑らせていく。弾けようとするソレを布が押さえる。際の際でそれ以上下ろすのを止め、焦らす。ぐぐ……と硬くなった先っぽが布を押し上げ、遂に
ぶるんっっ
立派な勃起ちんこが。
俺は口にくわえた。
「……そんな、いいのに……」
口では言いつつよがって手の平を俺の頭に押し付けてくる。内腿と膝に力が入っている。
逸品を亀頭から玉まで美味しく頬張った。
じゅぱっ……っぽ……ぢゅるっ
彼のちんこは無味無臭。いくら爽やかイケメンったって人間味がなさすぎる。
皮の間も掃除する。舌を溝に沿わして。
じゅるるっ……
「…………っ!!」
手で握って上下運動を繰り返しながら、カリに唇を引っかけ浅くフェラをする。
徐々にカウパーが溢れてきて扱く手も早くなる。
「うっ……! あ゛…………!」
イきそうな声を上げた彼を根元を抑えて阻止。内腿が打ち震えている。
「……ッッ…………意地の、悪い……」
恨めしそうに見てくる彼に悪戯に笑いかける。彼の眉が呆れたように開かれた。
俺は垂直を保ったままのソレに跨って、ゆっくり腰を落としていく。
自前に準備していたので容易に奥まで入ってくる。反りっ立ったソレが肉壁を圧迫する。形は覚えてしまっている。
ずちゅ……ずちゅ……
最初は包み込むようなピストン。俺たちが一体となれるように根本で抜き差しを繰り返す。腹の中に彼のモノがあると考えるだけで熱いものが込み上げる。
「っ……はっ…はっ…………」
彼が焦ったような熱い吐息を零す。俺は床に手をついて腰を使ったピストンに移る。
ぱちゅっぱちゅっぱちゅっ
顔中に熱が集まるのを感じる。額から汗が染みだす。目をギュッとつぶって、さらにピストンを激しくする。
ぱんぱんぱん
背筋に電流が走った瞬間があって精管から尿道を白いものが駆け巡る。
う゛っ……あ゛あ゛っ
吐き出して、俺のは芯を失い床を向いた。
俺は軽く深呼吸を繰り返して呼吸を整すと、モノをケツから抜きティッシュで拭いて風呂場に持っていった。
そのままシャワーを浴びて部屋着に着替え、一人分の夕飯を作ってテレビの前に座する。ビールのプルタブをカシュッと鳴らして電源を点ければ、丁度ALKALOIDの冠番組が始まるところだった。緑髪の男の子が丁寧にお辞儀する。
――風早巽君。
数年前、音楽番組で新曲を披露する彼に俺は一目惚れをした。それからはライブに行ったり番組を追ったり、推し活をしている。
巽君はきっと俺のことも、おかずにされていることも知らない。俺だけが彼を想い楽しんでいるだけでいいのだ。
「好きだよ…」
独り言が出てしまう。
巽君がカメラに向かって笑いかける。愛しい人を見つめるみたいに。
ワンルーム(終)
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