自転車暴走族の巽はいた
2025年3月 この範囲を古い順で読む
風早さんの温泉ロケにご一緒させてもらう俺P
風早さんをえろ眼鏡で見てしまうんで距離とって風呂に入るんだけど オッサンのディレクターとかが風早さんの素肌に安易に触るもんで気が気ではない
風早さんをえろ眼鏡で見てしまうんで距離とって風呂に入るんだけど オッサンのディレクターとかが風早さんの素肌に安易に触るもんで気が気ではない
巽に可愛いなんて言われた日にゃ私は水底を揺蕩う小さな砂粒になって巽の光だけを受けてごく控えめに光ってみせるよ
風早先輩のお見舞いに毎日訪れる後輩くん風早先輩は心が壊れてしまっているのでずっと譫言言ってるんだけど後輩くんは穏やかに花生けながら話しかけてる
ある日お見舞いに行くと風早先輩の様子がいつもよりおかしくて…?
#微妙な妄想
ある日お見舞いに行くと風早先輩の様子がいつもよりおかしくて…?
#微妙な妄想
巽が現れるまでは透明人間で生きて巽が現れたら巽の前でだけ透明人間やめようかな 透明人間が板について色を取り戻す方法忘れたらどうしよう
巽が現れても巽に気づいてもらえなかったら…たつみ…なんとかして気づいてもらえないかな
巽が現れても巽に気づいてもらえなかったら…たつみ…なんとかして気づいてもらえないかな
3次元でのエイム悪すぎ
空間把握能力終わってるなり
空間把握能力終わってるなり
#選ばれたい
巽に求められるには
一、巽が困った時は必ず手を差し伸べられる人
一、巽のことを誰よりも深く真剣に考える人
一、巽を尊重できる人
普段から巽に選ばれるだけの正しい行いをしていなければ、いざという時に力を貸してやれない。HiMERUも要もマヨイも巽に出会う前から血の滲むような努力と苦労をしてきた人達だから
巽の引き金を引ける人間になりたい
巽はきっと走り続けていたいんだと思うから、彼が倒れないようにサポートしつつ完走させてやれるような力が欲しい。巽の価値観に深く理解を示す且つ新視点を与えてやれる柔軟性がほしい
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巽に求められるには
一、巽が困った時は必ず手を差し伸べられる人
一、巽のことを誰よりも深く真剣に考える人
一、巽を尊重できる人
普段から巽に選ばれるだけの正しい行いをしていなければ、いざという時に力を貸してやれない。HiMERUも要もマヨイも巽に出会う前から血の滲むような努力と苦労をしてきた人達だから
巽の引き金を引ける人間になりたい
巽はきっと走り続けていたいんだと思うから、彼が倒れないようにサポートしつつ完走させてやれるような力が欲しい。巽の価値観に深く理解を示す且つ新視点を与えてやれる柔軟性がほしい
悪いことしてないのに殴られたい。0明の事件で頭おかしくなっちゃった巽を甲斐甲斐しく見舞う非特待生の俺が巽の発作を止めようとしてこてんぱんに殴られたい。骨折られたいし打撲も擦過傷も所望したい。どうかどうか宜しくお願いいたします
#微妙な妄想
#微妙な妄想
巽のこと可愛すぎて生娘みたいに思ってる節ある。ほんとはど根性脳筋な所あるのに
俺がにーちゃんとかこはくとかを可愛い可愛い言うのに対して
「可愛い方がお好みですか?」って嫉妬する巽が可愛い
普通に生きてればコンプレックスなんて抱きようもない完璧な顔面をしている巽が俺に対してだけ小さなコンプレックスを抱くってのがたまらない
そんなわけないだろ〜巽も十分可愛いに決まってるだろうが〜
って撫でるんだけど巽は寂しそうに笑う。
自分の顔の系統はどっちかというと綺麗系の癒し系寄りっていうのはプロだから把握済み
(こはくとにーちゃんは超綺麗系×可愛いみたいな?)
次の日のデートで巽はつり目寄りのメイクをしてくるんだよね
ああ健気で愚かで愛しいよ巽…
でも俺は何で巽がそんなメイクをしてきたのかとか気づけない
「今日ちょっと違う?違うのも可愛いね」って言う。
知らぬ間に巽を傷つけてる俺ホント最悪。
でも、巽が俺に合う時そのメイクを続けるから「なんで」って聞くんだよね。で、巽が恥ずかしそうに
「俺さんがこっちの方が好みだと」って言う。俺うろたえて
「えっ?!それで一ヶ月も?!」
生娘みたいに真っ赤になって頷く巽。「ええ…ごめん。そんなつもりは…俺はどんな巽でも…いや、巽のままが好きだ!傷つけてしまってごめんなさい」
翌日、いつも通りの巽。
俺は何か恥ずかしくて顔を覆ってしまう。巽が俺の腕を力ずくで開き顔を見ようとする…っていうオチ
現実は
何も動じない巽に俺が「巽はああいうの…着ないの…?」って聞いて「ええ、まあ。俺とは路線が異なりますからな」と一蹴される
「可愛い方がお好みですか?」って嫉妬する巽が可愛い
普通に生きてればコンプレックスなんて抱きようもない完璧な顔面をしている巽が俺に対してだけ小さなコンプレックスを抱くってのがたまらない
そんなわけないだろ〜巽も十分可愛いに決まってるだろうが〜
って撫でるんだけど巽は寂しそうに笑う。
自分の顔の系統はどっちかというと綺麗系の癒し系寄りっていうのはプロだから把握済み
(こはくとにーちゃんは超綺麗系×可愛いみたいな?)
次の日のデートで巽はつり目寄りのメイクをしてくるんだよね
ああ健気で愚かで愛しいよ巽…
でも俺は何で巽がそんなメイクをしてきたのかとか気づけない
「今日ちょっと違う?違うのも可愛いね」って言う。
知らぬ間に巽を傷つけてる俺ホント最悪。
でも、巽が俺に合う時そのメイクを続けるから「なんで」って聞くんだよね。で、巽が恥ずかしそうに
「俺さんがこっちの方が好みだと」って言う。俺うろたえて
「えっ?!それで一ヶ月も?!」
生娘みたいに真っ赤になって頷く巽。「ええ…ごめん。そんなつもりは…俺はどんな巽でも…いや、巽のままが好きだ!傷つけてしまってごめんなさい」
翌日、いつも通りの巽。
俺は何か恥ずかしくて顔を覆ってしまう。巽が俺の腕を力ずくで開き顔を見ようとする…っていうオチ
現実は
何も動じない巽に俺が「巽はああいうの…着ないの…?」って聞いて「ええ、まあ。俺とは路線が異なりますからな」と一蹴される
境界みたいな男の俺と同棲してくれてる完璧超人な巽は聖人だと思う
巽が読書してる隣でタオルオナニーしだすし巽はチラッと目をくれただけで何事もなかったように読書続ける 特に言葉を交わそうとしてくれないし最初から言語コミュニケーションを諦められてる感じなんだけど何でか一緒にいてくれる
何で一緒に住むようになったんだっけ?
完全に呆れられてるし人間として見てもらえてないんだけど…てか軽蔑されてる…どうして家に帰ってきてくれるんだい? ボランティア活動?
流石に2回戦、3回戦に突入すると溜息混じりに本閉じて自分の部屋行く
俺関係なくシコる
巽の体を求めたことは一度もないです。俺が勝手にシコってるだけです。
巽がどうしてるのかは知らない
0名でAV墜ちした巽ならこんな俺でも共に生きてくれるかもしれない
#微妙な妄想
巽が読書してる隣でタオルオナニーしだすし巽はチラッと目をくれただけで何事もなかったように読書続ける 特に言葉を交わそうとしてくれないし最初から言語コミュニケーションを諦められてる感じなんだけど何でか一緒にいてくれる
何で一緒に住むようになったんだっけ?
完全に呆れられてるし人間として見てもらえてないんだけど…てか軽蔑されてる…どうして家に帰ってきてくれるんだい? ボランティア活動?
流石に2回戦、3回戦に突入すると溜息混じりに本閉じて自分の部屋行く
俺関係なくシコる
巽の体を求めたことは一度もないです。俺が勝手にシコってるだけです。
巽がどうしてるのかは知らない
0名でAV墜ちした巽ならこんな俺でも共に生きてくれるかもしれない
#微妙な妄想
2025年2月 この範囲を古い順で読む
さよなら先輩
午後8時。
風早巽は仕事を終えスタジオを出た。春の声も近い3月のことだった。
今日はALKALOIDのメンバーと振りを合わせ、その後ラジオの収録があったため3人とは別れていた。
『後輩の皆さんも是非ALKALOIDの公演を楽しみに待っていてくださいね。俺達も皆さんに会えるのを楽しみにしています…♪それでは』
収録終わり、巽は仕事仲間に飲みに誘われたのを断っていた。
『明日もレッスンがあるので…すみません。また公演が終わった後にでも誘っていただけると嬉しいですな』
公演に向けた練習は佳境を迎えていた。この頃は足の調子も良く、復帰した頃と比べ制限なく踊れるようになっている。巽は今が楽しかった。
「〜♪〜〜♪」
新曲を口ずさむ。通しで何百回と聞いた曲だ、思い起こさなくても他パートの歌詞まで自然と零れる。
『巽先輩!そこの振り付けだけど、もっとこう……ガバッとやってしまってもいいんじゃないかな』
『ちょっとヒロくん?タッツン先輩も考えがあってやってるんだから口出ししないの!
……でも……うん。タッツン先輩のカッコイイところが見れてファンの人も嬉しいかも……。ねね、おれも出だしのとこ…こぉんな振り付け加えたいんだけどどうかなァ?』
『イイ!藍良さんいいですっ!是非取り入れましょう!』
『ウム!藍良、可愛いよ!』
『ヒロくんは黙ってて!』
『ふふふ。では皆さんもう一度通しでやってみましょうか、本番まで時間もありませんし……少しハードなメニューになると思いますが、付いてきてくれますね?』
『ヒィッ!マヨさんが鬼教官の目をしてるっ!タッツン先輩〜!』
巽は今が一番楽しかった。
住宅街の街灯が点々と暗がりのアスファルトを照らしている。所々雪解けが進んでいて地面は乾き、ガスのような匂いが漂っている。
匂いの正体はヒサカキ。3月から4月にかけて小さな白い花を下向きに咲かせる植物で強い臭気を放つ。たくあん、インスタントラーメンの粉末の匂いと感じる人も居るが、巽は春の匂いだと思う。
フレイヴァーやガーデニアの活動を通して巽は色んなことに詳しくなった。紅茶の美味しい淹れ方、茶葉や茶器の種類、家庭菜園の基本、多種多様の植物。人はどこまでも成長していけるのだと仕事やクラブ活動を通して感じる。一度は終わった人生、こんな幸福が待ち受けていようとは思ってもいなかった。
巽は今、満たされていた。
角を曲がり、突然トスっと何かが巽にぶつかった。黒ずくめの男だった。謝ろうと声を出そうとするも出ない。
男は離れて手に握っていたものを落とした。カランッカランッと金属の音がする。巽は腹を押さえた。脇腹の辺りがどくっどく熱くて、同時に凍傷にあったような冷たさも襲ってくる。
……痛い……!
「カヒュッ…カヒュッ…」
巽は警戒して後退った。足元がふらつき地面が遠い。男が近寄ってくる。巽は立っていられなくて、その場に蹲ってしまった。男が何か言っている。
「……が悪いんですよ…俺達を……いこうとするから」
己の呼吸で男の言葉が聞き取れない。じんわりと冷や汗が滲む。
「仕事、楽しいですか? 楽しいですよね、仲間がいて。居場所があってさ。幸せそーな顔しちゃって。人でなし。見てらんないな。
俺のこと覚えてますか? 俺、先輩を信じてあんなに苦しんだのに、最後は裏切られちゃったなぁ。
最初からいたのに。信じてたのに。
俺は今……全部ないな?ズルいなぁアンタだけ。
アンタのすました顔見てると腹が立つ。風早巽ってどこ行きました?
返してくれよ。俺の神様」
蹲る巽を見下ろしてボソボソ喋り続ける男を、巽は閉じてゆく瞼を必死にこじ開け捉えていた。
「アンタは忘れてしまった。神の愛だとかなんとか、俺には1度だって理解できたことねぇや。
アンタだって、本当は分かってないんじゃねぇか?
耳馴染みのいいことばっか言ってないで1回くらい、テメーの言葉で語ってみろや。なんでああなった。どこから間違った。
分析じゃなく、アンタの心で。心底反省して導き出した結論を。
ほら。ほら。
………………。
アンタが幸せになる資格なんて、どこにもねぇ。
――死ね。」
男は爪先でドスッと巽の胸を衝いた。
「ゔっ!!」
衝撃で巽は転がった。男はしゃがんで顔を近づける。
「分かったら、さっさとそんなとこ引き払って、責任持って落ちて来なよ? アンタは元々、俺達の神様なんだから。俺は先輩を愛してます。」
巽は遠くなる意識の中で瞼を閉じ、まざまざと過去の記憶が脳に流れ込んでくるのに任せていた。温度を失った唇から言葉が漏れる。
「おれも……きみたちを…あいしています…………」
「……ありがとう」と巽の頬を一筋の涙が流れる。
男は引き攣った顔をして、たちまちにして青くなった。スマホを取り出し何処かに電話をかけている。
十数分後、けたたましいサイレンを響かせ救急車が到着した。動けない巽を隊員が担架に乗せ車内に運び込む。男は隊員に事情を説明し、その後到着したパトカーに連行された。
巽が目を開けると見慣れた病院の天井があった。トラバーチン模様の天井は虫が蠢いているような不思議な感じで、それでも実家の子供部屋の天井よりはマシだと思った。
巽は自分は夢を見ていたのだと考えた。自分はまだ、あの取り返しのつかない過ちの後、病院の寝台につながれた状態で。片足は動かず、することもなくただぼんやりと天井を眺めている内に寝てしまったのだ。幸せな夢だった。けれど自分が見ていいものじゃないと目を伏せた。
病室のスライド式ドアが開く音。巽はそこで初めて自分が個室にいることに気がついた。
「あっ!!!タッツン先輩起きてるゥ〜〜!!わぁーーーん!」
「ほんとだ!マヨイ先輩、巽先輩が目を覚ましたようだよ」
「ああ、よかったです!もう目覚めないんじゃないかと…お加減はいかがです?巽さん」
巽は目を丸くした。夢の世界の住人が目の前にいて自分に話しかけている。
「俺は…夢を…」
「もう!タッツン先輩何言ってるの!」
「フム。一度医者に診てもらった方がいいかもしれないね。人間は大きなショックを受けると記憶を失ってしまうと聞いたことがあるよ」
「巽さん、あなた刺されたんですよ…?それは、覚えています?」
「わァ…あらためて言葉にされちゃうとグロォ…」
彼らが話し、動き、息をしている。巽の全てに反応し、笑ったり怒ったり心配したりしてくれる。ああ、現実か、と心が軽くなる。
「ふふ。」
「え、なに?笑ってるゥ〜…」
「巽先輩。どこか痛むところはないかな?」
「ごめんなさい、ごめんなさいっ、私がショッキングなことを口にしたから!」
「マヨイさん、俺は大丈夫ですな。一彩さん、藍良さんも。心配をかけてしまってすみません」
巽はメンバーにニッコリ笑いかけると深々と頭を下げた。巽が謝ることではないと慌て、よし昼食にしよう!と誰かが言い出し、揃って食前の祈りを捧げた。
巽の個室はそれから毎日賑やかだった。
事件から数カ月、とある記者から連絡を受け巽は取材に応じていた。記者から1枚の手紙が差し出される。犯人からだという。読みたくなければ読まなくていい、と記者は言った。巽は迷わず開いた。
『風早巽先輩へ。風早先輩。風早先輩の人生は風早先輩の人生だと、俺はここ数ヶ月ずっと自分に言い聞かせてきました。俺はあなたの一部になれなかった。あなたも結局、俺達の一部にはなれなかったんです。人間だから、当たり前のことです。昔のことは気にしないでください。傷つけたこと謝ります。笑顔でいてください。あなたの笑顔は優しくて好きだ。愛してくれてありがとう。さよなら、風早先輩。今でも愛しています』
勝手だなぁと巽は思った。懐かしいなぁとも。
学園時代、彼らは勝手で健気で愛しい存在だった。そんな彼らの愛を払い除け、自分の思想に拘ってしまった。しかし彼らはそれはそれで幸せそうに……?どこから間違っていたんだろう。今でも実感として分からない。
巽は記者に礼を言って別れた。喉が渇いたので施設内の自販機に立ち寄る。ポケットに手を突っ込むとクシャクシャになった診察券があった。
巽は小さな祈りを込めて握り、屑籠に捨てた。
それは乾いた音を立て他のゴミに紛れてしまった。
さよなら先輩(終)
次の話〉〉
ページTOP
午後8時。
風早巽は仕事を終えスタジオを出た。春の声も近い3月のことだった。
今日はALKALOIDのメンバーと振りを合わせ、その後ラジオの収録があったため3人とは別れていた。
『後輩の皆さんも是非ALKALOIDの公演を楽しみに待っていてくださいね。俺達も皆さんに会えるのを楽しみにしています…♪それでは』
収録終わり、巽は仕事仲間に飲みに誘われたのを断っていた。
『明日もレッスンがあるので…すみません。また公演が終わった後にでも誘っていただけると嬉しいですな』
公演に向けた練習は佳境を迎えていた。この頃は足の調子も良く、復帰した頃と比べ制限なく踊れるようになっている。巽は今が楽しかった。
「〜♪〜〜♪」
新曲を口ずさむ。通しで何百回と聞いた曲だ、思い起こさなくても他パートの歌詞まで自然と零れる。
『巽先輩!そこの振り付けだけど、もっとこう……ガバッとやってしまってもいいんじゃないかな』
『ちょっとヒロくん?タッツン先輩も考えがあってやってるんだから口出ししないの!
……でも……うん。タッツン先輩のカッコイイところが見れてファンの人も嬉しいかも……。ねね、おれも出だしのとこ…こぉんな振り付け加えたいんだけどどうかなァ?』
『イイ!藍良さんいいですっ!是非取り入れましょう!』
『ウム!藍良、可愛いよ!』
『ヒロくんは黙ってて!』
『ふふふ。では皆さんもう一度通しでやってみましょうか、本番まで時間もありませんし……少しハードなメニューになると思いますが、付いてきてくれますね?』
『ヒィッ!マヨさんが鬼教官の目をしてるっ!タッツン先輩〜!』
巽は今が一番楽しかった。
住宅街の街灯が点々と暗がりのアスファルトを照らしている。所々雪解けが進んでいて地面は乾き、ガスのような匂いが漂っている。
匂いの正体はヒサカキ。3月から4月にかけて小さな白い花を下向きに咲かせる植物で強い臭気を放つ。たくあん、インスタントラーメンの粉末の匂いと感じる人も居るが、巽は春の匂いだと思う。
フレイヴァーやガーデニアの活動を通して巽は色んなことに詳しくなった。紅茶の美味しい淹れ方、茶葉や茶器の種類、家庭菜園の基本、多種多様の植物。人はどこまでも成長していけるのだと仕事やクラブ活動を通して感じる。一度は終わった人生、こんな幸福が待ち受けていようとは思ってもいなかった。
巽は今、満たされていた。
角を曲がり、突然トスっと何かが巽にぶつかった。黒ずくめの男だった。謝ろうと声を出そうとするも出ない。
男は離れて手に握っていたものを落とした。カランッカランッと金属の音がする。巽は腹を押さえた。脇腹の辺りがどくっどく熱くて、同時に凍傷にあったような冷たさも襲ってくる。
……痛い……!
「カヒュッ…カヒュッ…」
巽は警戒して後退った。足元がふらつき地面が遠い。男が近寄ってくる。巽は立っていられなくて、その場に蹲ってしまった。男が何か言っている。
「……が悪いんですよ…俺達を……いこうとするから」
己の呼吸で男の言葉が聞き取れない。じんわりと冷や汗が滲む。
「仕事、楽しいですか? 楽しいですよね、仲間がいて。居場所があってさ。幸せそーな顔しちゃって。人でなし。見てらんないな。
俺のこと覚えてますか? 俺、先輩を信じてあんなに苦しんだのに、最後は裏切られちゃったなぁ。
最初からいたのに。信じてたのに。
俺は今……全部ないな?ズルいなぁアンタだけ。
アンタのすました顔見てると腹が立つ。風早巽ってどこ行きました?
返してくれよ。俺の神様」
蹲る巽を見下ろしてボソボソ喋り続ける男を、巽は閉じてゆく瞼を必死にこじ開け捉えていた。
「アンタは忘れてしまった。神の愛だとかなんとか、俺には1度だって理解できたことねぇや。
アンタだって、本当は分かってないんじゃねぇか?
耳馴染みのいいことばっか言ってないで1回くらい、テメーの言葉で語ってみろや。なんでああなった。どこから間違った。
分析じゃなく、アンタの心で。心底反省して導き出した結論を。
ほら。ほら。
………………。
アンタが幸せになる資格なんて、どこにもねぇ。
――死ね。」
男は爪先でドスッと巽の胸を衝いた。
「ゔっ!!」
衝撃で巽は転がった。男はしゃがんで顔を近づける。
「分かったら、さっさとそんなとこ引き払って、責任持って落ちて来なよ? アンタは元々、俺達の神様なんだから。俺は先輩を愛してます。」
巽は遠くなる意識の中で瞼を閉じ、まざまざと過去の記憶が脳に流れ込んでくるのに任せていた。温度を失った唇から言葉が漏れる。
「おれも……きみたちを…あいしています…………」
「……ありがとう」と巽の頬を一筋の涙が流れる。
男は引き攣った顔をして、たちまちにして青くなった。スマホを取り出し何処かに電話をかけている。
十数分後、けたたましいサイレンを響かせ救急車が到着した。動けない巽を隊員が担架に乗せ車内に運び込む。男は隊員に事情を説明し、その後到着したパトカーに連行された。
巽が目を開けると見慣れた病院の天井があった。トラバーチン模様の天井は虫が蠢いているような不思議な感じで、それでも実家の子供部屋の天井よりはマシだと思った。
巽は自分は夢を見ていたのだと考えた。自分はまだ、あの取り返しのつかない過ちの後、病院の寝台につながれた状態で。片足は動かず、することもなくただぼんやりと天井を眺めている内に寝てしまったのだ。幸せな夢だった。けれど自分が見ていいものじゃないと目を伏せた。
病室のスライド式ドアが開く音。巽はそこで初めて自分が個室にいることに気がついた。
「あっ!!!タッツン先輩起きてるゥ〜〜!!わぁーーーん!」
「ほんとだ!マヨイ先輩、巽先輩が目を覚ましたようだよ」
「ああ、よかったです!もう目覚めないんじゃないかと…お加減はいかがです?巽さん」
巽は目を丸くした。夢の世界の住人が目の前にいて自分に話しかけている。
「俺は…夢を…」
「もう!タッツン先輩何言ってるの!」
「フム。一度医者に診てもらった方がいいかもしれないね。人間は大きなショックを受けると記憶を失ってしまうと聞いたことがあるよ」
「巽さん、あなた刺されたんですよ…?それは、覚えています?」
「わァ…あらためて言葉にされちゃうとグロォ…」
彼らが話し、動き、息をしている。巽の全てに反応し、笑ったり怒ったり心配したりしてくれる。ああ、現実か、と心が軽くなる。
「ふふ。」
「え、なに?笑ってるゥ〜…」
「巽先輩。どこか痛むところはないかな?」
「ごめんなさい、ごめんなさいっ、私がショッキングなことを口にしたから!」
「マヨイさん、俺は大丈夫ですな。一彩さん、藍良さんも。心配をかけてしまってすみません」
巽はメンバーにニッコリ笑いかけると深々と頭を下げた。巽が謝ることではないと慌て、よし昼食にしよう!と誰かが言い出し、揃って食前の祈りを捧げた。
巽の個室はそれから毎日賑やかだった。
事件から数カ月、とある記者から連絡を受け巽は取材に応じていた。記者から1枚の手紙が差し出される。犯人からだという。読みたくなければ読まなくていい、と記者は言った。巽は迷わず開いた。
『風早巽先輩へ。風早先輩。風早先輩の人生は風早先輩の人生だと、俺はここ数ヶ月ずっと自分に言い聞かせてきました。俺はあなたの一部になれなかった。あなたも結局、俺達の一部にはなれなかったんです。人間だから、当たり前のことです。昔のことは気にしないでください。傷つけたこと謝ります。笑顔でいてください。あなたの笑顔は優しくて好きだ。愛してくれてありがとう。さよなら、風早先輩。今でも愛しています』
勝手だなぁと巽は思った。懐かしいなぁとも。
学園時代、彼らは勝手で健気で愛しい存在だった。そんな彼らの愛を払い除け、自分の思想に拘ってしまった。しかし彼らはそれはそれで幸せそうに……?どこから間違っていたんだろう。今でも実感として分からない。
巽は記者に礼を言って別れた。喉が渇いたので施設内の自販機に立ち寄る。ポケットに手を突っ込むとクシャクシャになった診察券があった。
巽は小さな祈りを込めて握り、屑籠に捨てた。
それは乾いた音を立て他のゴミに紛れてしまった。
さよなら先輩(終)
次の話〉〉
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着地
コネライまでは「巽は婚約指輪受け取ってくれるかな?♪(受け取ってくれることは確定)」って感じだったのにコネライ直前直後で「巽は俺のことなんて見ていない。全部俺の脳内の話。鬱」になって2日くらい中途覚醒に悩まされた後、突然バイト行く途中の車内で「でも俺の中に巽はいるくない?」になって今は「公式様メロメロ」になってんの流石に自分元気すぎるな
全然無理。公式様は私の大好きな巽だし恋慕暴走する。ボイス付きだと可愛すぎて禿げる。いちいち言動が好き。
全然無理。公式様は私の大好きな巽だし恋慕暴走する。ボイス付きだと可愛すぎて禿げる。いちいち言動が好き。
SS
SSの巽は物騒な物言いをするんだけど逆を返せば強がりで。敵を騙し討ちすることにずっと疑問を抱いてる。でも一彩君の裏指令のこともあって〜〜合理性と情緒性の狭間で独り悶々とする所が物凄く人間らしくて
「みんなで協力して勝利する。真面目にコツコツ。それがALKALOIDだよ!」って旅館で話してた時はまだ巽の方も計画立てられてなかったんじゃ。ユニットを守るために『指令』というルールを言い訳にして非道な真似をする。巽の決意はここら辺から始まっていたのかな

こんなん守りたいに決まってんだろ
巽の求めていたかけがえがない存在たち。自分の思想・習慣を共有して受け止めてくれて一緒に考えてくれる。何に変えても手放せないだろ!そりゃ無茶もしちゃうよね…自分の信念を曲げてでも守りたいものができたっていうのが俺、嬉しくてたまらないんだ

でもさ言うほど非道じゃない。元々ジャングルに放り込んだのって運営で巽じゃないし、そのまま放置しとくだけでトリスタはSSL$を稼げず予選敗退コースもあった。巽は 万一に備えて味方の振りして暗号で翻弄しはしたけど↓のような待遇を上と掛け合って施させた。たとえ配信でALKALOIDがお零れもらってたとしても非道とは言えないんじゃないかな?寧ろ甘い。

ALKALOIDがトリスタに良い顔をしすぎたせいで怪しまれちゃったわけだし。巽って凄く賢くて凄く優しい。その頭脳を悪知恵に使わないって所が巽の芯の強さとか反面不器用さみたいなのにも影響してて…あり得ないくらい好きです
#解釈
そろそろ結婚しないと…なあ
ファンアートを描くことを結婚っていうのやめれる?
ファンアートを描くことを結婚っていうのやめれる?
現実の風早巽に私も俺も影響を及ぼすことはできない。
認知されないのは楽
認知されないのは楽
コネライで現実を直視
コネライに備えて月都読み直してるんやけど、嘘の告白のシーン日和さんを庇うために空回りしちゃう巽可愛かった。きっと嘘のハードルが人より高いからもっと怒られると思ったんだろうね泣でも皆噓をついたこと自体を責めてるんじゃなくてその内容を責めてるわけで
日和さんの嘘に気づいて鎌をかけつつ無理には引き出そうとはしないで乗っかるところが良かったし、ベランで話した玲明への負い目とバッサリ切ってくれる日和さん。そんな日和さんに感謝してもしきれないと言う巽
日和さんの嘘に気づいて鎌をかけつつ無理には引き出そうとはしないで乗っかるところが良かったし、ベランで話した玲明への負い目とバッサリ切ってくれる日和さん。そんな日和さんに感謝してもしきれないと言う巽
「疲れた顔してるね?わかる〜ライブの後って疲れちゃうよね〜」って話しかけてくれた瑞希さんに惚れた
巽の好きなところ
・Knightsへ向けたファンメッセージを拾うところ
・ドライブネタで盛り上がることを知っててステージでやるところ
・「お姫様」と言えてしまうところ←しかも初手。Knightsがいたから寄せたものと思われる
・ファン達を心底愛おしそうに見つめてくるところ
リッツからタッチャン呼びされてて可愛かったな「そういうの得意そうだし」ってKnightsから言われてんのヤバ「俺ですか」と驚きはしたもののスッとやれてしまうところがね…自分の出番が終わった後は後ろの方で皆のファンサに拍手してて奥ゆかしい
KnightsのMCがわちゃわちゃし始めた時に後ろからそっと入って「風早先輩、すみません」って言われてたの最高じゃなかった!?そこはまだ巽の役割なんだ~みたいな
・Knightsへ向けたファンメッセージを拾うところ
・ドライブネタで盛り上がることを知っててステージでやるところ
・「お姫様」と言えてしまうところ←しかも初手。Knightsがいたから寄せたものと思われる
・ファン達を心底愛おしそうに見つめてくるところ
リッツからタッチャン呼びされてて可愛かったな「そういうの得意そうだし」ってKnightsから言われてんのヤバ「俺ですか」と驚きはしたもののスッとやれてしまうところがね…自分の出番が終わった後は後ろの方で皆のファンサに拍手してて奥ゆかしい
KnightsのMCがわちゃわちゃし始めた時に後ろからそっと入って「風早先輩、すみません」って言われてたの最高じゃなかった!?そこはまだ巽の役割なんだ~みたいな
はあん♡お情けください♡このドブスな低脳社会のお荷物コミュ症ホモタクにぃ♡
ほんとになんなんだろ、巽のこと夢に出てきてから好きになったのに。
友達が元々あんスタ歴8年?のPでヴァル、クレビ(燐音さん)、アルカ(巽さん&藍良くん)が好きでTripのCDを聴かせてくれたのが始まり。ソロ曲で気になって顔面も見せてもらいメロつきはしたもののそれだけだった。
そっから1カ月くらい経って何故か巽が夢に出てきた。私の肩に両腕を滑らせて優しくバックハグ、私に手をそっと出して取らせたり、付き合ってないのに駆け引きされてる感じだった。
巽、俺を選んで落としに来てくれたのかい…?
平安和歌みたいなこと言ってる
友達が元々あんスタ歴8年?のPでヴァル、クレビ(燐音さん)、アルカ(巽さん&藍良くん)が好きでTripのCDを聴かせてくれたのが始まり。ソロ曲で気になって顔面も見せてもらいメロつきはしたもののそれだけだった。
そっから1カ月くらい経って何故か巽が夢に出てきた。私の肩に両腕を滑らせて優しくバックハグ、私に手をそっと出して取らせたり、付き合ってないのに駆け引きされてる感じだった。
巽、俺を選んで落としに来てくれたのかい…?
平安和歌みたいなこと言ってる
コネライ前日 混沌
明日アイドルの風早巽(20)を見に行くんだ…現実の、アイドルをやってる風早巽を
私ステージで踊る巽を観るんだ…巽が努力して作り上げた踊りや歌を…表情管理やファンサービスを…自分がどう見られてるか考え抜いた末に仕上げた最高傑作、努力の結晶を…
巽の一番好きなことってきっとアイドルでいることだから。人との繋がりを求める巽にとってファンってかけがえのないものだろうし、彼の自己実現の場でもある。つまり「生きる」に直結している行為で、それを認めて応援してもらえることは巽を「生きている存在」として肯定することになる。明日巽の「生きる」を見に行くんですよ
ステージの巽に解釈とか持ち込んだら失礼だわ。巽はファンのため至上のパフォーマンスを披露してくれるつもりだって。だから明日は格好いい〜ってメロメロになってればいいんだ
メロメロになるの許されてるの誠に有難う。見られることを良しとする仕事だから舐めるように見ても誰も怒んないし。アイドルでいてくれて助かる
ライブはアイドルだけどストーリーイベントは個人の話だからばんばん私情持ち込む 解釈のふりかけを元の味わかんない位かけて頂く
夢主
マヨイは元怪人としてALKALOIDの基礎力を根底から上げた人、導く者の役割を担ってるわけで、今まで導く側だった巽はレッスンに関してはマヨイによって導かれているも同然(他にもマヨイは巽の生い立ちや価値観に共感を示してくれたり、賢くて色んなアドバイスを与えてくれたりする) 勝ち目ないやん
マヨイ巽のツボ押さえすぎ 惨敗だ
#選ばれたい
マヨイ巽のツボ押さえすぎ 惨敗だ
#選ばれたい
ツイーチェは糞垂れ流し
創作は もはや練り上げたウンコだから 見て欲しい
創作は もはや練り上げたウンコだから 見て欲しい
好きって200種類あんねん。巽への好きはその中で網羅してる種類が多いってことで、弟や家族、友達、彼氏とはまた別ベクトルやねんか。被ってるところはあれどね?可愛いも格好いいも一緒や。現実の人間と同じ土俵には立たせてへん。巽は俺の神様なんよ
なんてキシリトールみたいなフォントなんだ
おい!テスト勉強をしなさい!巽とイチャイチャしたくないのか!したい!単位取りたくないのか!取りたい!どっちだ!イチャイチャの方がしたいです!よろしい、ピクシブでモブ巽を漁ってきなさい
ソロ時代のイケイケな巽とか無理だよお!16とかでバキバキジャキジャキに躍り狂って厳しいイケメンしてるんだ!セクシーな腰振りダンスとかもさせられてるんだ!巽くん(16)にメロつく女殺到だよ抱かれたい男ランクインだよ〜
俺は巽の強さをがどれほどなのかを試したい。私は蒼君の強さがどれほどなのか試したい。私は彼等を通して自分がどうやって本当の強さを獲得できるか知りたがっている。強くなりたい巽の人間らしいところすごく好き。こんな深い人物造形してんだから現実にいないほうがおかしいよね?いますよねこの人
私が勉強するときシャーペンで皮膚をペチペチする癖巽はどう思うんだろ 何回か警告されて最終的にペン取り上げられるんだろうか、んで「集中できないなら俺と話しながらしましょう。分からないところは俺が教えますし」って超密着型勉強会が始まるんだ 手癖は収まったけどドキドキして集中できない
ニッコニコの顔で腕相撲手加減されたい
最後に「すみません」って言ってポフっと負かされる
最後に「すみません」って言ってポフっと負かされる
巽って絶対にSMプレイとかできないよな鞭とか蝋燭とか共感性高い巽には絶対無理だし「これに何の意味が?」とか思っちゃうだろうなーでも寸止めとか前立腺マッサージとかなら全然してくれそう。言葉責めとかは仕事ならするけどプライベートではどうかな?やってくれるか?
ちょいSくらいなら巽頼まなくても勝手になっちゃいそう 俺が尻穴指で掘られてよがってイきそうになったら焦らして「ん♡まだですな♡」「出ちゃいそう?我慢できますね?♡」ってさあヤバい
巽の指は俺の体液でシワシワになっちゃってるっていうのに
#微妙な妄想
ちょいSくらいなら巽頼まなくても勝手になっちゃいそう 俺が尻穴指で掘られてよがってイきそうになったら焦らして「ん♡まだですな♡」「出ちゃいそう?我慢できますね?♡」ってさあヤバい
巽の指は俺の体液でシワシワになっちゃってるっていうのに
#微妙な妄想
SAKAMOTO DAYS 俺の理想の夫婦の姿
巽から離婚とか別れるとか嫌いとか絶対聞きたくないし言われたら金玉縮み上がる自信ある…けど、あざとく「嫌いになっちゃいますよ?」って言われたり「それ、やったら離婚です」ってバッサリ切り捨てられるのはいいかもぉ 巽の尻に敷かれたあい♡巽の手玉に取られたいよ♡
巽って俺が絶対巽のこと嫌いにならないって分かってるからさぁ軽くあしらったり試してきたりするんだよね♡冷たい目で見られるのもまた一興みたいな?だって巽も俺のこと大好きな目してるもん♡可愛いね〜大好きだよ〜
#微妙な妄想
巽から離婚とか別れるとか嫌いとか絶対聞きたくないし言われたら金玉縮み上がる自信ある…けど、あざとく「嫌いになっちゃいますよ?」って言われたり「それ、やったら離婚です」ってバッサリ切り捨てられるのはいいかもぉ 巽の尻に敷かれたあい♡巽の手玉に取られたいよ♡
巽って俺が絶対巽のこと嫌いにならないって分かってるからさぁ軽くあしらったり試してきたりするんだよね♡冷たい目で見られるのもまた一興みたいな?だって巽も俺のこと大好きな目してるもん♡可愛いね〜大好きだよ〜
#微妙な妄想
#解釈
巽がアイドルとして生きる目標「愛されたい」は別に自己主張とか承認欲求の類ではなくて単に人の温かさを求めるような素朴な、渇望した愛を求めることなんだ。人間が自己を確立するために他者との触れ合いを必要とするのと同義。巽はきっと不器用だから愛を遠くの世界に求めたんだね
巽の選民意識について、彼は無意識に自分の隣に立つに相応しい人間を選んでる。妄信的な信者は論外、助けになるわけない(平等じゃなくなるってのも本心だろうが)と手を振り払った。巽が求めるのは真に自分を理解し、それでいて新しい視点をくれる人。それは要だったね
巽のプライドの高さに私もうメロメロなんですけど。プライドっても世間で言うとこの虚勢とかじゃなくて孤高とかのプライドね。信念ともいう。思想貫いて自分を律し、立ってる姿が生きる銅像
相手との関係が自己肯定感に直結してるってのが危うくて推せる。人間不信に陥るような大事件があった後でも人との繋がりを絶たない強さ(弱さでもある)が好きだから
けれど巽は本質的に自己完結型であると思うので。他者との触れ合い、対話を求めながら柔軟になりきれない不器用さ。最高に憐れで愛しい
心から他人を大切にしたいと願っているのに信念を曲げられないせいで結果自分も他人も傷つけてしまったってのが最高に哀れ。いじらしい
でも役割から解き放たれたら巽って生き方わからなくなりそう。人を導くことが巽の人生の指針だもんね。基盤を失うわけには行かないか
彼は弱さを見せられないのに誰よりその弱さを認めて欲しがってる。許されたがっている。だから彼は知らない誰かのことも無条件に愛せるのです
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巽がアイドルとして生きる目標「愛されたい」は別に自己主張とか承認欲求の類ではなくて単に人の温かさを求めるような素朴な、渇望した愛を求めることなんだ。人間が自己を確立するために他者との触れ合いを必要とするのと同義。巽はきっと不器用だから愛を遠くの世界に求めたんだね
巽の選民意識について、彼は無意識に自分の隣に立つに相応しい人間を選んでる。妄信的な信者は論外、助けになるわけない(平等じゃなくなるってのも本心だろうが)と手を振り払った。巽が求めるのは真に自分を理解し、それでいて新しい視点をくれる人。それは要だったね
巽のプライドの高さに私もうメロメロなんですけど。プライドっても世間で言うとこの虚勢とかじゃなくて孤高とかのプライドね。信念ともいう。思想貫いて自分を律し、立ってる姿が生きる銅像
相手との関係が自己肯定感に直結してるってのが危うくて推せる。人間不信に陥るような大事件があった後でも人との繋がりを絶たない強さ(弱さでもある)が好きだから
けれど巽は本質的に自己完結型であると思うので。他者との触れ合い、対話を求めながら柔軟になりきれない不器用さ。最高に憐れで愛しい
心から他人を大切にしたいと願っているのに信念を曲げられないせいで結果自分も他人も傷つけてしまったってのが最高に哀れ。いじらしい
でも役割から解き放たれたら巽って生き方わからなくなりそう。人を導くことが巽の人生の指針だもんね。基盤を失うわけには行かないか
彼は弱さを見せられないのに誰よりその弱さを認めて欲しがってる。許されたがっている。だから彼は知らない誰かのことも無条件に愛せるのです
ペンラ振る余裕もなかったし誰の声も脳に届かなかったし記憶もないし、アーカイブ残らない中1回で全部目に焼き付けるとか流石にギャンブルなので昼も夜も買いました。来月の請求は来月の私がなんとかする
前世で星1つ壊してきたんかってくらい罪を償うかのように善行を重ねておりますけど
才能に恵まれた人間なのに他人の苦労事全部背負い込もうとして勝手に悩んで苦しんで。この人の一番の才能って悩むことなんじゃないでしょうか
才能に恵まれた人間なのに他人の苦労事全部背負い込もうとして勝手に悩んで苦しんで。この人の一番の才能って悩むことなんじゃないでしょうか
んでMさんよりエロいんだよ
頑固親父辞めて未亡人キャラに転職したんか?
頑固親父辞めて未亡人キャラに転職したんか?
美しいね、巽さん この世の何に代えても美しい 宇宙に煌めく幾万の恒星たちにも夕焼けを映し出す海原なんかよりずっと 全部消えても君の美しさだけは残るだろうね 愛してるよ 殺して
図書館バイト受かったぞおおおおお!!!!!バイト代は10周年ハピエレ!お前に全betだ!!!!!
俺が絶対描けない顔でもう…ありがとう意外に適格な言葉知ってる人はいませんか?辞書通読されてる方と対話をし、この感情に名前をつけて頂きたいです
人間社会で無能な俺が風早巽の竿犬として飼われる話
新月の夜。21時過ぎ。欄干に体重を預ける若いスーツの男。
「はぁ……俺ってほんと駄目だ、殺してください。死ななきゃ……誰か……」
「そこの人。今の発言を撤回しなさい」
暗闇から現れる同年代と思しき男。賢そうな顔立ちで青磁の髪が印象的。眉間にしわを寄せた厳しい表情をしている。
「?!」
「今しがたここを通りかかった者ですな。己の死を望むものに天国への扉は決して開かれませんよ」
怖い。
「すみません。撤回します」
右手を挙げて宣誓の型を取る。そういえば昔は応援団とかやったっけ、人生の調子が悪くなったのはいつ頃。
「いいでしょう」
男は愁眉を開き、涼やかな顔で頷いた。
「しかし、何やら悩んでおられる様子。俺でよかったら話を聞きますが、ここではなんですし。近所に俺の家があるので寄っていきませんか?
俺の名前は風早巽。スターメイカープロダクション所属のアイドルをしています。ALKALOID……というグループなんですが、ご存知ありませんか?」
「あ、あ、あ、あの、風早巽ィ?!?!?!?!」
「知ってもらえていたようで光栄ですな♪」
男は俺の若干オーバーなリアクションにも愛嬌のある笑顔で応え、初対面の印象はどこへやら。心はいとも簡単に射抜かれてしまった。
こうしてどうして始まる竿役兼犬生活。
巽の家はタワーマンションの中層階。
靴音がしたら室内犬はダッシュで玄関に向かう。鍵を回す音。このドア一枚隔てて巽がいる期待感に胸がいっぱいになる。
「ただいま帰りました。おや、ふふ。今日も玄関でお出迎えですか。嬉しい限りですな♪」
荷物を下ろして片膝つくと、両手で俺の頭を挟み、わしゃわしゃ撫でる。
「いいこいいこ」
寂しかったとアピールするため、巽の身体にもたれかかった。
「こら♡ まて」
聞こえないふりして首筋に舌を這わす。
うっすらかいてる汗から甘いフェロモンがふんと香る。
「ですから、まて♡ と……ん、言っているでしょう?」
細い指がしなやかに伸びて俺の陰部を撫でつける。
「続きはシャワーのあと♡ よい子の君なら分かってくれますな?」
おとなしく離れた。
「ふふ。えらいえらい♡」
「んっ、俺さん…そこは……♡ っ……はあ」
シャワーの細い水流が弱弱しく巽の首筋を打つ。巽は壁のタイルに肘をつき、仰け反り、お尻を突き出す姿勢で、息を整えるよう軽く足を開いて立っている。背骨のくぼみに沿って静かに肛門へと流れる浄化水で水分補給。
「あ……♡はぁ…………もっと……」
濡れた左手が俺の頬を掠め、滑るようにして腰のあたりを探った。続けて自身の豊満な尻肉を持ち上げる。
目の前にヒクヒクと収縮する薄ピンク色の肉壁が露わになった。舌を押し当て、ぬっと深くまで差し込み、ゆっくり襞をかき分ける。括約筋をほぐすよう執拗に内から圧をかける。
「っあ……ぅあ………?♡」
脈打つ彼自身を握り、スライドさせながら、搾乳の要領で上から下へと優しく指圧をかける。人差し指で亀頭を撫で親指で裏筋に加減する。
快楽が、二ヶ所から同時に這い上がる感覚に巽は膝から何度も崩れ落ちそうになりながら耐えている。
「っも……だめですっ……」
弱音を漏らした瞬間、俺は空いた方の手のひらを彼の下腹に乗せた。張り詰めたゴムのような硬さが指先に反発してくる。
胸をぴっとり背に当て、指先に力を込めて彼の背中側――骨盤の中へと押し込む。
途端に、彼の腹筋が震えて引きつった。
逃げるように腰が浮こうとするのを押さえつけると、タイルめがけて金色の液が放出される。
「なっ?!♡え?」
自制できない排泄に戸惑う巽。残尿を絞り出すのに内股を震えさせながら抗議の声をあげる。
「こんなっ!よしなさい!」
――stop。主人の言うことは絶対である。俺は肉棒を握る手に力を込め、亀頭を思いっきり責め立てた。
びしゃーーーーーーーっと今度は透明な液体が、先ほどよりも勢いよくタイルに打ち付ける。
「あぁ……あぁぁ」
巽は制御の利かない自身の生理現象をガン見、言葉にならない呻きを発して、勢いが削ぐにつれ膝を折ってへたり込んだ。犬の俺はそんな巽に後ろからハグをし、ぺろぺろと顔を舐める。巽はしばらく大人しく舐められていたが自我を取り戻すと
「悪い飼い犬にはお仕置きが必要ですな」
と悪い顔をして俺に振り向いた。
「ここで反省なさい」
俺は両腕に手錠をかけられ真裸でベットの柵に括りつけられた。反対に衣類を身に着け人間らしい装いをした巽。
俺は巽を一心に見つめ、情けをかけてもらえるよう懇願する。
「そんな顔をしても無駄ですよ。君には俺が、飼い主として躾が必要なようですから」
そう言いながら巽は下を脱ぎだした。滑るように白い太ももからパサッと布切れが落ちる。既に半勃ち。ごくり。俺のは完勃ち。
「ふふ。期待しているんですね」
ゆっくり近づいて、自由が利かない俺の腹に跨る。
「ですが、これは躾ですからな。そう簡単に君の思い通りにはさせません」
お尻を上下に、俺の怒張に当てこすって焦らしてくる。じりじりと熱がこみあげてくる感じがもう頭限界。足をぴんと張り詰めて耐える。
「がんばれ♡がんばれ♡」
たまに滑って蕾に亀頭が掠る。風呂上がりのしっとりとした襞の感触を求め、ただ夢中にカクカク腰を動かす。
「駄目ですよ、俺さん。これは躾だと何度も申し上げているでしょう?」
それとも何度言っても分からないほどにお馬鹿さんなんでしょうか?この駄犬♡ と耳元で甘く優しい声で咎められる。正直脳が溶けそうだ。俺の限界加減を察したのか、このあまーいご主人は後ろ手に、反り勃つ俺の陰茎を下から撫で上げ先を掴むと自身の孔にあてがった。お風呂で前戯を済ませたおかげでヌルヌルと入っていく。
「ん♡はっつ♡んはぁっあ♡すごっ♡おおきっ……♡ぃです♡」
息も絶え絶えに腰を沈めていく。途中Gスポットを探し当てるかのように腰をくねらせ、良いところに当たると「はっ♡」と熱い吐息を漏らす。
俺は突き上げたい衝動を必死にせき止める。ちょっとでも腰を浮かせようものなら巽の「こら♡」が飛んでくるからだ。
「ふっ……はっ……いい子……♡ですなっ」
熱に蕩けて濃桃色にも見える眼差し。ゆっくり動き出す玄人並みのえっちな腰使い。「あっあっあっ」と抑える気がまるでない腰に響くような甘い喘ぎ声。
――無理だ
俺は両足で巽を強引に引き寄せると首元めがけて歯を立てる素振りをした。
巽の首筋、歯を食いしばりよだれを垂らす。
巽は少し動揺を見せたがすぐに立て直し
「ふふ。合格です。よく頑張りましたな♡」
と言ってキスをくれ、手錠を解いてくれた。
ダブルベット。激しく軋むスプリング。
「あああっ……ああああ…………♡」
止まないピストン。
巽の手が頭上のクッションに伸びて引っ張り、快楽から逃れようとする。
俺はそんな巽の肩を掴みさらにピストンの勢いを早める。
「だめですっつ!! こわ゛れるっう゛!」
上擦った声で哀願されても勢いは増すばかりだ。
「おねがいっ♡あっ……あん゛……いぐ……いぎそっっ♡」
種付けの体勢に入りズンッズンッと上から強く腰を打ち付ける。
「あゥっ……♡あゥっ……♡あゥっ……♡おれっさんっ」
最後の一撃を俺は必ず孕ませるつもりで、巽の最奥の奥へと熱く大量の精液を吐き出した。
「ああ!!?!?」
巽は反射で俺の背中に強く抱きつきビクビクビクッゥっ♡♡と痙攣を起こすとパタンと脱力、気を失ってしまった。
その間、俺は精液が漏れないようにグリグリと腰を押し付ける。巽の粘膜と俺の精液とがないまぜになるよう、しっかりかき混ぜる。
ぐちゅぐちゅぐちゅ
途中、なかが軽く締まったりした。その度に余った精液を少しずつ搾り取られながら、またゆっくりと腰を打ち付ける。
たん たん たん
巽が悩まし気な喘ぎとも呻きともとれる声を漏らす。まだ完全には覚醒しておらず微睡の中で犯されている感覚に近いだろう。
ずちゅずちゅずちゅ
精液と粘液の混じり合ういやらしい音が室内に響く。俺は舌を出して巽の口内に侵入。巽もほぼ催眠のような状態で受け入れ、ねっとりと互いの唾液を舐めとるようなディープなキスをする。
「はん……はわ……んぶ……んんっつ……♡」
巽は半覚醒状態なので唾液をうまく飲み込めず溺れそうになっている。
助けるためジュルルッと豪快に彼の舌ごと吸いつくした。
ちゅぽんっ♡巽の舌先を唇から離したとき
「? おや、俺さん。まだ挿れていたんですか?」
巽がしっかり目覚めて、先ほどの失態を忘れてしまったかのような口ぶりで話す。
俺は見つめてこくんと頷き、巽を抱きしめると顔を彼の顎の下までもっていった。
「ふふっ。なんて性欲の強い雄犬なんでしょうね。きみは……♡」
愛犬を愛でるような優しい手つきで頭を撫でられる。俺は興奮した犬のように巽の鼻と口をこれでもかと舐める。
「ふぶっ くすぐったいですなっ……あっ」
舐める拍子に腰も動いてしまって巽の中を再び突くかたちになる。
「そこっ、きもちいいです…………♡」
自身のいいところを飼い犬に躾ける巽。俺は指示通り一突き二突きと命中させる。
「はっ、はっ……はっ……だいすき……♡ですっ、おれさん」
巽の長くて引き締まった腕が首に回り込み、耳元で愛の言葉を囁いてくれる。
「んっ……愛してる……俺さんの子……孕ませて……?♡」
シナプス直下の100万ボルト。今年一番のラストスパートをかける。
「俺さんっ俺さんっ俺さんんっ…………!!♡」
――巽……!!!!
俺と巽は窒息するくらいの濃い口づけを交わし、ほぼ同時に果て、そのあと死んだように眠った。
〈〈前の話 次の話〉〉
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新月の夜。21時過ぎ。欄干に体重を預ける若いスーツの男。
「はぁ……俺ってほんと駄目だ、殺してください。死ななきゃ……誰か……」
「そこの人。今の発言を撤回しなさい」
暗闇から現れる同年代と思しき男。賢そうな顔立ちで青磁の髪が印象的。眉間にしわを寄せた厳しい表情をしている。
「?!」
「今しがたここを通りかかった者ですな。己の死を望むものに天国への扉は決して開かれませんよ」
怖い。
「すみません。撤回します」
右手を挙げて宣誓の型を取る。そういえば昔は応援団とかやったっけ、人生の調子が悪くなったのはいつ頃。
「いいでしょう」
男は愁眉を開き、涼やかな顔で頷いた。
「しかし、何やら悩んでおられる様子。俺でよかったら話を聞きますが、ここではなんですし。近所に俺の家があるので寄っていきませんか?
俺の名前は風早巽。スターメイカープロダクション所属のアイドルをしています。ALKALOID……というグループなんですが、ご存知ありませんか?」
「あ、あ、あ、あの、風早巽ィ?!?!?!?!」
「知ってもらえていたようで光栄ですな♪」
男は俺の若干オーバーなリアクションにも愛嬌のある笑顔で応え、初対面の印象はどこへやら。心はいとも簡単に射抜かれてしまった。
こうしてどうして始まる竿役兼犬生活。
巽の家はタワーマンションの中層階。
靴音がしたら室内犬はダッシュで玄関に向かう。鍵を回す音。このドア一枚隔てて巽がいる期待感に胸がいっぱいになる。
「ただいま帰りました。おや、ふふ。今日も玄関でお出迎えですか。嬉しい限りですな♪」
荷物を下ろして片膝つくと、両手で俺の頭を挟み、わしゃわしゃ撫でる。
「いいこいいこ」
寂しかったとアピールするため、巽の身体にもたれかかった。
「こら♡ まて」
聞こえないふりして首筋に舌を這わす。
うっすらかいてる汗から甘いフェロモンがふんと香る。
「ですから、まて♡ と……ん、言っているでしょう?」
細い指がしなやかに伸びて俺の陰部を撫でつける。
「続きはシャワーのあと♡ よい子の君なら分かってくれますな?」
おとなしく離れた。
「ふふ。えらいえらい♡」
「んっ、俺さん…そこは……♡ っ……はあ」
シャワーの細い水流が弱弱しく巽の首筋を打つ。巽は壁のタイルに肘をつき、仰け反り、お尻を突き出す姿勢で、息を整えるよう軽く足を開いて立っている。背骨のくぼみに沿って静かに肛門へと流れる浄化水で水分補給。
「あ……♡はぁ…………もっと……」
濡れた左手が俺の頬を掠め、滑るようにして腰のあたりを探った。続けて自身の豊満な尻肉を持ち上げる。
目の前にヒクヒクと収縮する薄ピンク色の肉壁が露わになった。舌を押し当て、ぬっと深くまで差し込み、ゆっくり襞をかき分ける。括約筋をほぐすよう執拗に内から圧をかける。
「っあ……ぅあ………?♡」
脈打つ彼自身を握り、スライドさせながら、搾乳の要領で上から下へと優しく指圧をかける。人差し指で亀頭を撫で親指で裏筋に加減する。
快楽が、二ヶ所から同時に這い上がる感覚に巽は膝から何度も崩れ落ちそうになりながら耐えている。
「っも……だめですっ……」
弱音を漏らした瞬間、俺は空いた方の手のひらを彼の下腹に乗せた。張り詰めたゴムのような硬さが指先に反発してくる。
胸をぴっとり背に当て、指先に力を込めて彼の背中側――骨盤の中へと押し込む。
途端に、彼の腹筋が震えて引きつった。
逃げるように腰が浮こうとするのを押さえつけると、タイルめがけて金色の液が放出される。
「なっ?!♡え?」
自制できない排泄に戸惑う巽。残尿を絞り出すのに内股を震えさせながら抗議の声をあげる。
「こんなっ!よしなさい!」
――stop。主人の言うことは絶対である。俺は肉棒を握る手に力を込め、亀頭を思いっきり責め立てた。
びしゃーーーーーーーっと今度は透明な液体が、先ほどよりも勢いよくタイルに打ち付ける。
「あぁ……あぁぁ」
巽は制御の利かない自身の生理現象をガン見、言葉にならない呻きを発して、勢いが削ぐにつれ膝を折ってへたり込んだ。犬の俺はそんな巽に後ろからハグをし、ぺろぺろと顔を舐める。巽はしばらく大人しく舐められていたが自我を取り戻すと
「悪い飼い犬にはお仕置きが必要ですな」
と悪い顔をして俺に振り向いた。
「ここで反省なさい」
俺は両腕に手錠をかけられ真裸でベットの柵に括りつけられた。反対に衣類を身に着け人間らしい装いをした巽。
俺は巽を一心に見つめ、情けをかけてもらえるよう懇願する。
「そんな顔をしても無駄ですよ。君には俺が、飼い主として躾が必要なようですから」
そう言いながら巽は下を脱ぎだした。滑るように白い太ももからパサッと布切れが落ちる。既に半勃ち。ごくり。俺のは完勃ち。
「ふふ。期待しているんですね」
ゆっくり近づいて、自由が利かない俺の腹に跨る。
「ですが、これは躾ですからな。そう簡単に君の思い通りにはさせません」
お尻を上下に、俺の怒張に当てこすって焦らしてくる。じりじりと熱がこみあげてくる感じがもう頭限界。足をぴんと張り詰めて耐える。
「がんばれ♡がんばれ♡」
たまに滑って蕾に亀頭が掠る。風呂上がりのしっとりとした襞の感触を求め、ただ夢中にカクカク腰を動かす。
「駄目ですよ、俺さん。これは躾だと何度も申し上げているでしょう?」
それとも何度言っても分からないほどにお馬鹿さんなんでしょうか?この駄犬♡ と耳元で甘く優しい声で咎められる。正直脳が溶けそうだ。俺の限界加減を察したのか、このあまーいご主人は後ろ手に、反り勃つ俺の陰茎を下から撫で上げ先を掴むと自身の孔にあてがった。お風呂で前戯を済ませたおかげでヌルヌルと入っていく。
「ん♡はっつ♡んはぁっあ♡すごっ♡おおきっ……♡ぃです♡」
息も絶え絶えに腰を沈めていく。途中Gスポットを探し当てるかのように腰をくねらせ、良いところに当たると「はっ♡」と熱い吐息を漏らす。
俺は突き上げたい衝動を必死にせき止める。ちょっとでも腰を浮かせようものなら巽の「こら♡」が飛んでくるからだ。
「ふっ……はっ……いい子……♡ですなっ」
熱に蕩けて濃桃色にも見える眼差し。ゆっくり動き出す玄人並みのえっちな腰使い。「あっあっあっ」と抑える気がまるでない腰に響くような甘い喘ぎ声。
――無理だ
俺は両足で巽を強引に引き寄せると首元めがけて歯を立てる素振りをした。
巽の首筋、歯を食いしばりよだれを垂らす。
巽は少し動揺を見せたがすぐに立て直し
「ふふ。合格です。よく頑張りましたな♡」
と言ってキスをくれ、手錠を解いてくれた。
ダブルベット。激しく軋むスプリング。
「あああっ……ああああ…………♡」
止まないピストン。
巽の手が頭上のクッションに伸びて引っ張り、快楽から逃れようとする。
俺はそんな巽の肩を掴みさらにピストンの勢いを早める。
「だめですっつ!! こわ゛れるっう゛!」
上擦った声で哀願されても勢いは増すばかりだ。
「おねがいっ♡あっ……あん゛……いぐ……いぎそっっ♡」
種付けの体勢に入りズンッズンッと上から強く腰を打ち付ける。
「あゥっ……♡あゥっ……♡あゥっ……♡おれっさんっ」
最後の一撃を俺は必ず孕ませるつもりで、巽の最奥の奥へと熱く大量の精液を吐き出した。
「ああ!!?!?」
巽は反射で俺の背中に強く抱きつきビクビクビクッゥっ♡♡と痙攣を起こすとパタンと脱力、気を失ってしまった。
その間、俺は精液が漏れないようにグリグリと腰を押し付ける。巽の粘膜と俺の精液とがないまぜになるよう、しっかりかき混ぜる。
ぐちゅぐちゅぐちゅ
途中、なかが軽く締まったりした。その度に余った精液を少しずつ搾り取られながら、またゆっくりと腰を打ち付ける。
たん たん たん
巽が悩まし気な喘ぎとも呻きともとれる声を漏らす。まだ完全には覚醒しておらず微睡の中で犯されている感覚に近いだろう。
ずちゅずちゅずちゅ
精液と粘液の混じり合ういやらしい音が室内に響く。俺は舌を出して巽の口内に侵入。巽もほぼ催眠のような状態で受け入れ、ねっとりと互いの唾液を舐めとるようなディープなキスをする。
「はん……はわ……んぶ……んんっつ……♡」
巽は半覚醒状態なので唾液をうまく飲み込めず溺れそうになっている。
助けるためジュルルッと豪快に彼の舌ごと吸いつくした。
ちゅぽんっ♡巽の舌先を唇から離したとき
「? おや、俺さん。まだ挿れていたんですか?」
巽がしっかり目覚めて、先ほどの失態を忘れてしまったかのような口ぶりで話す。
俺は見つめてこくんと頷き、巽を抱きしめると顔を彼の顎の下までもっていった。
「ふふっ。なんて性欲の強い雄犬なんでしょうね。きみは……♡」
愛犬を愛でるような優しい手つきで頭を撫でられる。俺は興奮した犬のように巽の鼻と口をこれでもかと舐める。
「ふぶっ くすぐったいですなっ……あっ」
舐める拍子に腰も動いてしまって巽の中を再び突くかたちになる。
「そこっ、きもちいいです…………♡」
自身のいいところを飼い犬に躾ける巽。俺は指示通り一突き二突きと命中させる。
「はっ、はっ……はっ……だいすき……♡ですっ、おれさん」
巽の長くて引き締まった腕が首に回り込み、耳元で愛の言葉を囁いてくれる。
「んっ……愛してる……俺さんの子……孕ませて……?♡」
シナプス直下の100万ボルト。今年一番のラストスパートをかける。
「俺さんっ俺さんっ俺さんんっ…………!!♡」
――巽……!!!!
俺と巽は窒息するくらいの濃い口づけを交わし、ほぼ同時に果て、そのあと死んだように眠った。
〈〈前の話 次の話〉〉
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マトリックス
巽さんのキレる相手があんずさんだったのって話の分かる人間認定されてるからかな。アカーンさんは庇護の対象ってだけで怒ってないわけじゃない。ただ、怒っても本質的に響かなさそうなので距離置いてる感じか。燐音さんに何度もシステムについて確認してたし、個人的に問い合わせしててもおかしくないよな。でも返信は来ず…と。それでようやっと顔を見せたと思ったら見るからに無能。そこに有能あんずさん登場となれば八つ当たりもしたくなるか。巽さんの人間らしい一面みれて誠にメロい。
企画が明確化されず計画が立てられないことにイライラするタイプなのマジ萌え。仕事への基本姿勢として「できる限りのことをやる」と言いつつ己に対しては完璧主義なのかも。
役割に拘るところあるから自分がどの立場に立たされているか分からないような扱い、翻弄されるのとか嫌なのかも。飛躍するけど殉教者だって信仰によって迫害され運命を翻弄された者たちだし。あと頑張ってる人を絶対笑わないってことが保証された回でもあって。なんなら馬鹿にする人を嫌うくらいで
企画が明確化されず計画が立てられないことにイライラするタイプなのマジ萌え。仕事への基本姿勢として「できる限りのことをやる」と言いつつ己に対しては完璧主義なのかも。
役割に拘るところあるから自分がどの立場に立たされているか分からないような扱い、翻弄されるのとか嫌なのかも。飛躍するけど殉教者だって信仰によって迫害され運命を翻弄された者たちだし。あと頑張ってる人を絶対笑わないってことが保証された回でもあって。なんなら馬鹿にする人を嫌うくらいで
巽さんとの一夜漬け
短い時間で暗記させて(その間に巽さんは作問)とにかく問題を周回させる効率型!助かる。これだから一夜漬けはやめられね
巽さんの作問姿美しすぎて見惚れる すげー集中力でキーワード拾ってっし手元シュバシュバ 何よりペンの持ち方と姿勢が綺麗 無駄がないよ!!
短い時間で暗記させて(その間に巽さんは作問)とにかく問題を周回させる効率型!助かる。これだから一夜漬けはやめられね
巽さんの作問姿美しすぎて見惚れる すげー集中力でキーワード拾ってっし手元シュバシュバ 何よりペンの持ち方と姿勢が綺麗 無駄がないよ!!
2025年1月 この範囲を古い順で読む
今月考えたこと
Amazon欲しいものリスト
・俺の出る幕
・俺の出る幕
切実にP側からもチョコ送らせてくれ
from oreP@Whole.Hans
↰ kazehaya@Whole.Hans
Re:おはようございます…
おはようございます。
そうですね〜冬が深まってくると特に温かい鍋というのは本当にいいものですよね。
僕は強いて言えば豆腐を入れます。安くて美味しくて、いつの間にか買い物かごに入っています。
風早さんはどうですか?
↰ kazehaya@Whole.Hans
Re:おはようございます…
おはようございます。
そうですね〜冬が深まってくると特に温かい鍋というのは本当にいいものですよね。
僕は強いて言えば豆腐を入れます。安くて美味しくて、いつの間にか買い物かごに入っています。
風早さんはどうですか?
なんかすっげ〜シスターに見える
劣情鈍行列車
劣情鈍行列車
今30分くらい風呂入ってきて、入る前にスイッチ入れてたケルトがまだグツグツいってて 取り敢えずお茶淹れてみようとしたらお湯100ミリも出てこんくてビビった 満パンにして沸かしたはずなのにコンセントの差し込み甘かったからこれかなとか思ったけど違くて、よく見たらケルトの上蓋ちゃんと閉まってなかった。その隙間から水蒸発してたっぽい。え?500ml以上だよ?
ケルトを保湿機に変える方法、見つけちまったなア!!
ケルトを保湿機に変える方法、見つけちまったなア!!
バレンタイン星3大はしゃぎ
なんでそんなラッピング衣装なの??いいんですか??もらっちゃいますけど
なんなんほんとにかわいい
ミルクの海に沈めたい純粋な意味で
ピンクのチューリップの花言葉は、「愛の芽生え」「誠実な愛」などです。ピンクは愛情や恋心、優しさ、若々しさなどをイメージさせる色であるため、愛の始まりや誠実な愛を表現するのに適しています。
そういうcm現実になかったっけ?なんとか王子だった気がする
ルマンド男子だーーー!!!!!
チョコレートピアスを齧るプレイできるじゃん「甘い、美味しい」っていいながらピアスじゃなくて巽さんの耳を食むの「ッ…やめてくださいっ…」って顔は背けつつ望みありげに俺の胸にそっと手を当てる巽さん
ほんとになんでそんな可愛いんだよ ペナルティとか嘘だからキモいこととかほんとに髪の毛一本触れないって約束できるから。明日またよろしくお願いします
本当に美人だ…美しいってこの人のためにある言葉だと思う…世界共通語としての「美しい」の用例にこの写真載せようよ
クレオパトラの猫みたいな容貌だな
Across the Universe
ずっとスッキリした顔してる
『道を照らしてくれた』の時、年上組の間からバックライトが照って
『行こう』が巽さん『遥か未来だって』がヒロ君。ここのバトンの繋げ方がクライベまでの物語をよく表しててさ、本当に良いリーダーになってくれたよねヒロ君
『抱えてる想いは違うけれど』巽さんとアイラ君が交差するところフェザータッチを思い出して涙
盂蘭盆会成功させてさぁ次だって時、ALKが初めて単独ライブを行うってなってね。今までは確実なゴールが与えられてて皆でそこを目指していけばよかったんだけど、今回は自分たちでゴールと手段を考えなきゃで。そこで初めて位なんじゃないかなメンバーでお互いの価値観・大切なものをしっかり共有したのって。巽さんとかまだその頃はアイラ君を不用心で心配などと分析してて距離感測りかねてる感あったけど。でも、それもイベントを追うごとに皆で集まって話し合うのが当たり前になって。どんな些細なことでも相談する関係になって、皆が皆お互いを思い合ってて肯定(理解に努めて)して助言して『生き方でなぜか伝わる』って歌詞の通り、その人の在り方を認めた上で「味方である」と言い合ってる人達なんですよ
でも巽さんって初期の頃それほど主張することも決断することもなかったんですよ。なんなら「決断に自信を持てない」とまで言っていて。彼がやっていたのは本当にメンバーに寄り添って、時には自分が犠牲になってっていう盾のような役割で…生まれたばっかりのチームを守ってた
SSとか顕著ですよね。自分の心まで殺して。勝手にオブリと重ねて読んでしまって辛かったんですけど。けど今回は、巽さんの後ろで皆育ってた。メンバーをグイグイ引っ張っていけるようなヒロ君のようなリーダが育ってた。もう一人で悩まないでいいよって言ってくれた。どんだけ救いかなって思って
リハビリ明け(経過観察中)のダンスで足に制約がある中、ステップは軽やかだしリズムを取り慣れてる感じ。上半身がゆったりと一連の流れに沿った滑らかな動きをするから終始、元アイドル一慣れているという感想になった。ブランク期間が1年くらいあるのに視聴者にそう思わせるのって相当すごいことだと思う。激しい曲なのに忙しく見せない感じ余裕すら見える感じ、でも大きく出る所は肩を使って…基礎の賜物だと思う。だって元0明トップだもん。筋金入りのアイドル
てかあらためて顔がいい
『這い上がれ』のところがベスト。あの初期星4開花後スチルにもなったのはあの表情ですよね?
終始目線を客席に向けてて本当に誠実なアイドルだと思った。メンバーのことを信じてるってのもあるんだろうけどプロ意識みたいなのを強く感じる。移動の時、藍良さんマヨイさんをギリギリまで横目で見てるところではリーダーの格を感じたし、そこからは殆ど踊りに集中して自分が客席からどう見られてるのか分かってる
「たとえ際限なく試練が与えられようとも、かけがえのない仲間のため必ず乗り越えてみせましょう」
どんだけ強いのこの人泣 強くて格好良くて優しくてアンパンマンかよ泣 私は小さい頃の憧れをまだ引きずっている
どんだけ強いのこの人泣 強くて格好良くて優しくてアンパンマンかよ泣 私は小さい頃の憧れをまだ引きずっている
俺の脳では巽さんは中学から0明入ってる設定になってるので
静と動のバランスの良さが強み
華奢な体をキビキビ動かして、大人びた真剣な表情で一生懸命周りに合わせようと動く
大きな目がキョロキョロ動いて、たまに動きが遅れるんだけど、そこも良くて。巽君汗っかきだから(捏造)自分の汗で滑りかけたりするんだよ。
大人に比べたらまだまだ未熟なちんまい体で一生懸命踊ってんの可愛すぎな。この頃から緩急の魔術師的素質は見えてたけどまさかここまでに成るとはね、涙が禁じ得ない。
静と動のバランスの良さが強み
華奢な体をキビキビ動かして、大人びた真剣な表情で一生懸命周りに合わせようと動く
大きな目がキョロキョロ動いて、たまに動きが遅れるんだけど、そこも良くて。巽君汗っかきだから(捏造)自分の汗で滑りかけたりするんだよ。
大人に比べたらまだまだ未熟なちんまい体で一生懸命踊ってんの可愛すぎな。この頃から緩急の魔術師的素質は見えてたけどまさかここまでに成るとはね、涙が禁じ得ない。
反省を促すダンス
巽さんと2人でわちゃわちゃ寒い中灯油入れに行ったり半纏着て蕎麦茹でたり餅焼いたりしたいよ
1日の終りに炬燵でぬくぬくみかん食べたりしたいよ雪かきだって巽さんいればなんでも楽しいよ結婚しようよ
1日の終りに炬燵でぬくぬくみかん食べたりしたいよ雪かきだって巽さんいればなんでも楽しいよ結婚しようよ
晃牙さん最高だな
一般的な感覚を持ちながらも巽さんの考えにも理解を示そうとして対話をしてくれる。それでも分からない所は多々あるんだろうけど拒んだりせず「そういうもんか」で流せる余裕がある。最高
カンナさんも同室らしくて横転
彼なら「そういうもの」で理解して、巽さんの在り方を客観的に評価しながら適切な距離を測ってくれそう。最高。やっぱりこの部屋が一番すき。陳腐な言い方だけど壁になりたい
#解釈
一般的な感覚を持ちながらも巽さんの考えにも理解を示そうとして対話をしてくれる。それでも分からない所は多々あるんだろうけど拒んだりせず「そういうもんか」で流せる余裕がある。最高
カンナさんも同室らしくて横転
彼なら「そういうもの」で理解して、巽さんの在り方を客観的に評価しながら適切な距離を測ってくれそう。最高。やっぱりこの部屋が一番すき。陳腐な言い方だけど壁になりたい
#解釈
戦地で慰安婦をしてる自分に優しくしてくれた風早中尉
#微妙な妄想
#微妙な妄想
英輝尋常じゃないレベルで強いんやが。
2024年12月 この範囲を古い順で読む
今月考えたこと
みんなが誕生日絵あげてて愛されてんだなぁって泣けるね
誕生日おめでとう
あなたの1年が健康で充実した日々になりますように
心からおめでとう!!!!
あなたの1年が健康で充実した日々になりますように
心からおめでとう!!!!
巽 20歳の誕生日おめでとう!!
君が生まれてきてくれて世界はもっともっと明るくなったよ!君の明るさと朗らかさが沢山の元気を生んでる!これからも君の考え方、気持ち、その他にも君が大切だなと思ったことは心ゆくまで愛でて大事にして実直に生きてください!大好きです!大好き!!
君が生まれてきてくれて世界はもっともっと明るくなったよ!君の明るさと朗らかさが沢山の元気を生んでる!これからも君の考え方、気持ち、その他にも君が大切だなと思ったことは心ゆくまで愛でて大事にして実直に生きてください!大好きです!大好き!!
年を越させに来たか年男
結婚の約束を君と
リンゴンリンゴン教会の鐘が鳴る。
うららかな5月の訪れ。ステンドグラスが日差しを染めて聖堂の床を色鮮やかに彩っている。司会者の合図とともに、チャペルの扉が開け放たれ新婦とその父親が入場。ガラス張りの天井から降る黄金の陽射しが花嫁を幸福の色に仕立て上げる。
それは誰もが憧れる人生のハイライト的情景。結婚式は女性のためにあるようなものと言う人もいるが、愛しい妻の晴れ姿を目近に焼き付けることのできるのは隣に並ぶ花婿の特権。僕はあこがれていた。
隣でシロツメクサを紡いでいる一人の天使。ふっくらもちもちのほっぺに桜色の唇を埋め小さく息をしている。
都会にぽっかり現れた桃源郷のような花畑。ここは僕らの遊び場。巽より一足先にシロツメクサで冠を編み上げた僕は、もう夢中になってしまっている彼の頭にそっとそれを被せた。
ピクリ、と首をすくませ、恐る恐る頭上の何かに手を伸ばす。そしてそれが何であるか認めた瞬間、ほろりほろりと笑みの桜をほころばす。言葉の代わりに僕の手を取り、その紅葉型の小さな指で仕立てた花の指輪を僕の薬指に嵌めた。
「俺と結婚してください」
彼の口からこの言葉が聞けるのはもう少し先のお話。今は
「おれ俺さんと大きくなったら結婚したいです」
甘い活舌で立派に敬語を使いこなす彼はアンバランスなようで釣り合いの取れた奇跡的な存在。輪をかけられた僕の指に小鳥のキスを落として満足そうに微笑む。僕はそんな男前な花嫁の、まあるい頭に手を添えて彼の左の瞼にちゅっと小さく口づけをした。
雲が流れて優しげな太陽が顔をのぞかせる。黄金の陽射しが天から降ってきて僕らを包み込む。ここは僕らの花園、エデンの園。
二人で抱き合って、ここまで温かい人間の体温を僕は知らない。
リンゴンリンゴン教会の鐘が鳴る。
うららかな5月の訪れ。ステンドグラスが日差しを染めて聖堂の床を色鮮やかに彩っている。司会者の合図とともに、チャペルの扉が開け放たれ新婦とその父親が入場。ガラス張りの天井から降る黄金の陽射しが花嫁を幸福の色に仕立て上げる。
それは誰もが憧れる人生のハイライト的情景。結婚式は女性のためにあるようなものと言う人もいるが、愛しい妻の晴れ姿を目近に焼き付けることのできるのは隣に並ぶ花婿の特権。僕はあこがれていた。
隣でシロツメクサを紡いでいる一人の天使。ふっくらもちもちのほっぺに桜色の唇を埋め小さく息をしている。
都会にぽっかり現れた桃源郷のような花畑。ここは僕らの遊び場。巽より一足先にシロツメクサで冠を編み上げた僕は、もう夢中になってしまっている彼の頭にそっとそれを被せた。
ピクリ、と首をすくませ、恐る恐る頭上の何かに手を伸ばす。そしてそれが何であるか認めた瞬間、ほろりほろりと笑みの桜をほころばす。言葉の代わりに僕の手を取り、その紅葉型の小さな指で仕立てた花の指輪を僕の薬指に嵌めた。
「俺と結婚してください」
彼の口からこの言葉が聞けるのはもう少し先のお話。今は
「おれ俺さんと大きくなったら結婚したいです」
甘い活舌で立派に敬語を使いこなす彼はアンバランスなようで釣り合いの取れた奇跡的な存在。輪をかけられた僕の指に小鳥のキスを落として満足そうに微笑む。僕はそんな男前な花嫁の、まあるい頭に手を添えて彼の左の瞼にちゅっと小さく口づけをした。
雲が流れて優しげな太陽が顔をのぞかせる。黄金の陽射しが天から降ってきて僕らを包み込む。ここは僕らの花園、エデンの園。
二人で抱き合って、ここまで温かい人間の体温を僕は知らない。
約束の結婚を君と
「結婚してよ!!!!!!!!」
「俺さん、あのですね」
「結婚してよおおおおおお!!!!!やだやだやだ! け っこ ん~―――!」
「話ができない人と俺は結婚できません」
「そんなーーーーー(泣) 話聞けるから! 結婚しようよ」
「はぁ、まったく」
巽が座布団の上で居住まいを正すのを俺は畳の上で丸くなりながら見ている。視界の端に先ほど暴れて蹴り上げた自分の座布団が映る。気まずくて目をそらした。
「まず前提として俺の宗教では同性婚が認められていません。これは教義上、仕方のないことで俺にはどうすることもできません。それはわかりますね?」
いつもより若干語気が強い。機嫌を損ねちゃったかな? 俺のせいで……可愛い。
「む、聞いてます?」
「はい、もちろん! 聞いてますよぉ、聞いてます。巽の言葉は一言たりとも聞き逃さない、そこは誇れる」
「まったく、本当にそうであれば俺にとっても都合の良い耳なんですけど」
ちゃんと呆れてるみたいだ。猫ミームのはん猫になってる。
「……すみません」
「分かってくれればいいんですよ。俺も言い過ぎてしまいました。すみません」
こちらこそと頭を下げる巽はなんて誠実な男なんだろう。結婚したい。気を緩めるとつい出てしまいそうになる4文字を彼の淹れてくれたお茶で飲み下す。
「それで」
と巽はファイルから一枚の紙を取り出し卓袱台にそっと差し置いた。
「まあ結婚はできないのですが、ものは言いようでパートナーシップは結べるのではと思いつきましてな。親友の契り、とでも呼びましょうか」
悪戯っ子みたいな顔をして俺を見る。
「結局は聖書をどう読むか、ですからね。主には全てお見通し。嘘を付くのはやめにしましょう」
「てことは」
「はい」はにかむ。
「俺と結婚してください」
初心な乙女みたいな顔をして、その瞳には太い太い一本の芯が宿っている。
「親友の契り……でしょうが」
溢れんばかりの幸福に背中を丸めて蹲った。「そうでしたね」と少し恥じらいながら、俺の背中を擦る巽。丁寧に俺の左手を抜き出し、花形の小さなダイヤが付いた指輪を嵌めてくれる。
それはあの日の約束の指輪にどこか似ていた。
「これ」
俺の言わんとしていることを巽は分かっていて
「俺は約束を守る男ですからね。」
と微笑む。
「とはいえ随分待たせてしまいました。俺さんがそのあいだ俺のそばを離れないでいてくれたこと、……ありがとう」
俺の花嫁は昔から誰を差し置いても男前だ。もはや嫁と呼ばれるのは俺のほうかもしれない。思っていると俺のポケットから四角い箱がこぼれた。
「これは」
拾い上げられる。あ、とかう、とか言葉にならない言葉をモゴモゴ出してる俺を、巽は不思議そう見て、思い当たったのか突然顔に明かりが灯ったようになった。そして黙って自分の左指を差し出す。俺は恭しく彼の手を取って薬指にシロツメクサを咲かせた。それは5月のエメラルド。あの麗らかな約束の日。
「俺花婿っぽいかな?」
「ふふ、どうでしょう」
「絶対幸せにする」
「俺もそのつもりですよ」
数十秒見つめ合って2人とも耐えきれなくなって笑い転げた。巽が徐ろに左手を天井にかざす。白い指の縁がほんのり赤く透き通って綺麗。黄金に輝く昼の光が障子戸越しに指輪を染め上げる。
並んで俺も手をかざした。
飛び散る白と緑と黄色の色彩。
「式はどうする?」
「やはり大っぴらには言えないことですからね」
うーんと考え込む。でも答えなんて当の昔に決まっていて。
「あの花畑でさ」
「シロツメクサの」
「そう」
「俺も俺さんと同じことを考えていました」
「きまり」
がバッと上体を起こして車のキーを取りに行く。縁側から見えた空は春らしく霞んでいて静かに眠気を誘う。俺はプラチナの花に中指を添えて顔の前で組んだ。
「夢じゃありませんように」
〈〈前の話 次の話〉〉
ページTOP
「結婚してよ!!!!!!!!」
「俺さん、あのですね」
「結婚してよおおおおおお!!!!!やだやだやだ! け っこ ん~―――!」
「話ができない人と俺は結婚できません」
「そんなーーーーー(泣) 話聞けるから! 結婚しようよ」
「はぁ、まったく」
巽が座布団の上で居住まいを正すのを俺は畳の上で丸くなりながら見ている。視界の端に先ほど暴れて蹴り上げた自分の座布団が映る。気まずくて目をそらした。
「まず前提として俺の宗教では同性婚が認められていません。これは教義上、仕方のないことで俺にはどうすることもできません。それはわかりますね?」
いつもより若干語気が強い。機嫌を損ねちゃったかな? 俺のせいで……可愛い。
「む、聞いてます?」
「はい、もちろん! 聞いてますよぉ、聞いてます。巽の言葉は一言たりとも聞き逃さない、そこは誇れる」
「まったく、本当にそうであれば俺にとっても都合の良い耳なんですけど」
ちゃんと呆れてるみたいだ。猫ミームのはん猫になってる。
「……すみません」
「分かってくれればいいんですよ。俺も言い過ぎてしまいました。すみません」
こちらこそと頭を下げる巽はなんて誠実な男なんだろう。結婚したい。気を緩めるとつい出てしまいそうになる4文字を彼の淹れてくれたお茶で飲み下す。
「それで」
と巽はファイルから一枚の紙を取り出し卓袱台にそっと差し置いた。
「まあ結婚はできないのですが、ものは言いようでパートナーシップは結べるのではと思いつきましてな。親友の契り、とでも呼びましょうか」
悪戯っ子みたいな顔をして俺を見る。
「結局は聖書をどう読むか、ですからね。主には全てお見通し。嘘を付くのはやめにしましょう」
「てことは」
「はい」はにかむ。
「俺と結婚してください」
初心な乙女みたいな顔をして、その瞳には太い太い一本の芯が宿っている。
「親友の契り……でしょうが」
溢れんばかりの幸福に背中を丸めて蹲った。「そうでしたね」と少し恥じらいながら、俺の背中を擦る巽。丁寧に俺の左手を抜き出し、花形の小さなダイヤが付いた指輪を嵌めてくれる。
それはあの日の約束の指輪にどこか似ていた。
「これ」
俺の言わんとしていることを巽は分かっていて
「俺は約束を守る男ですからね。」
と微笑む。
「とはいえ随分待たせてしまいました。俺さんがそのあいだ俺のそばを離れないでいてくれたこと、……ありがとう」
俺の花嫁は昔から誰を差し置いても男前だ。もはや嫁と呼ばれるのは俺のほうかもしれない。思っていると俺のポケットから四角い箱がこぼれた。
「これは」
拾い上げられる。あ、とかう、とか言葉にならない言葉をモゴモゴ出してる俺を、巽は不思議そう見て、思い当たったのか突然顔に明かりが灯ったようになった。そして黙って自分の左指を差し出す。俺は恭しく彼の手を取って薬指にシロツメクサを咲かせた。それは5月のエメラルド。あの麗らかな約束の日。
「俺花婿っぽいかな?」
「ふふ、どうでしょう」
「絶対幸せにする」
「俺もそのつもりですよ」
数十秒見つめ合って2人とも耐えきれなくなって笑い転げた。巽が徐ろに左手を天井にかざす。白い指の縁がほんのり赤く透き通って綺麗。黄金に輝く昼の光が障子戸越しに指輪を染め上げる。
並んで俺も手をかざした。
飛び散る白と緑と黄色の色彩。
「式はどうする?」
「やはり大っぴらには言えないことですからね」
うーんと考え込む。でも答えなんて当の昔に決まっていて。
「あの花畑でさ」
「シロツメクサの」
「そう」
「俺も俺さんと同じことを考えていました」
「きまり」
がバッと上体を起こして車のキーを取りに行く。縁側から見えた空は春らしく霞んでいて静かに眠気を誘う。俺はプラチナの花に中指を添えて顔の前で組んだ。
「夢じゃありませんように」
〈〈前の話 次の話〉〉
ページTOP
冬はあんなに空気が冷たいのに陽光は目が痛いほどに眩しい。葉をすべて落としてしまった木々や寂しげなコテージが作り出す影は凍りつけにされたように地面に貼り付いている
激アツデートプラン1発目で来てくれて最初に誘いに来てくれたんかと調子に乗ってたらカラオケ讃美歌で大横転
おもしろ男枠で5激アツだよ
おもしろ男枠で5激アツだよ
教会孤児のショタ夢主 ほぼ単体
教会孤児のショタ夢主
2024年11月 この範囲を古い順で読む
今月考えたこと
普段は犬とか猫とか属名で呼ぶのに俺君(子供)の前だと犬さん猫さんになるのばか萌
俺君が大きくなってもその癖抜けなくて
散歩中、親が幼児に話しかけるように「可愛らしい犬さんでしたね」とか「あそこに猫さんがいますよ」とか言ってて、俺君もそれに何の抵抗感もないのがいい
仕事でもイメージに気をつけてさん付けしてたらいい
特にスポンサー
サン〇リーさん、日清〇品さん、〇〇ホールディングスさんなど
砕けた仲の人達と話してる時に固有名詞にさん付けしない巽さん見て若干驚く俺君
でも自分と話す時はさん付けするから教育方針なんだなと
俺君が大きくなってもその癖抜けなくて
散歩中、親が幼児に話しかけるように「可愛らしい犬さんでしたね」とか「あそこに猫さんがいますよ」とか言ってて、俺君もそれに何の抵抗感もないのがいい
仕事でもイメージに気をつけてさん付けしてたらいい
特にスポンサー
サン〇リーさん、日清〇品さん、〇〇ホールディングスさんなど
砕けた仲の人達と話してる時に固有名詞にさん付けしない巽さん見て若干驚く俺君
でも自分と話す時はさん付けするから教育方針なんだなと
約7分間まったりトークあるんかと思ったらミュージカル始まって草すぎる
駄目だwww前に進めないwww
解決した流れでデュオ入るところで耐えられないwww
同室コンビめちゃ美声
巽ちゃんッ!!!!!!!!ボフバフブフゥッ゙アン
駄目だwww前に進めないwww
解決した流れでデュオ入るところで耐えられないwww
同室コンビめちゃ美声
巽ちゃんッ!!!!!!!!ボフバフブフゥッ゙アン
人間らしさを支えるのは人のために生きたいという信念。しかしその信念も過ぎると人間らしさを離れ他人から理解されない化け物と化す。革命時の風早巽は分かりにくいキャラクターで普通の人にとっては扱いに困る。本人もパーソナルスペースを広く取るようになるから孤立する。どうなればよかったんだろ
塩狩峠読んで巽さんの信仰について考えられたことがあるとすれば巽さんの謙虚さは「自身がどれだけ神から遠い存在なのか」を理解しているところから来ているんじゃないかってこと
神と自分を同一視すると必ず痛い目を見る(相手から恨みを買う、思い通りにならない相手に自分が腹を立てる等)と身を持って知ってるから他人から聖人扱いされるのを嫌う
#解釈
神と自分を同一視すると必ず痛い目を見る(相手から恨みを買う、思い通りにならない相手に自分が腹を立てる等)と身を持って知ってるから他人から聖人扱いされるのを嫌う
#解釈
コラボカフェ地元でならやってて草
ド田舎なのに
学生にはこの時期から飛行機取るのきついんすわ
やっぱ細胞を転送するしかない一つずつ一つずつ転送してったらどれくらいかかるんですかね?
ド田舎なのに
学生にはこの時期から飛行機取るのきついんすわ
やっぱ細胞を転送するしかない一つずつ一つずつ転送してったらどれくらいかかるんですかね?
あの冬の中にじんわり灯る暖かさのような声に浸れる幸せ…秋の終わりに効きます
優しいし、後輩の可愛い悩みに思わずふふって笑っちゃったりするんかな
『失礼、あまりにも可愛らしくて…こほん。そうですな…(考)』ってやるんだ。どんな馬鹿らしい質問でも親身になって答えてくれるそれが風早巽の懺悔室
優しいし、後輩の可愛い悩みに思わずふふって笑っちゃったりするんかな
『失礼、あまりにも可愛らしくて…こほん。そうですな…(考)』ってやるんだ。どんな馬鹿らしい質問でも親身になって答えてくれるそれが風早巽の懺悔室
祈りが長いので晃牙さんが「待てねぇから先食べちまうぞ」って食べる。
←最初っから晃牙さんはこの態度で巽さんはそれが嬉しかった。自分に忖度せず別々の人間として、差別するわけでもなく接してくれたのが
アーメン
#微妙な妄想
←最初っから晃牙さんはこの態度で巽さんはそれが嬉しかった。自分に忖度せず別々の人間として、差別するわけでもなく接してくれたのが
アーメン
#微妙な妄想
妖精の巽
机に緩めの体育座りして俺の勉強見守っててほしい
「今は何の勉強をしているんですか?」とか、ノートの上に上がり、罫線に沿ってぶらぶら歩きながら難しそうな顔するから
『お、分かるんか?』とか思ってたら、ふいに眉尻が下がって
「ふむ。文字が大きすぎて俺には何と書いてあるかさっぱりですな」って笑うのとか可愛すぎる
机に緩めの体育座りして俺の勉強見守っててほしい
「今は何の勉強をしているんですか?」とか、ノートの上に上がり、罫線に沿ってぶらぶら歩きながら難しそうな顔するから
『お、分かるんか?』とか思ってたら、ふいに眉尻が下がって
「ふむ。文字が大きすぎて俺には何と書いてあるかさっぱりですな」って笑うのとか可愛すぎる
人の体温で火傷して死んでしまう妖精と人間の俺巽で、仮に巽が妖精側だった場合の話
俺は可憐に舞う妖精の巽を美しく思うも触ることは決してできないし、巽の方も自分の何倍もある人間に興味があれど死んでしまうので会話をするのみ
机に緩めの体育座りして俺の勉強見守っててほしい
「今は何の勉強をしているんですか?」とか、ノートの上に上がり、罫線に沿ってぶらぶら歩きながら難しそうな顔するから『お、分かるんか?』とか思ってたら、ふいに眉尻が下がって
「ふむ。文字が大きすぎて俺には何と書いてあるかさっぱりですな」って笑うのとか可愛すぎる
ある日魔力のようなものが弱って巽が風邪のような症状に苦しんでる時、俺は触れないし何が大丈夫で何が駄目なのかも分からなくて泣きそうになってると、巽が小さな声で「妖精の花…」と言う
妖精の花はアンパンマンで言うところの勇気の花みたいなもんなんだけど、やっぱそういうのは崖の断面とか危ない所にあるじゃん。俺が「妖精の花?それってどこにあるん?」って聞き出そうとしてもtは中々口を割らないわけ。俺は焦って「死んじゃうよ?死んじゃってもいいわけ?死にたいの?」って病精の巽を詰問しちゃうんだよね。何も答えず荒い息をたてる巽
#微妙な妄想
俺は可憐に舞う妖精の巽を美しく思うも触ることは決してできないし、巽の方も自分の何倍もある人間に興味があれど死んでしまうので会話をするのみ
机に緩めの体育座りして俺の勉強見守っててほしい
「今は何の勉強をしているんですか?」とか、ノートの上に上がり、罫線に沿ってぶらぶら歩きながら難しそうな顔するから『お、分かるんか?』とか思ってたら、ふいに眉尻が下がって
「ふむ。文字が大きすぎて俺には何と書いてあるかさっぱりですな」って笑うのとか可愛すぎる
ある日魔力のようなものが弱って巽が風邪のような症状に苦しんでる時、俺は触れないし何が大丈夫で何が駄目なのかも分からなくて泣きそうになってると、巽が小さな声で「妖精の花…」と言う
妖精の花はアンパンマンで言うところの勇気の花みたいなもんなんだけど、やっぱそういうのは崖の断面とか危ない所にあるじゃん。俺が「妖精の花?それってどこにあるん?」って聞き出そうとしてもtは中々口を割らないわけ。俺は焦って「死んじゃうよ?死んじゃってもいいわけ?死にたいの?」って病精の巽を詰問しちゃうんだよね。何も答えず荒い息をたてる巽
#微妙な妄想
巽さん相手に辱めプレイしようにも普通にやんわりやめての意思表示受けるからできたことない。やっても絶対微妙な反応だろうし、嫌がることやってもいいことない逆に俺側から頼んだとしたらやってはくれそうやけど、終始「これであってるのか?」みたいな表情。俺が喜んでたら若干ノってくれそう。引いてるけど着衣H嫌がりそう〜。食べ物を粗末にしたり、スカトロもNGやろ。おじさん相手の枕営業は向いてないと思う。それとも仕事と割り切るか?あんまストレス感じてほしくないからおじさんは枕いらないよ
#微妙な妄想
#微妙な妄想
巽さんは基本的に機能性で服選んでるから一緒に服見に行っても
「これは防寒性が高い」とか「ストレッチ素材で動きやすい」とかでチョイスしそう
デザイン性とか肌触りなんかは二の次で、買い物に関しては即決のイメージがある
だから案外私物化レベルまでいった相手(言い方悪い)に見繕う服はスポーツ系のブランドだし、俺君の子供の時代は夏はアディダス冬はモンべルだったと予想
その影響か俺君の部屋着って蛍光色の無駄にいいもん着てんだよね。デザイン性は置いといて
私服は人の目気にして無難なもの着てそうだけど
巽さんは部屋着とかなさそう。風呂入るまで私服で パジャマは襟付きのちゃんとしたやつ…でも案外明日着る予定の服着て寝てる線もある
0明時代寝具に特別なこだわり見せてなかったし…でも年食ってから睡眠の質にこだわりだしても俺的には美味しいんだな
健康の話ばかりするおじさんになって欲しいんだよ、巽さんには
「これは防寒性が高い」とか「ストレッチ素材で動きやすい」とかでチョイスしそう
デザイン性とか肌触りなんかは二の次で、買い物に関しては即決のイメージがある
夢主の話
だから案外私物化レベルまでいった相手(言い方悪い)に見繕う服はスポーツ系のブランドだし、俺君の子供の時代は夏はアディダス冬はモンべルだったと予想
その影響か俺君の部屋着って蛍光色の無駄にいいもん着てんだよね。デザイン性は置いといて
私服は人の目気にして無難なもの着てそうだけど
0明時代寝具に特別なこだわり見せてなかったし…でも年食ってから睡眠の質にこだわりだしても俺的には美味しいんだな
健康の話ばかりするおじさんになって欲しいんだよ、巽さんには
フィクションにふれる時間の方が長いせいで今ならバイト先のおじ様が大学生と入れ替わって「朝起きたら若返ってた」って言ってても『そういうこともあるか』で流せそう
「サンタさんに同行して子供たちにプレゼントを配る」という冬業務中の猫キャストさんが何らかの連絡ミスでうちの大学の寮に来てしまい、狭い独房みたい部屋で寝起きする俺達を不憫に思って自分の分身を置いていってくれますように
朝からJAF呼ぶことなって待ち時間にWonderful Happiness叩いてたけど、この先にKnightsが騎士じゃなくてJAFだったらよかったのになんて思うことは今日限りないと思う
脳内あいらぴが免許返納勧めてきてヤバかった
あいらぴ「免返してよォ〜!!泣」
脳内あいらぴが免許返納勧めてきてヤバかった
あいらぴ「免返してよォ〜!!泣」
2024年10月 この範囲を古い順で読む
美しい男の肖像画
昭和✕✕年。とある豪邸の客間。三人の富豪たちが自慢のコレクションを持ち合い小さな品評会を開いている。モネの睡蓮、横山大観の夜桜など名画の模写が卓上に並ぶ中に一つ、ただならぬ雰囲気を纏う肖像画が中心に据え置かれた。一点物だというこの作品には、青磁色の髪に赤い眼をした人物が一人、微笑みを湛え静かにこちらを見つめている。女とも男ともとれないモデルには何とも言えない魅惑があり、深紅の瞳には変わった光が灯っているようで見る人をたちまち釘付けにした。持ち主が小鼻を膨らませ、笑みを含んだ声で
「この肖像画を描いた画家は描き上げて間もなく死んでしまったそうですよ」
と付け加える。途端に一人が目を見張り
「それでは、こりゃ呪の絵って訳ですかい」
声を高くして尋ねる。
「そんな縁起の悪いもんでも無かろうよ。偶々ということもあろう」
一人がフォローを入れたとき、突然、窓硝子を鋭い光が貫いた。室内がモノクロに裏返り轟音が轟く。そして立て板に水をかけたみたいな土砂降りになった。
「くわばらくわばら」
ビビリの男が心底辛そうに手を擦り合わせる。
二人は互いに苦い顔を見合わせ同時に窓の向こうに目をやった。暗雲垂れ込める空はずっと向こうの町まで続いているように見受けられた。
「今度のは長くなりそうですな」
「まったく、物騒な天気で……」
明治✕✕年。春雨前線が日本列島を跨る6月。一時の晴れ間。先刻の水溜りが暮れの灯りを内包し、あめんぼがワイングラスを弄ぶように水面を揺らめかせている。
一陣の風が吹き、水溜りはさざ波をたてる。風を先導するのは革靴。
革靴はぬかるみを蹴るような音の他に小瓶同士がぶつかるガンカラとやや重い音を立てている。この音が聞こえると軒先の鶏たちは一様に煩く鳴き、連られるようにしてカラカラと玄関の引き戸が開く。出てきたのは塗下駄。塗下駄の地面を擦る音が、鹿威しの如く一定の規律をもって門に向かう。
「おかえりなさい」
「ただいま、巽」
乱れた靴先は塗下駄を前にして揃えられる。
革靴を履くのは年若い青年。雨が降ればそのまま溶けていきそうな甘い視線を恋人へ向ける。応ずるように温かな眼差しを落とすのは陶器のように眩い彼の恋人。
恋人の持つ翠髪は龍のひげの如く繊細で、一本一本に陽光が閉じ込められており、時折桃色にも見える紫瞳はとろけるような優しさで満ちている。二人は互いに見つめ合い、しばし視線の交換を愉しんだ。
茶化すように銀の糸雨が降ってくる。
「さあ中に入りましょう。冷えてしまっては大変ですからね」
恋人は青年の背に手のひらを添え家の中へと誘導する。彼を先に行かせ、戸口を窮屈そうに通る。恋人は平均よりも上背がある大きな男であった。
彼等は簡単な食事を済ませるといつもの習慣から北にある6畳ほどのアトリエに籠もった。アトリエには家具らしい家具は置いておらず中心にモデルのための椅子が、向かい合うようにしてキャンバスと椅子、脇にパレット類を置くサイドテーブルがあるだけだ。北窓から差す光は静謐で、窓は網戸にしてある。反対に、西側の窓には光が入ってこないよう黒の遮光カーテンが重々しく吊られている。
青年は手で椅子周りの散らばった画材を払うと、雨が入らないよう北窓を閉め、キャンパスの前に足を開いて座った。巽が画材を避けて定位置へと回り込む。籐椅子に深く腰掛け、上半身を少しだけ捻り、顎を引いてこちらを慈しむように
「うん。そのまま」
輪郭を追うように平筆で丁寧に色を重ねていく。キャンバス上にありありと浮き出る恋人の像は、青年に安息をもたらしてくれた。
青年は貪るような視線でモデルを観察し、何遍も何遍も色を塗り固める。
色が足りなくなると瓶の顔料を乳鉢に零し、油でそれを練った。チューブ入りの画材はあったが、自分で色の硬さを調節するのが彼の拘りだった。ラピスラズリを膠液で展色しウルトラマリンブルーを作る。筆で掬って瞳に……。と、ここで筆先が止まった。
『何か違う、もっとこう怪しい感じの色が欲しいのだが』
湿気の立ち込める暗室。毛穴を塞ぐ煮詰まった空気を厭う。窓に結露した水滴が一筋流れ、ポタリポタリと雨の音。
こうなるともうどうしようもないことを青年は知っていた。眉根を開いてふわり、肩を落とす。
「……少し休憩にしようか」
巽も表情を緩めて頷く。
「ですな、紅茶を淹れてきます。俺さんはアールグレイとダージリンどちらがいいですか?」
「甘いのがいいな」
「では、フルーツティーですね」
「うん、ありがとう」
巽は愛想のいい笑みを浮かべ、静かに扉を閉めて出て行った。
青年は見送るとキャンバスに視線を戻した。
グリニッシュの下地がよく効いて、重ねた色が一段と冴えて見える。纏う白シャツが天女の羽衣のように艶めかしく、包まれる肌はまるで傷のつきやすい桃だ。
ほうっと息を漏らした。
思わず触れたくなる。それでも、触れてしまえば火傷してしまいそうな。
そんなエネルギーが絵にはこもっていた。
『巽に出会わなかったら僕にこんな絵は描けなかった』
青年は顔のない肖像画をじっと見つめて静かに目を閉じた。そうしていつもそうするように、彼との出会いを思い起こした。
巽と初めて会ったのは一年前。
僕は知り合いの頼みで、とある展示会に作品を出展していた。といっても、出した作品は誰も見向きもしないような味のない無気力な絵。当時の僕は両親が事故で急逝して間もなく灰のような毎日を過ごしていた。創作活動をする元気などあるはずもない。僕は僕の作品なんて気にも留めずスルーして行ってしまう人々を眺めながら、ただボーっと立っていた。
そんな中、一人だけ、僕の作品の前からずっと動かない人間がいた。眼鏡をかけた標準よりもやや大柄な男。真剣な目つきで、絵を睨みつけているようにも見える。僕は自分自身を責められているような気分になり堪らなくなって声をかけた。
「随分と熱心に見られていますが、気になりますか?」
男は声をかけられて初めて人の存在に気づいたという風に、目を丸くして振り向いた。
「ああ、はい。いい作品だと思い眺めていました」
にこやかに微笑む。
この一瞬で僕が思ったこと。
ははん、この男は芸術が分からないのだな。分からないのに文化人振ってるのだ。丁度いい、少しからかってやろう。
「失礼、貴方は作品のどの辺をいいと言ったのでしょう? 教えてくれませんか?」
男は「そうですね」と言ったきり顎に手を当てて黙り込んでしまった。
やっぱり。と思った。胸がずきんと痛んだ。
男の沈黙が明けるのも待たずに僕は喋りだした。
「っぼくからしてみれば、これを描いた人間は腑抜けた伽藍洞ですね、こんなつまらない絵を描くんですから。あなたが答えられないのも無理はないです……立ち止まっていたのはレンズが曇っていたから拭こうとしたのでしょう? どうです、私が拭って差しあげますよ」
おどけた調子を装い手を差し出した。しかし、男は眼鏡の中からじっと瞳を覗かせ
「いいえ、」
思いのほか強い口調だった。
「この絵は決してつまらなくなどありません。このくすんだ色使い。街灯の光のみが妙に眩しく、視界がボヤけた感じ。作者はきっと近頃にとても悲しい出来事があったんでしょうな。打ちひしがれてしまっているのがひしひしと伝わってきます。俺はこの作品を通して作者の背景に思いを馳せていたんですよ」
穏やかな、優しい眼差しだった。
僕はこの時どんな顔をしていたのだろう。男の純粋な優しさに触れて泣きそうな顔をしていたのだろうか、それともお前に何が分かると言わんばかりの怖い顔をしていたのだろうか。
いいや、きっとそのどちらでもない。僕は頭の中で彼を描くのに夢中だった。
肌はジョーンブリヤン。健康的な血色を表現するには鮮やかな黄色がいい。瞳の色はラピスラズリ。彼の精神性を表すには知的で慈悲深い、ウルトラマンの深い青が似合う。髪はビリジアン。いや、アンティークグリーンもいいな。
展開するのは色彩の万華鏡。頭が操られたみたいにおかしくなって、あまりの刺激に脳がパチパチと警告音を立てる。
「あなた、お名前は」
僕は半ば目を回しながら尋ねた。彼は特に気にするでもなく
「はい。俺は風早巽と言います。東南の方から吹く早い風と覚えてください。あなたは?」
「俺田俺…」
「俺田俺さん…?」
作品の方を振り返ってネームプレートを見る。
「おや」
月見草が月にはじけ咲くようだった。
香り立つストロベリーティーの甘い煙がティーカップの縁から流れ出し、シルクの糸のように延びて鼻腔をくすぐる。向かいには出会った頃と変わらない、柔和な笑みを浮かべた愛しい恋人。紅茶に映る青年の顔は、いいようもなく明るく、幸せそうだった。
十月も終わりが近くなり、吹きすさぶ秋風に上着をはためかせながら青年は港町まで足を運んでいた。絵画教室時代の友人が留学から帰ってくるというので、迎えに行くついでにいろいろと見て回ろうと思ったのだ。
港町は相変わらず市場で賑わっていた。食糧品やら雑貨、最新の機械まで。近年は殊更に文明開化の気風が高まっているせいか、どの店も西洋のものを店頭に飾って店の目玉にしている。中には赤字で非売品と書いたプレートが添えられているものまであった。
青年はそれよりも店奥の品が気になった。ちらと見える内装が物で氾濫している店ほど心惹かれた。
したがって青年はとある骨董店の前で足を止めざる終えなかった。仕入れたものを並べられるだけとでも言うような、売る気のまるで感じられないディスプレイ。品物が店頭を覆いつくす様に自然と体が吸い込まれていく。
「いらっしゃい。ごほっ」
山になったカウンターから店主がひょっこり顔を出し挨拶する。それが予期せぬ方角からだったのに青年は一瞬ぎょっとしたが持ち直して
「こんにちは、素敵な外装だったのでつい」
世辞を言った。
「かっかっか」
店主は豪快な笑い声を立て咳き込んでから
「ゆっくり見ていきんなさい」
目を笑わせて、また山に埋もれていった。
店内は実に美術品の宝庫であった。絵に陶器類に子供のおもちゃまで。世界中から集めてきたのだろう、有名なものから外国の子供が描いたような、まだ誰も知らないであろう作品まであった。
さらに歩みを進めていくと、奥まった所に一点の肖像画が行き当たった。大層な額縁に収まって大物の雰囲気を纏っている。青年は息をのんだ。そのモデルは彼の恋人に、顔かたち表情の何から何までが、違わぬところはないほどにそっくりだった。
いつの間にか隣に来ていた店主が青年に話しかける。
「その絵、目を引くでしょう」
青年はなんとか取り繕って「えぇ」と返事をした。店主は少し興奮したように
「ドイツの作家が遺したものでねぇ、まぁパッとしない絵ばかり描く作家なんだが、この絵だけ別人が描いたみたいにうまくて。私なんかはこの絵だけでファンになったもんです。残念なことに、絵を描き上げてすぐ亡くなってしまったようなんですが……。もっと生きれば、もっといい絵がたくさん残ったかも知れないのに、ごほっごほっ。失礼、最近咳が多くてね」
「大丈夫ですか」
「気にせんでください。ただの老いぼれ病ですから」
「はあ」
「まぁ何の事なし、この絵が良い絵だということをお客さんに伝えたかったんですよ。えふっえふっ」
青年は店主の死にそうな咳を表立って気に病むことをやめ話題を目の前の絵に戻すことにした。
「えらく気に入ってらっしゃるんですね」
「そりゃあもう」
店主が嬉しそうにはにかむ。
「いつ描かれたものなんでしょう?」
「たしか、150年くらい前のものだったと。保存状態がかなり良いのでそうは見えにくいんですがねぇ」
「はい……」
青年の心はすっと肖像画に奪われていった。特にその目にくぎ付けだった。色ではない論理でもない、青年の想像を超える何者かの力が働いて、一種の魔力ともいえる力を放っていた。
店主は最後に
「一点ものですよ」
と秘密ごとを共有するみたいに小さな声で囁いた。
「おいくらですか」
「100円でございます」
100円。(当時の200万)
青年は幸い先祖の蓄えがあるためにお金には困っていなかった。が、生憎100円なんて普段は持ち歩いていない。
「必ず買いますから。あとでお金を持ってきましょう。残念ながら今は手持ちがありません」
「それは残念でございますなぁ。あいにく私も夕方の便でここを離れることになっておりまして」
「それは……」
青年は言葉に詰まった。そんなわけがなかろうと。しかし気持ちに諦めがつかない。腕にしていた祖父の形見の腕時計を店主へ差し出す。
「おそらく100円以上の価値があると思います」
店主は値定めするように、時計をじろりと舐め回してから青年をその大きな目玉でぎょろと見た。
『ぬらりひょんみたいだ』
「いいでしょう」
店主はそう言ってカウンターに戻ると、風呂敷を持って咳き込みながら絵を包んでくれた。
青年は風呂敷包みを脇に抱え船着き場に友の舟を待った。しばらくして大きな船がやってくる。人の塊が視認できるようになったので、ハンカチを振ってアピールすると、スーツを着た友人らしき男もハンカチを振り返してきた。
「やあ、久しぶり。元気だったか?」
「ぼちぼちだよ」
他愛ない挨拶を交わし、青年が労いの意を込めて友人の鞄を持ってやろうとすると彼はそれを断り、代わりに風呂敷包を指さして尋ねてきた。
「随分と大きな荷物だが、それは何を包んでいるんだ」
「これはさっき骨董屋で買ったんだよ。なかなか面白いものだから君にも見てほしい」
二人は適当なお座敷のある店に入った。
「これなんだけどね」
風呂敷を広げる。友人の目が軽く見開かれた。
「これはお前、どこで買ったんだ」
「港町の船着き場のすぐ近くの骨董店だよ」
「こりゃあ面白い」
「? 」
友人は少し苦しそうに喉の奥で息を吐いてから作品を手に取り、視線で愛撫するように肖像画を眺めていた。
青年は友人が話し出すまで黙ってそれを見ていたが、途中でたまらなくなって声をかけた。
「そろそろ僕にも説明してくれよ。それの何が面白いのか」
「あぁ、すまん」洗脳が解けたみたいにぱっと顔を上げ友人はきまり悪そうな笑みを浮かべた。
「いや、そんな大した話でもないんだがな」と言いながら居住まいを正す。
青年もつられて行儀の良い姿勢になった。
「つまり要約するとだな。これは所謂、都市伝説でいうところの呪の絵ってやつだ。時代や国を問わず同じような絵が見つかっているし、作者は大体このモデルを描き上げた後に死んでいる。まぁどうだかって話だが、業界では有名な怪談話だよ。色んなアレンジがされていてな、画家は死ぬ前に同じ人間の夢を見る。妖怪が現れて画家を殺してしまうなどと言われている。なんてったって、似たようなモデルが紀元前の作品からも見つかっているんだからな。俺も一度あっちで見せてもらったことがあるんだが、まさか日本でもお目にかかれるとはなぁ」
語り終えると友人は感慨深そうに、しきりに首を縦に振っている。反対に青年は姿勢を崩さないでいた。
「そんなのは嘘だ」
「あぁ、だからこれは都市伝説だ。そう言ってるじゃないか」
友人が笑う。「お前、まさか怖いのか?」なんて煽り文句をつけて。
「そんなわけないだろ。噂だ噂」
「あぁ噂だ」友人は唇を歪め、少し考えてから「しかし」と付け加える。
「そういや知り合いに死んだ作者の手記を持ってるやつがいるから……うむ、いい機会だ。取り寄せてやるよ。お土産を船の中に置き忘れたお詫びだな」と邪悪気のある目つきでそう言った。
「別に頼んでないが? 大体お前はいつもそうやって僕をからかうがな」
「いやいやそんなつもりではない。すまんかった、ほれ飲め飲め」
結局話は酒で煙に巻かれ、そのあと二軒梯子して二人は別れた。
その夜、布団にくるまって青年は案外穏やかな気持ちでいた。
『このまま巽の絵を描き続ければ、僕はいずれ死ぬのかもしれない』
今日の話を信じているわけではないが、信じていないわけでもなかった。怖いような楽しいようなふわふわした気分がずっと離れなかった。
「俺さん、なんだか痩せましたな」
とある日の夕飯時、巽が心配そうに青年の顔を覗き込みながら問いかけた。
「あまり食べられていないんでしょうか?」
青年の茶碗には大盛りの白飯がよそわれている。
「いいや?」
青年は彼を心配させまいと、柄にもない大口で白米を掻き込む。ますます不安げな表情を極める巽。
実のところ青年はあの一件があってからなんだか具合が悪いような気がしていた。原因がよもや絵にあるのかもしれないと考え、知り合いの蔵を間借りして置いてもらったほどである。自分の気の弱さに呆れる。
「あまり無理をしないでくださいね」
「もちろんだよ」
青年が即答するのも虚しく、巽の表情は一向に和らぐところがない。
「今日は絵をお休みしてはどうですか?」
まさかの提案だった。巽が友人の言うような存在であることを、ちかごろ薄々本当のことであるような気がしていた青年である。
そんなこととは知らず巽は追って打診する。
「なんなら体調が回復するまで休むというのも俺はいいと思いますよ」
「それでは君に不都合なんじゃないか?」
言った後に青年はしまったと思った。
「俺に不都合? なぜ」
なぜ、と聞かれると青年は困った。確かに、誰かに説明できるほど根拠のある話ではなかったはずだ。青年は急にここ数日の妄想が馬鹿らしくなった。
『こんなに優しく気遣ってくれる人間が妖怪なわけがない』
至極当たり前の結論だった。
それからまた数日経って、かの友人が頼んでいた手記が青年のもとに届いた。ページが数枚飛び出ているようなボロボロのノートだった。この頃青年はもうその件については関わり合いたくないような気持になっていた。かといって友人を無下にする気にもならない。
お愛想と思ってページをぱらぱらとめくってみると、几帳面に日付がつけてあった。日記の最初と終わりで約2年分。書いてある内容は外国語であることに加えて字の癖が強く自分の力では到底解読できないように思った。
手記に添えてあった友人の手紙を読んでみる。
「翻訳屋に持って行け」
A5の便箋にそれだけが書かれていた。
『圧力を感じる』
青年は大人しく友人の提言に従うことにした。
作家をしている知人の元へ翻訳を頼みに行くと、知人は快く仕事を受けてくれた。
1か月半後にまた来てほしいとのことだった。
「今日は大丈夫だから」
そう告げると巽は一瞬顔をしかめてみせ、次にちょっと安堵したような顔をした。
秋も過ぎ去り、冬のアトリエ。
青年が咳き込むたび、空間には白い靄が浮かび上がる。
そういえば、もう季節は12月の終わりに差し掛かっている。師走よろしく、外もなんだか活気づいているようだった。と青年はここで初めて年の終わりを予感した。
薄暗いアトリエで青年は着々と完成に近づきつつある自身の作品を見つめる。ふと手記のことを思い出した。
『そろそろ頼んだ翻訳も終わった頃だろうか』
筆で橙色をとってパレットに置く。
「寒くないかい?」
青年は巽を気遣うように声をかけた。しかし、本当に寒いと思っているのは青年自身だった。巽は
「いえ、俺は」
と事もなげに答える。
「そうか、ならよかった」
けほっと咳を一つ。再び筆を取る。
しばらくするとやはりどうしても寒いのか、色を置こうとするも手がかじかんで、どうにも穂先が定まらなくなってきた。ジリジリと筆先を睨みつける。
すると不意に体温が、青年の利き手を包みこんだ。
『温かい』
見上げると2連黒子が愛おしい、恋人の顔があった。
「俺さん、少し休憩にしましょうか」
「いいのかい? 最近は休んでばかりで、きみに迷惑をかけてない?」
恋人はかぶりを振って
「ですから、迷惑など。俺のことは気になさらず、あなたはあなたの事を大切にしてくださいね。温かいゆずレモネードを淹れてきますので、これを掛けて待っていてください」
上着を膝にかけてくれた。
青年はその優しさで十分、震え上がるほど嬉しかったのだが
「うん、ありがとう」
恋人は愛想のいい笑みを浮かべ、静かに扉を閉めて出て行った。
見送って青年は自分が無意識の内に首を守っていたことに気がついた。
『最近妙な夢を見るようになった』
例の妄想の類である。
彼が妖怪な訳が無いと心の表の部分では思いながらも、僕はあの妄想を止めることができないでいた。
寝る前、僕が咳き込むとき。苦しくて苦しくて堪らなくていっそ殺してほしいと願う。そんな時、想像上に靄が現れる。僕はそれを頭の中で練って練って人肌までに温めてゆっくりと首を絞めてもらう。すると眠りの世界に落ちていって僕は夢の世界でも苦しみに喘いでいる。
夢の中で僕がのたくっていると靄はどんどん彼の姿になっていく。そして問うのだ。
『TRICK or TREAT』
僕は苦しくて何も言えず、ただ身を捩らせて逃げようとするが彼はそれを許さない。例の二択をしきりに迫りながら腕の力を強くしていく。
僕は必ずTREATを選んだ。TREATを選ぶと楽になれた。意識がふっと軽くなり、体の芯を失って、夢か現実か分からない世界へと飛んでゆく。
僕はいつもそうやって目を覚ました。
手紙が届いた。翻訳が完了したとのことだった。
手記の内容(抜粋)
――沈んだ私の心を彼は幾度も満たしてくれた。売れない私の絵に価値を見出してくれた彼との出会いは私の不幸な人生の唯一の光。
――近頃何をしてもどうしようもなく疲れる。そんな私を彼はいつも丁寧に労ってくれる。その瞬間が何よりも愛おしい。
――病院に行ったら病気が見つかった。結核だった。畜生。
――悪夢を見ている感じがあるので寝る前にハーブティーでも飲もう。
――何が何でも作品だけは完成させなければ。死ぬ前に。
青年は何度も何度も最後の文を読んだ。
『死ぬ前に』
作家は
「おそらく個人の書いた日記形式の小説でしょう。面白いかはさておき、尽力したので目を通していただけると幸いです」
と達成感を滲ませている。
青年はどうしてもこれを小説だとは思えなかった。書かれた出来事、彼の存在、作品に対する謎の執着まで、身に覚えがありすぎる。
「どうされました?」
「いや、なんでもありません」
青年は手記の原本と翻訳本を受け取ると、作家に報酬を払い、とっととその場を離れてしまった。
ガタッ
「っ……はぁ……はぁ……」
「俺さん!」
筆を持つ手、膝がブルブル震えて立ち上がることができない。
母指球に体重が乗って痛い。額に冷汗が滲む。
「無理せず今日は休みましょう」
巽が肩を貸し、寝室まで運んでくれようとする。
青年は顔をそむけた。
「いい、……まだ、描ける」
「しかし」
「かまうなっ」
青年は半身を精一杯捩ると、思いっきり地面に叩きつけられた。
「っぼぇ゛っ!!」
「俺さん!」
巽の声が降りかかる。
「無理です。ここはいったん休みましょう」
巽は青年を横に抱きかかえると問答無用で寝室へと運ぶ。
青年は無念であった。
『死ぬ前に』故人の言葉が、手記を読んだ瞬間から彼の頭の片隅を陣取っていた。
『描きあげるまで僕は死ねない。』
この執着がどこから来るものなのか青年自身はっきりとは分からなかった。しかし、近頃確信めいてきた仮説がある。
完成させると死ぬのか、死ぬ前に完成させたのか。あの日話した都市伝説。青年は一度、巽は生者の命を奪う死神だと定義づけた。
考えてみれば、出会ってから一年で青年は不治の病に罹っているのだし変な夢も見る。変な怪談話もあるし、証拠のような品も幾つか出ている。一見そうと思えなくもないのだが……本当にそうだろうか? 青年は視点を変えてみた。
巽が死期が近い人間の前に現れる天使だとしたら?
よく考えてみる。青年が病気になったのはここ数ヶ月のことである。しかも病名は結核。誰でも罹る流行病だ。そして感染したのは恐らく例の骨董店。あの店主も今頃は火葬を終えて地面に埋められているのだろうか。また、かつて手記を書いた作者は実はその後も生きていた。それはあの友人から聞かされた話である。作者は生き、子孫を残している。子孫が語るには肖像画のモデルこと祖父の元恋人は祖父が元気になるとそっと姿を消したのだという。
友人は「やっぱ都市伝説だったな。似てるモデルもたまたまだな」なんて軽口を叩いていたが、青年の心の底からの安堵たるや。友人は知る由もないのだろう。
青年は巽に出会うまで本当に死にそうだった。出会わなければ自ら命を絶っていたと断言できるほど病んでいた。そんな彼の前に現れた巽は彼にとって天使そのものである。
少しでも延命させるよう、何かを残せるよう死相の出ている人間の前に現れて支援する、福祉の存在だとすれば……
『なんだ、そういうことだったら僕も合点がいく』
青年は巽の腕の中で満足そうに眼を閉じた。同時に一抹の絶望に近い希望が彼の中に芽生える。
『いっそのこと』
「きみがぼくのくびをしめてくれたらいいのに」
「お願いだ。生い先短いと思って頼みを聞いてくれ」
青年は布団の上にその体を預けられると、起き上がる力もないながら続きを描かせてほしいと懇願した。
「ですが、今の体調ではそれも難しいと思いますよ。第一、今の握力じゃ筆もまともに持てないでしょう」
ごもっともな意見が返ってくる。
「それに、生い先短いなんて縁起の悪いことをおっしゃらないでください。俺はあなたを愛しているんですから」
暖炉のように温かい手のひらが青年の頬をなでる。
頬には自然と涙が伝った。
「僕は…死んでも…
」
こほこほと間の悪い咳だ。布団が擦れる音も相まって、プロポーズじみた彼の告白は掻き消された。しかし、恋人はこくりと頷いて
「まっていますよ」
強く手を握った。
トルコ石の青。そしてクジャク石の緑。
翌日青年は巽の手を借りてキャンバスの前に座っていた。背景と体の部分は満足のいく仕上がりにまで落ち着き、残りは髪と目の色の調整を慎重に行っていくだけ。ぶつかってしまいそうなほど近くにある恋人の顔面をまじまじと見つめ、青年は色を選んでいく。
露草の青と、紅の赤。
色を重ねる毎にどくどくと脈打つ肺と心臓は本来の調律を忘れ、まるで真っ赤に焼けた鉄板の上で踊り狂っているよう。
最後に瞳に紫を落とし、青年は恋人の胸に倒れ込んだ。
意思と関係なく体がビクビク大きく跳ね、口からは朱い淡が咳き込むたびに飛び出す。
『早く解放して』
目縁に涙が溜まる。
耳元に息がかかり、
「TRICK or TREAT」
僕は迷わず選んだ。
「TRI 」
ここまで出て喉がつかえる、
「ック」
と音が漏れる。
途端、音も立てずアトリエから巽の姿が消えた。
体を支える柱を失って青年は床に強く体を叩きつけられる。衝撃で絵が青年の顔面に倒れ込んできた。
何が起こったか把握しきらぬまま、青年は絵を抱き咽び泣いた。
青年の涙で紫の青は流れ出した。そして瞳には、業火を連想させるごとく紅い、紅の赤だけが残った。
それから間もなく青年の意識は、嘗ての両親と愛する恋人の姿を追うように煙となって立ち昇る。アトリエの闇の中、降り始めた雨が網戸を打つ。
青年の魂は網戸を抜けて雨の暗闇へと狼煙のように差し上る。いつしか雲を抜けて一人の天使と出会った。
青年はそこで巽の行方を聞いてみた。天使は答える。
「巽なら魂となってあなたをあそこで待っていますよ」
見ると発光した白銀の魂が一つ、天界への入り口を前に立っていた。
「巽は天使のお役目を解かれたのです。あなたによってね……さあ行きなさい。愛する人が待っていますよ」
青年の魂は急いで白銀の魂へと向かっていった。そうして二つの魂は一片の曇りもない世界へとするすると吸い込まれていった。
もう雨の降る心配はない。
美しい男の肖像画編(終)
昭和✕✕年。とある豪邸の客間。三人の富豪たちが自慢のコレクションを持ち合い小さな品評会を開いている。モネの睡蓮、横山大観の夜桜など名画の模写が卓上に並ぶ中に一つ、ただならぬ雰囲気を纏う肖像画が中心に据え置かれた。一点物だというこの作品には、青磁色の髪に赤い眼をした人物が一人、微笑みを湛え静かにこちらを見つめている。女とも男ともとれないモデルには何とも言えない魅惑があり、深紅の瞳には変わった光が灯っているようで見る人をたちまち釘付けにした。持ち主が小鼻を膨らませ、笑みを含んだ声で
「この肖像画を描いた画家は描き上げて間もなく死んでしまったそうですよ」
と付け加える。途端に一人が目を見張り
「それでは、こりゃ呪の絵って訳ですかい」
声を高くして尋ねる。
「そんな縁起の悪いもんでも無かろうよ。偶々ということもあろう」
一人がフォローを入れたとき、突然、窓硝子を鋭い光が貫いた。室内がモノクロに裏返り轟音が轟く。そして立て板に水をかけたみたいな土砂降りになった。
「くわばらくわばら」
ビビリの男が心底辛そうに手を擦り合わせる。
二人は互いに苦い顔を見合わせ同時に窓の向こうに目をやった。暗雲垂れ込める空はずっと向こうの町まで続いているように見受けられた。
「今度のは長くなりそうですな」
「まったく、物騒な天気で……」
明治✕✕年。春雨前線が日本列島を跨る6月。一時の晴れ間。先刻の水溜りが暮れの灯りを内包し、あめんぼがワイングラスを弄ぶように水面を揺らめかせている。
一陣の風が吹き、水溜りはさざ波をたてる。風を先導するのは革靴。
革靴はぬかるみを蹴るような音の他に小瓶同士がぶつかるガンカラとやや重い音を立てている。この音が聞こえると軒先の鶏たちは一様に煩く鳴き、連られるようにしてカラカラと玄関の引き戸が開く。出てきたのは塗下駄。塗下駄の地面を擦る音が、鹿威しの如く一定の規律をもって門に向かう。
「おかえりなさい」
「ただいま、巽」
乱れた靴先は塗下駄を前にして揃えられる。
革靴を履くのは年若い青年。雨が降ればそのまま溶けていきそうな甘い視線を恋人へ向ける。応ずるように温かな眼差しを落とすのは陶器のように眩い彼の恋人。
恋人の持つ翠髪は龍のひげの如く繊細で、一本一本に陽光が閉じ込められており、時折桃色にも見える紫瞳はとろけるような優しさで満ちている。二人は互いに見つめ合い、しばし視線の交換を愉しんだ。
茶化すように銀の糸雨が降ってくる。
「さあ中に入りましょう。冷えてしまっては大変ですからね」
恋人は青年の背に手のひらを添え家の中へと誘導する。彼を先に行かせ、戸口を窮屈そうに通る。恋人は平均よりも上背がある大きな男であった。
彼等は簡単な食事を済ませるといつもの習慣から北にある6畳ほどのアトリエに籠もった。アトリエには家具らしい家具は置いておらず中心にモデルのための椅子が、向かい合うようにしてキャンバスと椅子、脇にパレット類を置くサイドテーブルがあるだけだ。北窓から差す光は静謐で、窓は網戸にしてある。反対に、西側の窓には光が入ってこないよう黒の遮光カーテンが重々しく吊られている。
青年は手で椅子周りの散らばった画材を払うと、雨が入らないよう北窓を閉め、キャンパスの前に足を開いて座った。巽が画材を避けて定位置へと回り込む。籐椅子に深く腰掛け、上半身を少しだけ捻り、顎を引いてこちらを慈しむように
「うん。そのまま」
輪郭を追うように平筆で丁寧に色を重ねていく。キャンバス上にありありと浮き出る恋人の像は、青年に安息をもたらしてくれた。
青年は貪るような視線でモデルを観察し、何遍も何遍も色を塗り固める。
色が足りなくなると瓶の顔料を乳鉢に零し、油でそれを練った。チューブ入りの画材はあったが、自分で色の硬さを調節するのが彼の拘りだった。ラピスラズリを膠液で展色しウルトラマリンブルーを作る。筆で掬って瞳に……。と、ここで筆先が止まった。
『何か違う、もっとこう怪しい感じの色が欲しいのだが』
湿気の立ち込める暗室。毛穴を塞ぐ煮詰まった空気を厭う。窓に結露した水滴が一筋流れ、ポタリポタリと雨の音。
こうなるともうどうしようもないことを青年は知っていた。眉根を開いてふわり、肩を落とす。
「……少し休憩にしようか」
巽も表情を緩めて頷く。
「ですな、紅茶を淹れてきます。俺さんはアールグレイとダージリンどちらがいいですか?」
「甘いのがいいな」
「では、フルーツティーですね」
「うん、ありがとう」
巽は愛想のいい笑みを浮かべ、静かに扉を閉めて出て行った。
青年は見送るとキャンバスに視線を戻した。
グリニッシュの下地がよく効いて、重ねた色が一段と冴えて見える。纏う白シャツが天女の羽衣のように艶めかしく、包まれる肌はまるで傷のつきやすい桃だ。
ほうっと息を漏らした。
思わず触れたくなる。それでも、触れてしまえば火傷してしまいそうな。
そんなエネルギーが絵にはこもっていた。
『巽に出会わなかったら僕にこんな絵は描けなかった』
青年は顔のない肖像画をじっと見つめて静かに目を閉じた。そうしていつもそうするように、彼との出会いを思い起こした。
巽と初めて会ったのは一年前。
僕は知り合いの頼みで、とある展示会に作品を出展していた。といっても、出した作品は誰も見向きもしないような味のない無気力な絵。当時の僕は両親が事故で急逝して間もなく灰のような毎日を過ごしていた。創作活動をする元気などあるはずもない。僕は僕の作品なんて気にも留めずスルーして行ってしまう人々を眺めながら、ただボーっと立っていた。
そんな中、一人だけ、僕の作品の前からずっと動かない人間がいた。眼鏡をかけた標準よりもやや大柄な男。真剣な目つきで、絵を睨みつけているようにも見える。僕は自分自身を責められているような気分になり堪らなくなって声をかけた。
「随分と熱心に見られていますが、気になりますか?」
男は声をかけられて初めて人の存在に気づいたという風に、目を丸くして振り向いた。
「ああ、はい。いい作品だと思い眺めていました」
にこやかに微笑む。
この一瞬で僕が思ったこと。
ははん、この男は芸術が分からないのだな。分からないのに文化人振ってるのだ。丁度いい、少しからかってやろう。
「失礼、貴方は作品のどの辺をいいと言ったのでしょう? 教えてくれませんか?」
男は「そうですね」と言ったきり顎に手を当てて黙り込んでしまった。
やっぱり。と思った。胸がずきんと痛んだ。
男の沈黙が明けるのも待たずに僕は喋りだした。
「っぼくからしてみれば、これを描いた人間は腑抜けた伽藍洞ですね、こんなつまらない絵を描くんですから。あなたが答えられないのも無理はないです……立ち止まっていたのはレンズが曇っていたから拭こうとしたのでしょう? どうです、私が拭って差しあげますよ」
おどけた調子を装い手を差し出した。しかし、男は眼鏡の中からじっと瞳を覗かせ
「いいえ、」
思いのほか強い口調だった。
「この絵は決してつまらなくなどありません。このくすんだ色使い。街灯の光のみが妙に眩しく、視界がボヤけた感じ。作者はきっと近頃にとても悲しい出来事があったんでしょうな。打ちひしがれてしまっているのがひしひしと伝わってきます。俺はこの作品を通して作者の背景に思いを馳せていたんですよ」
穏やかな、優しい眼差しだった。
僕はこの時どんな顔をしていたのだろう。男の純粋な優しさに触れて泣きそうな顔をしていたのだろうか、それともお前に何が分かると言わんばかりの怖い顔をしていたのだろうか。
いいや、きっとそのどちらでもない。僕は頭の中で彼を描くのに夢中だった。
肌はジョーンブリヤン。健康的な血色を表現するには鮮やかな黄色がいい。瞳の色はラピスラズリ。彼の精神性を表すには知的で慈悲深い、ウルトラマンの深い青が似合う。髪はビリジアン。いや、アンティークグリーンもいいな。
展開するのは色彩の万華鏡。頭が操られたみたいにおかしくなって、あまりの刺激に脳がパチパチと警告音を立てる。
「あなた、お名前は」
僕は半ば目を回しながら尋ねた。彼は特に気にするでもなく
「はい。俺は風早巽と言います。東南の方から吹く早い風と覚えてください。あなたは?」
「俺田俺…」
「俺田俺さん…?」
作品の方を振り返ってネームプレートを見る。
「おや」
月見草が月にはじけ咲くようだった。
香り立つストロベリーティーの甘い煙がティーカップの縁から流れ出し、シルクの糸のように延びて鼻腔をくすぐる。向かいには出会った頃と変わらない、柔和な笑みを浮かべた愛しい恋人。紅茶に映る青年の顔は、いいようもなく明るく、幸せそうだった。
十月も終わりが近くなり、吹きすさぶ秋風に上着をはためかせながら青年は港町まで足を運んでいた。絵画教室時代の友人が留学から帰ってくるというので、迎えに行くついでにいろいろと見て回ろうと思ったのだ。
港町は相変わらず市場で賑わっていた。食糧品やら雑貨、最新の機械まで。近年は殊更に文明開化の気風が高まっているせいか、どの店も西洋のものを店頭に飾って店の目玉にしている。中には赤字で非売品と書いたプレートが添えられているものまであった。
青年はそれよりも店奥の品が気になった。ちらと見える内装が物で氾濫している店ほど心惹かれた。
したがって青年はとある骨董店の前で足を止めざる終えなかった。仕入れたものを並べられるだけとでも言うような、売る気のまるで感じられないディスプレイ。品物が店頭を覆いつくす様に自然と体が吸い込まれていく。
「いらっしゃい。ごほっ」
山になったカウンターから店主がひょっこり顔を出し挨拶する。それが予期せぬ方角からだったのに青年は一瞬ぎょっとしたが持ち直して
「こんにちは、素敵な外装だったのでつい」
世辞を言った。
「かっかっか」
店主は豪快な笑い声を立て咳き込んでから
「ゆっくり見ていきんなさい」
目を笑わせて、また山に埋もれていった。
店内は実に美術品の宝庫であった。絵に陶器類に子供のおもちゃまで。世界中から集めてきたのだろう、有名なものから外国の子供が描いたような、まだ誰も知らないであろう作品まであった。
さらに歩みを進めていくと、奥まった所に一点の肖像画が行き当たった。大層な額縁に収まって大物の雰囲気を纏っている。青年は息をのんだ。そのモデルは彼の恋人に、顔かたち表情の何から何までが、違わぬところはないほどにそっくりだった。
いつの間にか隣に来ていた店主が青年に話しかける。
「その絵、目を引くでしょう」
青年はなんとか取り繕って「えぇ」と返事をした。店主は少し興奮したように
「ドイツの作家が遺したものでねぇ、まぁパッとしない絵ばかり描く作家なんだが、この絵だけ別人が描いたみたいにうまくて。私なんかはこの絵だけでファンになったもんです。残念なことに、絵を描き上げてすぐ亡くなってしまったようなんですが……。もっと生きれば、もっといい絵がたくさん残ったかも知れないのに、ごほっごほっ。失礼、最近咳が多くてね」
「大丈夫ですか」
「気にせんでください。ただの老いぼれ病ですから」
「はあ」
「まぁ何の事なし、この絵が良い絵だということをお客さんに伝えたかったんですよ。えふっえふっ」
青年は店主の死にそうな咳を表立って気に病むことをやめ話題を目の前の絵に戻すことにした。
「えらく気に入ってらっしゃるんですね」
「そりゃあもう」
店主が嬉しそうにはにかむ。
「いつ描かれたものなんでしょう?」
「たしか、150年くらい前のものだったと。保存状態がかなり良いのでそうは見えにくいんですがねぇ」
「はい……」
青年の心はすっと肖像画に奪われていった。特にその目にくぎ付けだった。色ではない論理でもない、青年の想像を超える何者かの力が働いて、一種の魔力ともいえる力を放っていた。
店主は最後に
「一点ものですよ」
と秘密ごとを共有するみたいに小さな声で囁いた。
「おいくらですか」
「100円でございます」
100円。(当時の200万)
青年は幸い先祖の蓄えがあるためにお金には困っていなかった。が、生憎100円なんて普段は持ち歩いていない。
「必ず買いますから。あとでお金を持ってきましょう。残念ながら今は手持ちがありません」
「それは残念でございますなぁ。あいにく私も夕方の便でここを離れることになっておりまして」
「それは……」
青年は言葉に詰まった。そんなわけがなかろうと。しかし気持ちに諦めがつかない。腕にしていた祖父の形見の腕時計を店主へ差し出す。
「おそらく100円以上の価値があると思います」
店主は値定めするように、時計をじろりと舐め回してから青年をその大きな目玉でぎょろと見た。
『ぬらりひょんみたいだ』
「いいでしょう」
店主はそう言ってカウンターに戻ると、風呂敷を持って咳き込みながら絵を包んでくれた。
青年は風呂敷包みを脇に抱え船着き場に友の舟を待った。しばらくして大きな船がやってくる。人の塊が視認できるようになったので、ハンカチを振ってアピールすると、スーツを着た友人らしき男もハンカチを振り返してきた。
「やあ、久しぶり。元気だったか?」
「ぼちぼちだよ」
他愛ない挨拶を交わし、青年が労いの意を込めて友人の鞄を持ってやろうとすると彼はそれを断り、代わりに風呂敷包を指さして尋ねてきた。
「随分と大きな荷物だが、それは何を包んでいるんだ」
「これはさっき骨董屋で買ったんだよ。なかなか面白いものだから君にも見てほしい」
二人は適当なお座敷のある店に入った。
「これなんだけどね」
風呂敷を広げる。友人の目が軽く見開かれた。
「これはお前、どこで買ったんだ」
「港町の船着き場のすぐ近くの骨董店だよ」
「こりゃあ面白い」
「? 」
友人は少し苦しそうに喉の奥で息を吐いてから作品を手に取り、視線で愛撫するように肖像画を眺めていた。
青年は友人が話し出すまで黙ってそれを見ていたが、途中でたまらなくなって声をかけた。
「そろそろ僕にも説明してくれよ。それの何が面白いのか」
「あぁ、すまん」洗脳が解けたみたいにぱっと顔を上げ友人はきまり悪そうな笑みを浮かべた。
「いや、そんな大した話でもないんだがな」と言いながら居住まいを正す。
青年もつられて行儀の良い姿勢になった。
「つまり要約するとだな。これは所謂、都市伝説でいうところの呪の絵ってやつだ。時代や国を問わず同じような絵が見つかっているし、作者は大体このモデルを描き上げた後に死んでいる。まぁどうだかって話だが、業界では有名な怪談話だよ。色んなアレンジがされていてな、画家は死ぬ前に同じ人間の夢を見る。妖怪が現れて画家を殺してしまうなどと言われている。なんてったって、似たようなモデルが紀元前の作品からも見つかっているんだからな。俺も一度あっちで見せてもらったことがあるんだが、まさか日本でもお目にかかれるとはなぁ」
語り終えると友人は感慨深そうに、しきりに首を縦に振っている。反対に青年は姿勢を崩さないでいた。
「そんなのは嘘だ」
「あぁ、だからこれは都市伝説だ。そう言ってるじゃないか」
友人が笑う。「お前、まさか怖いのか?」なんて煽り文句をつけて。
「そんなわけないだろ。噂だ噂」
「あぁ噂だ」友人は唇を歪め、少し考えてから「しかし」と付け加える。
「そういや知り合いに死んだ作者の手記を持ってるやつがいるから……うむ、いい機会だ。取り寄せてやるよ。お土産を船の中に置き忘れたお詫びだな」と邪悪気のある目つきでそう言った。
「別に頼んでないが? 大体お前はいつもそうやって僕をからかうがな」
「いやいやそんなつもりではない。すまんかった、ほれ飲め飲め」
結局話は酒で煙に巻かれ、そのあと二軒梯子して二人は別れた。
その夜、布団にくるまって青年は案外穏やかな気持ちでいた。
『このまま巽の絵を描き続ければ、僕はいずれ死ぬのかもしれない』
今日の話を信じているわけではないが、信じていないわけでもなかった。怖いような楽しいようなふわふわした気分がずっと離れなかった。
「俺さん、なんだか痩せましたな」
とある日の夕飯時、巽が心配そうに青年の顔を覗き込みながら問いかけた。
「あまり食べられていないんでしょうか?」
青年の茶碗には大盛りの白飯がよそわれている。
「いいや?」
青年は彼を心配させまいと、柄にもない大口で白米を掻き込む。ますます不安げな表情を極める巽。
実のところ青年はあの一件があってからなんだか具合が悪いような気がしていた。原因がよもや絵にあるのかもしれないと考え、知り合いの蔵を間借りして置いてもらったほどである。自分の気の弱さに呆れる。
「あまり無理をしないでくださいね」
「もちろんだよ」
青年が即答するのも虚しく、巽の表情は一向に和らぐところがない。
「今日は絵をお休みしてはどうですか?」
まさかの提案だった。巽が友人の言うような存在であることを、ちかごろ薄々本当のことであるような気がしていた青年である。
そんなこととは知らず巽は追って打診する。
「なんなら体調が回復するまで休むというのも俺はいいと思いますよ」
「それでは君に不都合なんじゃないか?」
言った後に青年はしまったと思った。
「俺に不都合? なぜ」
なぜ、と聞かれると青年は困った。確かに、誰かに説明できるほど根拠のある話ではなかったはずだ。青年は急にここ数日の妄想が馬鹿らしくなった。
『こんなに優しく気遣ってくれる人間が妖怪なわけがない』
至極当たり前の結論だった。
それからまた数日経って、かの友人が頼んでいた手記が青年のもとに届いた。ページが数枚飛び出ているようなボロボロのノートだった。この頃青年はもうその件については関わり合いたくないような気持になっていた。かといって友人を無下にする気にもならない。
お愛想と思ってページをぱらぱらとめくってみると、几帳面に日付がつけてあった。日記の最初と終わりで約2年分。書いてある内容は外国語であることに加えて字の癖が強く自分の力では到底解読できないように思った。
手記に添えてあった友人の手紙を読んでみる。
「翻訳屋に持って行け」
A5の便箋にそれだけが書かれていた。
『圧力を感じる』
青年は大人しく友人の提言に従うことにした。
作家をしている知人の元へ翻訳を頼みに行くと、知人は快く仕事を受けてくれた。
1か月半後にまた来てほしいとのことだった。
「今日は大丈夫だから」
そう告げると巽は一瞬顔をしかめてみせ、次にちょっと安堵したような顔をした。
秋も過ぎ去り、冬のアトリエ。
青年が咳き込むたび、空間には白い靄が浮かび上がる。
そういえば、もう季節は12月の終わりに差し掛かっている。師走よろしく、外もなんだか活気づいているようだった。と青年はここで初めて年の終わりを予感した。
薄暗いアトリエで青年は着々と完成に近づきつつある自身の作品を見つめる。ふと手記のことを思い出した。
『そろそろ頼んだ翻訳も終わった頃だろうか』
筆で橙色をとってパレットに置く。
「寒くないかい?」
青年は巽を気遣うように声をかけた。しかし、本当に寒いと思っているのは青年自身だった。巽は
「いえ、俺は」
と事もなげに答える。
「そうか、ならよかった」
けほっと咳を一つ。再び筆を取る。
しばらくするとやはりどうしても寒いのか、色を置こうとするも手がかじかんで、どうにも穂先が定まらなくなってきた。ジリジリと筆先を睨みつける。
すると不意に体温が、青年の利き手を包みこんだ。
『温かい』
見上げると2連黒子が愛おしい、恋人の顔があった。
「俺さん、少し休憩にしましょうか」
「いいのかい? 最近は休んでばかりで、きみに迷惑をかけてない?」
恋人はかぶりを振って
「ですから、迷惑など。俺のことは気になさらず、あなたはあなたの事を大切にしてくださいね。温かいゆずレモネードを淹れてきますので、これを掛けて待っていてください」
上着を膝にかけてくれた。
青年はその優しさで十分、震え上がるほど嬉しかったのだが
「うん、ありがとう」
恋人は愛想のいい笑みを浮かべ、静かに扉を閉めて出て行った。
見送って青年は自分が無意識の内に首を守っていたことに気がついた。
『最近妙な夢を見るようになった』
例の妄想の類である。
彼が妖怪な訳が無いと心の表の部分では思いながらも、僕はあの妄想を止めることができないでいた。
寝る前、僕が咳き込むとき。苦しくて苦しくて堪らなくていっそ殺してほしいと願う。そんな時、想像上に靄が現れる。僕はそれを頭の中で練って練って人肌までに温めてゆっくりと首を絞めてもらう。すると眠りの世界に落ちていって僕は夢の世界でも苦しみに喘いでいる。
夢の中で僕がのたくっていると靄はどんどん彼の姿になっていく。そして問うのだ。
『TRICK or TREAT』
僕は苦しくて何も言えず、ただ身を捩らせて逃げようとするが彼はそれを許さない。例の二択をしきりに迫りながら腕の力を強くしていく。
僕は必ずTREATを選んだ。TREATを選ぶと楽になれた。意識がふっと軽くなり、体の芯を失って、夢か現実か分からない世界へと飛んでゆく。
僕はいつもそうやって目を覚ました。
手紙が届いた。翻訳が完了したとのことだった。
手記の内容(抜粋)
――沈んだ私の心を彼は幾度も満たしてくれた。売れない私の絵に価値を見出してくれた彼との出会いは私の不幸な人生の唯一の光。
――近頃何をしてもどうしようもなく疲れる。そんな私を彼はいつも丁寧に労ってくれる。その瞬間が何よりも愛おしい。
――病院に行ったら病気が見つかった。結核だった。畜生。
――悪夢を見ている感じがあるので寝る前にハーブティーでも飲もう。
――何が何でも作品だけは完成させなければ。死ぬ前に。
青年は何度も何度も最後の文を読んだ。
『死ぬ前に』
作家は
「おそらく個人の書いた日記形式の小説でしょう。面白いかはさておき、尽力したので目を通していただけると幸いです」
と達成感を滲ませている。
青年はどうしてもこれを小説だとは思えなかった。書かれた出来事、彼の存在、作品に対する謎の執着まで、身に覚えがありすぎる。
「どうされました?」
「いや、なんでもありません」
青年は手記の原本と翻訳本を受け取ると、作家に報酬を払い、とっととその場を離れてしまった。
ガタッ
「っ……はぁ……はぁ……」
「俺さん!」
筆を持つ手、膝がブルブル震えて立ち上がることができない。
母指球に体重が乗って痛い。額に冷汗が滲む。
「無理せず今日は休みましょう」
巽が肩を貸し、寝室まで運んでくれようとする。
青年は顔をそむけた。
「いい、……まだ、描ける」
「しかし」
「かまうなっ」
青年は半身を精一杯捩ると、思いっきり地面に叩きつけられた。
「っぼぇ゛っ!!」
「俺さん!」
巽の声が降りかかる。
「無理です。ここはいったん休みましょう」
巽は青年を横に抱きかかえると問答無用で寝室へと運ぶ。
青年は無念であった。
『死ぬ前に』故人の言葉が、手記を読んだ瞬間から彼の頭の片隅を陣取っていた。
『描きあげるまで僕は死ねない。』
この執着がどこから来るものなのか青年自身はっきりとは分からなかった。しかし、近頃確信めいてきた仮説がある。
完成させると死ぬのか、死ぬ前に完成させたのか。あの日話した都市伝説。青年は一度、巽は生者の命を奪う死神だと定義づけた。
考えてみれば、出会ってから一年で青年は不治の病に罹っているのだし変な夢も見る。変な怪談話もあるし、証拠のような品も幾つか出ている。一見そうと思えなくもないのだが……本当にそうだろうか? 青年は視点を変えてみた。
巽が死期が近い人間の前に現れる天使だとしたら?
よく考えてみる。青年が病気になったのはここ数ヶ月のことである。しかも病名は結核。誰でも罹る流行病だ。そして感染したのは恐らく例の骨董店。あの店主も今頃は火葬を終えて地面に埋められているのだろうか。また、かつて手記を書いた作者は実はその後も生きていた。それはあの友人から聞かされた話である。作者は生き、子孫を残している。子孫が語るには肖像画のモデルこと祖父の元恋人は祖父が元気になるとそっと姿を消したのだという。
友人は「やっぱ都市伝説だったな。似てるモデルもたまたまだな」なんて軽口を叩いていたが、青年の心の底からの安堵たるや。友人は知る由もないのだろう。
青年は巽に出会うまで本当に死にそうだった。出会わなければ自ら命を絶っていたと断言できるほど病んでいた。そんな彼の前に現れた巽は彼にとって天使そのものである。
少しでも延命させるよう、何かを残せるよう死相の出ている人間の前に現れて支援する、福祉の存在だとすれば……
『なんだ、そういうことだったら僕も合点がいく』
青年は巽の腕の中で満足そうに眼を閉じた。同時に一抹の絶望に近い希望が彼の中に芽生える。
『いっそのこと』
「きみがぼくのくびをしめてくれたらいいのに」
「お願いだ。生い先短いと思って頼みを聞いてくれ」
青年は布団の上にその体を預けられると、起き上がる力もないながら続きを描かせてほしいと懇願した。
「ですが、今の体調ではそれも難しいと思いますよ。第一、今の握力じゃ筆もまともに持てないでしょう」
ごもっともな意見が返ってくる。
「それに、生い先短いなんて縁起の悪いことをおっしゃらないでください。俺はあなたを愛しているんですから」
暖炉のように温かい手のひらが青年の頬をなでる。
頬には自然と涙が伝った。
「僕は…死んでも…
」
こほこほと間の悪い咳だ。布団が擦れる音も相まって、プロポーズじみた彼の告白は掻き消された。しかし、恋人はこくりと頷いて
「まっていますよ」
強く手を握った。
トルコ石の青。そしてクジャク石の緑。
翌日青年は巽の手を借りてキャンバスの前に座っていた。背景と体の部分は満足のいく仕上がりにまで落ち着き、残りは髪と目の色の調整を慎重に行っていくだけ。ぶつかってしまいそうなほど近くにある恋人の顔面をまじまじと見つめ、青年は色を選んでいく。
露草の青と、紅の赤。
色を重ねる毎にどくどくと脈打つ肺と心臓は本来の調律を忘れ、まるで真っ赤に焼けた鉄板の上で踊り狂っているよう。
最後に瞳に紫を落とし、青年は恋人の胸に倒れ込んだ。
意思と関係なく体がビクビク大きく跳ね、口からは朱い淡が咳き込むたびに飛び出す。
『早く解放して』
目縁に涙が溜まる。
耳元に息がかかり、
「TRICK or TREAT」
僕は迷わず選んだ。
「TRI 」
ここまで出て喉がつかえる、
「ック」
と音が漏れる。
途端、音も立てずアトリエから巽の姿が消えた。
体を支える柱を失って青年は床に強く体を叩きつけられる。衝撃で絵が青年の顔面に倒れ込んできた。
何が起こったか把握しきらぬまま、青年は絵を抱き咽び泣いた。
青年の涙で紫の青は流れ出した。そして瞳には、業火を連想させるごとく紅い、紅の赤だけが残った。
それから間もなく青年の意識は、嘗ての両親と愛する恋人の姿を追うように煙となって立ち昇る。アトリエの闇の中、降り始めた雨が網戸を打つ。
青年の魂は網戸を抜けて雨の暗闇へと狼煙のように差し上る。いつしか雲を抜けて一人の天使と出会った。
青年はそこで巽の行方を聞いてみた。天使は答える。
「巽なら魂となってあなたをあそこで待っていますよ」
見ると発光した白銀の魂が一つ、天界への入り口を前に立っていた。
「巽は天使のお役目を解かれたのです。あなたによってね……さあ行きなさい。愛する人が待っていますよ」
青年の魂は急いで白銀の魂へと向かっていった。そうして二つの魂は一片の曇りもない世界へとするすると吸い込まれていった。
もう雨の降る心配はない。
美しい男の肖像画編(終)
本編に入らなかったミステリーもどき
土曜日。穏やかな日が差すのどかな休日、青年は久しぶりに気持ちの良い寝覚めを迎えていた。
布団の上から窓の外に視線を投げると、連日雨続きで重かった空が、雨なんか降ったことすらないと言わんばかりに晴れ渡っている。初夏らしい日和だった。起き抜けに朝食でも頂こうと、青年はいつもより軽い感じのする体を起こし、顔を洗って台所へ向かった。
青年の生活リズムは芸術家らしく不規則気味である。巽の早起きの習慣とは相性が悪い。2人は朝食のタイミングを無理に合わすことはせず、互いに好きな時間に好きなものを食べるというスタンスを取っていた。だから青年が特別早く起きるというようなことがない限り、朝のダイニングテーブルには茶碗が一つ伏せてあり、新鮮な卵が入った籐の籠が置いてあるはずだった。しかし今日はどうだろう。テーブルの上には卵どころか、籠ごと見当たらないし、茶碗は1つではなく2つ伏せられている。
見れば時計は12時を回っていた。いつもなら巽の方はとっくに朝食を終えているはずの時間帯である。
不思議に思いつつ、卵を取りにつっかけを足にひっかけ軒先に行けば、鮮やかな緑髪の後ろ姿が小屋の前にちょこんとある。加えて子どもたちが3人、ちょこん、ちょこちょこんとしゃがんでいる。
「どうしたんだい」
青年はできるだけ大人の余裕を声に滲ませるよう心掛けた。が、子どもの一人が振り返って、青年の顔を見るなり青い顔になった。そして次の瞬間には前を向いてしまった。思わず表情を曇らせてしまう。恋人の背中に擦り足で近寄り、中腰になってもう一度声を掛ける。
「どうしたんだい?」
巽は一瞬髪を前に揺らしてから、明らかに困ったような表情で振り返って
「卵がどういうわけか、全てゆで卵になってしまったようなんです」
と言った。
『それは一体』
言いかけて飲み込んだ。8つの濡れた猫のような目が揃って青年を見つめているのだ。改めて聞くのは野暮なことに思われた。
巽が卵の入った籐の籠を差し出す。試しに一つ掴んで殻を割ってみると見事にゆで卵だった。思わず巽の顔を見る。巽は苦笑で返した。
「俺が見たときには既にこの有り様で、水瓶の中には卵は4つしか残っておらず、そのすべてがゆで卵になっていました」
青年は子供たちに視線を移した。巽の右にしゃがむ女の子が
「私たちは卵をもらいに来たの。玄関から巽さんを呼んでここに来たらもうこうなってたの」
嘘じゃないわ。と真剣な顔で青年を見つめる。
「ほんとだよ」
と男の子。その隣の小さな子は俯きがちにうなずいた。
青年は
「そうなんだね」
と返し、取り敢えず鶏小屋にお邪魔した。中には干草と数羽の鶏、雛、餌と水入れ。それに卵を受けるための水瓶(野生動物から卵を守るため水中に保存している)。環境は整ってるし特別荒れた感じもしない。穏やかじゃないか、と思ってますます首をひねる。
「何かわかりましたか?」
と巽。
『いや、さっぱり』
しかし、子供たちがいる前でそんな格好悪い発言をして失望されるのは流石に堪える。青年は意味深長にうなずいて
「まずは子供たちに意見を聞いてみよう」
B
「鳥の体温が高すぎて体内でゆで卵になったんだ。鶏の体温は40度以上あるってどこかで読んだし、間違いないよ!」
A子
「羽毛の下で温めすぎたんじゃないかしら?最近寒かったし、みんなが一か所に集まって卵を温めればそういうこともあるんじゃないの?」
C
「ぼくは…誰かが取り替えたんだと思う。わからないけど……」
「なるほど」
子供たちの推理が出揃って4人の視線が青年に集まる。
青年
「宇宙人の実験にうちの鶏が使われたんだろう。ゆで卵を産む鶏なんて、これからは調理いらずだね」
「あなたもですか」
巽がそんなことだろうと思った、とでも言う風にケタケタ肩を震わせ笑う。
「まじめにやってよ!大人なんだから」
「あきれる」
叱られてしまった。
まあまあと巽が子どもたちをなだめる。まぶちのしずくを指でぬぐいながら
「実は俺の方はもう粗方見当がついているんです。ただトリックが分かっただけで、動機の方はさっぱりなんですが」
なんと。
どういうこと、教えて、と子供たちが巽に縋り付く。背中に乗られるのをふふふと嬉しそうにしながら、一人おぶって立ち上がる。鶏小屋の中、巽が水瓶を指さす。
「〇さん、ここに張った水を見て何か思うことはありませんか?」
青年は訝しげに瓶の中をのぞいた。特に変わったことはないように思われるが……
「水がきれいすぎる……?」
巽が満足そうにうなずく。
「そうですな。ここ最近は雨の降りどうしで、普通なら瓶の水も汚れていてもおかしくありません。しかし、この水は今日換えたばかりのように透き通っている。流石です、〇さん」
『いや、ほぼ巽が言ったようなものだが』
そう思いつつ悪い気はしない。後頭部に手をまわす。
「次。瓶の底の部分に注目してみてください。何か気になるところはありませんか?」
「あ!」
今度はA子が声を上げた。
「焦げてる!」
またまた満足そうに
「ええ、その通りですな。さすがA子さん。瓶の底がなぜか焦げてしまっています。おそらく下から直に火が当たったためでしょうな。しかし、俺にはそんなことをした覚えがありません。〇さんは……」
青年は首を振った。
「ですよね。〇さんもしていないでしょう。もちろんここにいるあなたたちも」
子供たちが必死に首を縦に振る。
「ふふ。大丈夫。俺は皆さんを信じていますよ」
にこり。
「では、最後です」
そう巽が言うと、背中のBが降りたがった。彼も何か手柄をあげたいらしい。
「うちで飼っている鶏は全部で7匹。そのうちの6匹が雌です。毎日最低6個の卵が産まれます。しかし今日の収穫は4個。調べたところ、鶏たちは軒並み健康で卵詰まりを起こしている子はいませんでした。さあ、Bさん。あなたはこれをどう考えますかな?」
Bの利発そうな眉が八の字になる。
「僕のだけ難しすぎない?」
「いいえ、あなたなら答えられるはずですよ。Cさんの推理を参考にもう一度考えてみてください」
う~んと唸る。
『可哀想に。僕にはさっぱりわからないのに』
青年は心の内でBに同情した。
「Cは、誰かが卵を取り換えたって言った。でも、いたずらをするのに数を間違えるかな?2個足りないよね」
Cの方を見る。Cは相変わらず自信なさげに俯きながら小さくうなずく。
「ってことは、この4つの卵が巽さん家ので間違いはないとして、残りの2つは……」
「だめになったのよ!」
A子が突然声を上げた。Cがびくりと肩を上げる。
「横取りしないで」
Bは不満そうだ。
「二人とも、お見事ですな」
頭をなでる。
「そうです。残りの2つは駄目になってしまった。…つまり、卵の形が崩れてしまったんです」
もう一度瓶をのぞき込む。
「ほら、ここ。よく見ると、卵の殻の白い欠片が浮いているのが分かりますか?さらに言うと、黄色い筋もやが少し漂っているのも見えますかな?」
『言われてみれば』
4人の反応を見て、これでお膳立てが整ったとばかりに微笑む。
「俺の推理はこうです。丁度このくらいのサイズの頑丈な箱を必要としていた集団が、水瓶を家の鶏小屋から一瞬借りるつもりで運び出し、中に卵が入っていることも知らないで、この瓶でお湯を沸かした。そして何かの拍子に卵が2つ割れてしまい、それに気づいたのは最後水を変えた時だった。彼らは焦っていたので割れた卵だけを除いて急いで瓶を戻しに来た」
『なるほど、それなら合点がいく。しかし…』
「問題は、誰がどうして。というところですな。誰が、というのは概ね予想がつきます。皆さん地面を見てください」
みんなが一斉に足元を見る。
「皆さんの足跡がある中に、多数の子供の足跡が混じっています。足跡はA子さん、BさんCさんが踏み込んでいないところまで続いています。つまり、あなたたちの前にこの鶏小屋に訪問した方たちがいるはずです」
この時、Cが初めて声らしい声をあげた。
「まって。もしかしたら昨日とか、もっと前の足跡かもしれないよ」
巽は優しくうなずく。
「Cさんの意見ももっともです。ですが、ここ最近は雨続きでした。この小屋は鶏が眠る巣の他に屋根らしい屋根はついておらずネットが張ってあるだけです。もちろん昨日の夜が雨だったことはご存じですな?」
Cが俯く
「今日の朝の出来事なんです」
巽がそう言い終わると同時に一匹の白い中型犬が庭に侵入してきた。青年宅で気まぐれに餌をやっている野良犬の、名前はべスだ。
「わあ~太郎」
「違うわ、ナナコよ」
「ナイス…」
どうやらいろんな名前を持っているらしい。
青年は犬の食事を縁側から引っ張り出してきて、小皿に振りかけた。犬がおいしそうにカリカリと音を立てて食べる。と、その様子を見て青年はあることに気がついた。
「べス、今日はなんだか毛並みが綺麗だね」
子供たちが反応し、A子がにおいをかぐ。
「本当だわ。しかも、いい匂い」
つられてBが
「うん、いい匂い。でもなんか生乾きっぽい」
途端、Cが声をあげて泣き出した。巽を除いてみんなぎょっとする。
巽はCの背中をさすりながら
「何があったか話してくれますか?」
優しい声で尋ねた。Cはうん、と小さく頷くと事の経緯を何度も詰まりながら懸命に語った。
今朝の6時、朝早くから登校してCを含めた少年たちは校庭で竹馬をしていた。誰が一番うまいか、そんなことで盛り上がっていた中に、一匹の犬がふらふらと入ってきた。遠目には黒い犬だったので少年たちは知らない犬を警戒した。そこで最年長のSが、試しにそこら辺の棒切れを拾って犬めがけて投げた。するとその犬は嬉しそうに棒切れを空中キャッチ、こちらに向かってきた。
少年たちはその犬の挙動にいくらか見覚えがあった。べスだ(仮名)。
少年たちはいっせいに駆け寄った。「どうしたんだよそんなに汚して」「水たまりの中にでも飛び込んだか?」べスはみんなから愛されていた。
Sが言った。
「べスをお風呂に入れよう」
みんなそれに乗った。
お風呂の容器をどうするかで少年たちは話し合った。なかなかいい意見が出ない中、Cが「巽さんちの…」と呟いたのをみんなは聞き逃さなかった。Cが言わなければよかったと反省するよりも早く、みんなはもう走り出していた。
炭屋の子供が廃材とマッチをもらってきて、その間4人がかりで水の張った水瓶を運んだ。Cは鶏小屋の鍵の在処を知っていたので開けるのは容易だった。ここからは概ね巽の推理通り。
「ごめんなさい!」
Cは顔をぐちゃぐちゃにして謝った。そんな彼を責める者などここには一人もいない。
「正直に打ち明けてくれてありがとうございます、Cさん。俺はあなたが勇気を持ってここに来てくれたこと、そして、こうして心から自分のしたことに向き合っている姿勢を偉いと思います」
青年とA子とBもうなずく。
「でもさ、」
とB
「Cだけ謝るのは不公平?なんじゃない?」
これにA子も続く。
「そうね。C君だけがやったんじゃないもの。Sたちの所に行くべきよ」
真っ赤な目で巽を見上げるC。巽は頷き
「みなさんの言う通りですな。俺は今回、誰のことも責めるつもりはありませんが、今後このようなことがないよう話し合っておく必要はあるかもしれませんね」
とSたちの元へ行く流れになった。
Cによると、Sたちは学校が終わるといつも校庭で鬼ごっこなどをして遊んでいるといい、校庭へ行ってみると案の定彼らは凧揚げの真っ最中だった。
今朝の件に絡んでいない数人が巽たちを見て無邪気に手を振る。事件に関わった子は総じて青い顔か苦い顔をしている。
ゆで卵を一つ前に掲げるようにして
「心当たりがあるかたはこちらへ」
と言えば何人かが気まずそうにこちらへ歩いてくる。Cはこれで全員だと言った。
巽はしゃがんで子供たちに視線を合わすと、
「まず、俺は今朝のことについて誰のことも責めるつもりはありません。今回皆さんに集まってもらったのは、俺から皆さんにお願いがあったからなんです。聞いてくれますかな?」
敵意の全く感じさせない笑みに、少年たちは動揺する。
巽はCから聞きだした事のいきさつを、Cに矛先が向かないよう配慮しながら一つ一つ少年たちに確認を取った。彼らは終始巽の話を真剣に聞き、途中途中反省の言葉を漏らした。
「ですから、次からは困ったことがあれば俺に何でも相談してくださいね。力になれる限りのことはやってみるつもりですから」
巽の柔和な微笑みに少年たちは揃いも揃って恍惚とした表情を見せる。
『罪な奴だな』
少年たちはこれから暫くは悩ましい日々を送るのであろう。そう思うと同情のような苦笑がせり上がってきて、青年は抑えるのに必死だった。
家に帰り、4つのうち3つの卵は子供たちに分け、残りの一つを2人は半分にして食べた。
「すっかり昼ごはんになってしまいましたな」
と巽。
「これじゃ足りないね」
と青年も笑う。巽が箸を置き
「たまの外食などもいいかもしれませんね」
と提案する。青年は卵を飲み込んで
「賛成、ひつまぶしでも食べに行こう」
2人は椅子を引いて、並んで食器を片付け始めた。水の流れる音が小窓から流れて外にまで響き渡る。路地からはこれから遊びに出るのだろう、子供たちの楽し気な声。立ち昇る入道雲がそれらを吸収し、段々と大きくなっていくような錯覚を見せる。そんな様子は初夏の訪れを感じさせ、さわやかな風を町に吹き込ませていた。
〈〈前の話 次の話〉〉
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土曜日。穏やかな日が差すのどかな休日、青年は久しぶりに気持ちの良い寝覚めを迎えていた。
布団の上から窓の外に視線を投げると、連日雨続きで重かった空が、雨なんか降ったことすらないと言わんばかりに晴れ渡っている。初夏らしい日和だった。起き抜けに朝食でも頂こうと、青年はいつもより軽い感じのする体を起こし、顔を洗って台所へ向かった。
青年の生活リズムは芸術家らしく不規則気味である。巽の早起きの習慣とは相性が悪い。2人は朝食のタイミングを無理に合わすことはせず、互いに好きな時間に好きなものを食べるというスタンスを取っていた。だから青年が特別早く起きるというようなことがない限り、朝のダイニングテーブルには茶碗が一つ伏せてあり、新鮮な卵が入った籐の籠が置いてあるはずだった。しかし今日はどうだろう。テーブルの上には卵どころか、籠ごと見当たらないし、茶碗は1つではなく2つ伏せられている。
見れば時計は12時を回っていた。いつもなら巽の方はとっくに朝食を終えているはずの時間帯である。
不思議に思いつつ、卵を取りにつっかけを足にひっかけ軒先に行けば、鮮やかな緑髪の後ろ姿が小屋の前にちょこんとある。加えて子どもたちが3人、ちょこん、ちょこちょこんとしゃがんでいる。
「どうしたんだい」
青年はできるだけ大人の余裕を声に滲ませるよう心掛けた。が、子どもの一人が振り返って、青年の顔を見るなり青い顔になった。そして次の瞬間には前を向いてしまった。思わず表情を曇らせてしまう。恋人の背中に擦り足で近寄り、中腰になってもう一度声を掛ける。
「どうしたんだい?」
巽は一瞬髪を前に揺らしてから、明らかに困ったような表情で振り返って
「卵がどういうわけか、全てゆで卵になってしまったようなんです」
と言った。
『それは一体』
言いかけて飲み込んだ。8つの濡れた猫のような目が揃って青年を見つめているのだ。改めて聞くのは野暮なことに思われた。
巽が卵の入った籐の籠を差し出す。試しに一つ掴んで殻を割ってみると見事にゆで卵だった。思わず巽の顔を見る。巽は苦笑で返した。
「俺が見たときには既にこの有り様で、水瓶の中には卵は4つしか残っておらず、そのすべてがゆで卵になっていました」
青年は子供たちに視線を移した。巽の右にしゃがむ女の子が
「私たちは卵をもらいに来たの。玄関から巽さんを呼んでここに来たらもうこうなってたの」
嘘じゃないわ。と真剣な顔で青年を見つめる。
「ほんとだよ」
と男の子。その隣の小さな子は俯きがちにうなずいた。
青年は
「そうなんだね」
と返し、取り敢えず鶏小屋にお邪魔した。中には干草と数羽の鶏、雛、餌と水入れ。それに卵を受けるための水瓶(野生動物から卵を守るため水中に保存している)。環境は整ってるし特別荒れた感じもしない。穏やかじゃないか、と思ってますます首をひねる。
「何かわかりましたか?」
と巽。
『いや、さっぱり』
しかし、子供たちがいる前でそんな格好悪い発言をして失望されるのは流石に堪える。青年は意味深長にうなずいて
「まずは子供たちに意見を聞いてみよう」
B
「鳥の体温が高すぎて体内でゆで卵になったんだ。鶏の体温は40度以上あるってどこかで読んだし、間違いないよ!」
A子
「羽毛の下で温めすぎたんじゃないかしら?最近寒かったし、みんなが一か所に集まって卵を温めればそういうこともあるんじゃないの?」
C
「ぼくは…誰かが取り替えたんだと思う。わからないけど……」
「なるほど」
子供たちの推理が出揃って4人の視線が青年に集まる。
青年
「宇宙人の実験にうちの鶏が使われたんだろう。ゆで卵を産む鶏なんて、これからは調理いらずだね」
「あなたもですか」
巽がそんなことだろうと思った、とでも言う風にケタケタ肩を震わせ笑う。
「まじめにやってよ!大人なんだから」
「あきれる」
叱られてしまった。
まあまあと巽が子どもたちをなだめる。まぶちのしずくを指でぬぐいながら
「実は俺の方はもう粗方見当がついているんです。ただトリックが分かっただけで、動機の方はさっぱりなんですが」
なんと。
どういうこと、教えて、と子供たちが巽に縋り付く。背中に乗られるのをふふふと嬉しそうにしながら、一人おぶって立ち上がる。鶏小屋の中、巽が水瓶を指さす。
「〇さん、ここに張った水を見て何か思うことはありませんか?」
青年は訝しげに瓶の中をのぞいた。特に変わったことはないように思われるが……
「水がきれいすぎる……?」
巽が満足そうにうなずく。
「そうですな。ここ最近は雨の降りどうしで、普通なら瓶の水も汚れていてもおかしくありません。しかし、この水は今日換えたばかりのように透き通っている。流石です、〇さん」
『いや、ほぼ巽が言ったようなものだが』
そう思いつつ悪い気はしない。後頭部に手をまわす。
「次。瓶の底の部分に注目してみてください。何か気になるところはありませんか?」
「あ!」
今度はA子が声を上げた。
「焦げてる!」
またまた満足そうに
「ええ、その通りですな。さすがA子さん。瓶の底がなぜか焦げてしまっています。おそらく下から直に火が当たったためでしょうな。しかし、俺にはそんなことをした覚えがありません。〇さんは……」
青年は首を振った。
「ですよね。〇さんもしていないでしょう。もちろんここにいるあなたたちも」
子供たちが必死に首を縦に振る。
「ふふ。大丈夫。俺は皆さんを信じていますよ」
にこり。
「では、最後です」
そう巽が言うと、背中のBが降りたがった。彼も何か手柄をあげたいらしい。
「うちで飼っている鶏は全部で7匹。そのうちの6匹が雌です。毎日最低6個の卵が産まれます。しかし今日の収穫は4個。調べたところ、鶏たちは軒並み健康で卵詰まりを起こしている子はいませんでした。さあ、Bさん。あなたはこれをどう考えますかな?」
Bの利発そうな眉が八の字になる。
「僕のだけ難しすぎない?」
「いいえ、あなたなら答えられるはずですよ。Cさんの推理を参考にもう一度考えてみてください」
う~んと唸る。
『可哀想に。僕にはさっぱりわからないのに』
青年は心の内でBに同情した。
「Cは、誰かが卵を取り換えたって言った。でも、いたずらをするのに数を間違えるかな?2個足りないよね」
Cの方を見る。Cは相変わらず自信なさげに俯きながら小さくうなずく。
「ってことは、この4つの卵が巽さん家ので間違いはないとして、残りの2つは……」
「だめになったのよ!」
A子が突然声を上げた。Cがびくりと肩を上げる。
「横取りしないで」
Bは不満そうだ。
「二人とも、お見事ですな」
頭をなでる。
「そうです。残りの2つは駄目になってしまった。…つまり、卵の形が崩れてしまったんです」
もう一度瓶をのぞき込む。
「ほら、ここ。よく見ると、卵の殻の白い欠片が浮いているのが分かりますか?さらに言うと、黄色い筋もやが少し漂っているのも見えますかな?」
『言われてみれば』
4人の反応を見て、これでお膳立てが整ったとばかりに微笑む。
「俺の推理はこうです。丁度このくらいのサイズの頑丈な箱を必要としていた集団が、水瓶を家の鶏小屋から一瞬借りるつもりで運び出し、中に卵が入っていることも知らないで、この瓶でお湯を沸かした。そして何かの拍子に卵が2つ割れてしまい、それに気づいたのは最後水を変えた時だった。彼らは焦っていたので割れた卵だけを除いて急いで瓶を戻しに来た」
『なるほど、それなら合点がいく。しかし…』
「問題は、誰がどうして。というところですな。誰が、というのは概ね予想がつきます。皆さん地面を見てください」
みんなが一斉に足元を見る。
「皆さんの足跡がある中に、多数の子供の足跡が混じっています。足跡はA子さん、BさんCさんが踏み込んでいないところまで続いています。つまり、あなたたちの前にこの鶏小屋に訪問した方たちがいるはずです」
この時、Cが初めて声らしい声をあげた。
「まって。もしかしたら昨日とか、もっと前の足跡かもしれないよ」
巽は優しくうなずく。
「Cさんの意見ももっともです。ですが、ここ最近は雨続きでした。この小屋は鶏が眠る巣の他に屋根らしい屋根はついておらずネットが張ってあるだけです。もちろん昨日の夜が雨だったことはご存じですな?」
Cが俯く
「今日の朝の出来事なんです」
巽がそう言い終わると同時に一匹の白い中型犬が庭に侵入してきた。青年宅で気まぐれに餌をやっている野良犬の、名前はべスだ。
「わあ~太郎」
「違うわ、ナナコよ」
「ナイス…」
どうやらいろんな名前を持っているらしい。
青年は犬の食事を縁側から引っ張り出してきて、小皿に振りかけた。犬がおいしそうにカリカリと音を立てて食べる。と、その様子を見て青年はあることに気がついた。
「べス、今日はなんだか毛並みが綺麗だね」
子供たちが反応し、A子がにおいをかぐ。
「本当だわ。しかも、いい匂い」
つられてBが
「うん、いい匂い。でもなんか生乾きっぽい」
途端、Cが声をあげて泣き出した。巽を除いてみんなぎょっとする。
巽はCの背中をさすりながら
「何があったか話してくれますか?」
優しい声で尋ねた。Cはうん、と小さく頷くと事の経緯を何度も詰まりながら懸命に語った。
今朝の6時、朝早くから登校してCを含めた少年たちは校庭で竹馬をしていた。誰が一番うまいか、そんなことで盛り上がっていた中に、一匹の犬がふらふらと入ってきた。遠目には黒い犬だったので少年たちは知らない犬を警戒した。そこで最年長のSが、試しにそこら辺の棒切れを拾って犬めがけて投げた。するとその犬は嬉しそうに棒切れを空中キャッチ、こちらに向かってきた。
少年たちはその犬の挙動にいくらか見覚えがあった。べスだ(仮名)。
少年たちはいっせいに駆け寄った。「どうしたんだよそんなに汚して」「水たまりの中にでも飛び込んだか?」べスはみんなから愛されていた。
Sが言った。
「べスをお風呂に入れよう」
みんなそれに乗った。
お風呂の容器をどうするかで少年たちは話し合った。なかなかいい意見が出ない中、Cが「巽さんちの…」と呟いたのをみんなは聞き逃さなかった。Cが言わなければよかったと反省するよりも早く、みんなはもう走り出していた。
炭屋の子供が廃材とマッチをもらってきて、その間4人がかりで水の張った水瓶を運んだ。Cは鶏小屋の鍵の在処を知っていたので開けるのは容易だった。ここからは概ね巽の推理通り。
「ごめんなさい!」
Cは顔をぐちゃぐちゃにして謝った。そんな彼を責める者などここには一人もいない。
「正直に打ち明けてくれてありがとうございます、Cさん。俺はあなたが勇気を持ってここに来てくれたこと、そして、こうして心から自分のしたことに向き合っている姿勢を偉いと思います」
青年とA子とBもうなずく。
「でもさ、」
とB
「Cだけ謝るのは不公平?なんじゃない?」
これにA子も続く。
「そうね。C君だけがやったんじゃないもの。Sたちの所に行くべきよ」
真っ赤な目で巽を見上げるC。巽は頷き
「みなさんの言う通りですな。俺は今回、誰のことも責めるつもりはありませんが、今後このようなことがないよう話し合っておく必要はあるかもしれませんね」
とSたちの元へ行く流れになった。
Cによると、Sたちは学校が終わるといつも校庭で鬼ごっこなどをして遊んでいるといい、校庭へ行ってみると案の定彼らは凧揚げの真っ最中だった。
今朝の件に絡んでいない数人が巽たちを見て無邪気に手を振る。事件に関わった子は総じて青い顔か苦い顔をしている。
ゆで卵を一つ前に掲げるようにして
「心当たりがあるかたはこちらへ」
と言えば何人かが気まずそうにこちらへ歩いてくる。Cはこれで全員だと言った。
巽はしゃがんで子供たちに視線を合わすと、
「まず、俺は今朝のことについて誰のことも責めるつもりはありません。今回皆さんに集まってもらったのは、俺から皆さんにお願いがあったからなんです。聞いてくれますかな?」
敵意の全く感じさせない笑みに、少年たちは動揺する。
巽はCから聞きだした事のいきさつを、Cに矛先が向かないよう配慮しながら一つ一つ少年たちに確認を取った。彼らは終始巽の話を真剣に聞き、途中途中反省の言葉を漏らした。
「ですから、次からは困ったことがあれば俺に何でも相談してくださいね。力になれる限りのことはやってみるつもりですから」
巽の柔和な微笑みに少年たちは揃いも揃って恍惚とした表情を見せる。
『罪な奴だな』
少年たちはこれから暫くは悩ましい日々を送るのであろう。そう思うと同情のような苦笑がせり上がってきて、青年は抑えるのに必死だった。
家に帰り、4つのうち3つの卵は子供たちに分け、残りの一つを2人は半分にして食べた。
「すっかり昼ごはんになってしまいましたな」
と巽。
「これじゃ足りないね」
と青年も笑う。巽が箸を置き
「たまの外食などもいいかもしれませんね」
と提案する。青年は卵を飲み込んで
「賛成、ひつまぶしでも食べに行こう」
2人は椅子を引いて、並んで食器を片付け始めた。水の流れる音が小窓から流れて外にまで響き渡る。路地からはこれから遊びに出るのだろう、子供たちの楽し気な声。立ち昇る入道雲がそれらを吸収し、段々と大きくなっていくような錯覚を見せる。そんな様子は初夏の訪れを感じさせ、さわやかな風を町に吹き込ませていた。
〈〈前の話 次の話〉〉
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今月考えたこと
俺は巽のことを猫ちゃんだと思っているので…タレ目なのは分かってるんだけどハッピーチャームのスチルを見てしまうと猫の王国におけるアミューズメントパークのキャストさんにしか見えないわけですよ。鯵一匹(チケット代わり)を喜んで咥えハウハウ言いながらコーヒカップに誘導してくれる。そんな緑の毛並みの猫の姿が見えるんです
#微妙な妄想
#微妙な妄想
無数のうんこに降られる夢を見ました
あと巽が女体化した
あと巽が女体化した
ウインナー3本焼いたけど1本目食べたあたりから記憶がなくて、残りの2本がなくなってるのが信じられず机の下からレンジまでを探してしまった
香薫ウインナー高いんだもん
香薫ウインナー高いんだもん
革命児時代の何でも言うこと聞いてくれそうな雰囲気の風早先輩に「ちんこ舐めてください!」って言って、あの風早先輩から『それは流石に…』みたいなドン引きリアクションを引き出してしまう非特待生の役やりたい
#微妙な妄想
#微妙な妄想
とある先生が言ってた
デートで会う前、腕時計の文字盤をひっくり返して『これから君と過ごすんだから時間なんて関係ない』ってやつ
デートで会う前、腕時計の文字盤をひっくり返して『これから君と過ごすんだから時間なんて関係ない』ってやつ
戦後没落した旧華族のショタツミも見てえな〜
#微妙な妄想
#微妙な妄想
バブル時代の、勘と度胸で勝負する企業戦士の巽が見たい。
向かうところ敵なし!
な日本国の商社マンで、考える前に行動しろという社訓を背に、契約という名の賭けを世界で繰り広げる。そんな勝負師の巽が見たいよ!!!
または
商社マンの俺を先導する敏腕(どころか豪腕)な謎の海外駐在日本人エージェントの風早さんもいい。
この風早さんという男は個人で企業からの依頼を請け負っていて、主業務は車の運転やら現地語の通訳、簡単な事務なんだけど
それだけでは物足りないのか俺に営業先の情報を持ってきては耳打ちするんだよ。
「これは全て噂程度のことですが、貴方ならどうします?」って。
何を決定しても全ての責任は俺に降りかかるだけだから、彼は俺を弄んで試している。
しかし無視するわけにはいかない。情報が具体的すぎる。
そう思って決断すれば、彼は無邪気に笑って車を猛スピードで飛ばすんだよ。
俺が後部座席で揉みくちゃにされながら「危ないだろ!」って叫んだら
「これから危ない場所に乗り込むのに、まだ事故の心配などされているのですか?」って嘲笑して、さらにアクセルを加速させる。
「同じ船に乗った今、貴方が何を言おうが降ろしませんからな」口角を吊り上げて楽しそうに言う。
『こりゃ大変なエージェントにあたったもんだ』途方に暮れつつも、中折れ帽を押さえながら口端に笑みを浮かべる男はいますね
向かうところ敵なし!
な日本国の商社マンで、考える前に行動しろという社訓を背に、契約という名の賭けを世界で繰り広げる。そんな勝負師の巽が見たいよ!!!
または
商社マンの俺を先導する敏腕(どころか豪腕)な謎の海外駐在日本人エージェントの風早さんもいい。
この風早さんという男は個人で企業からの依頼を請け負っていて、主業務は車の運転やら現地語の通訳、簡単な事務なんだけど
それだけでは物足りないのか俺に営業先の情報を持ってきては耳打ちするんだよ。
「これは全て噂程度のことですが、貴方ならどうします?」って。
何を決定しても全ての責任は俺に降りかかるだけだから、彼は俺を弄んで試している。
しかし無視するわけにはいかない。情報が具体的すぎる。
そう思って決断すれば、彼は無邪気に笑って車を猛スピードで飛ばすんだよ。
俺が後部座席で揉みくちゃにされながら「危ないだろ!」って叫んだら
「これから危ない場所に乗り込むのに、まだ事故の心配などされているのですか?」って嘲笑して、さらにアクセルを加速させる。
「同じ船に乗った今、貴方が何を言おうが降ろしませんからな」口角を吊り上げて楽しそうに言う。
『こりゃ大変なエージェントにあたったもんだ』途方に暮れつつも、中折れ帽を押さえながら口端に笑みを浮かべる男はいますね
「忙しいときほど朝食は時間をかけて、慎ましく食べなくてはいけません」そう、俺に教え込んだ割には、忙しくない時でもまるで獣のようにガツガツと昼食を平らげてしまうんだな(俺P軸)
お互いに別れがせまってるの分かってても、巽はテキトーになったりしないで 出会った頃より少しお洒落になった私服でデートに来るし、これが最後のデートになるだろうって時に、とびきり綺麗なコートとか着てきたら泣いてしまう。
巽さんの仕草とかよく覚えてて
例えば ローテーブルの周りキョロキョロしてたらティッシュ欲しいんだろうなとか
片足に体重を乗せてたら寒くて足が疼くんだろうなとか
そういうのが出る度に無意識で応えてたら(ティッシュ渡したり毛布渡したり)
ある日
「俺のことを知り尽くされているようでなんだか落ち着きませんな」
と冗談っぽく言われて、そういえばまだ出会って2ヶ月くらいしか経ってないということに気づき、自身がきもすぎて激落ち込み君になる未来(俺P軸)
例えば ローテーブルの周りキョロキョロしてたらティッシュ欲しいんだろうなとか
片足に体重を乗せてたら寒くて足が疼くんだろうなとか
そういうのが出る度に無意識で応えてたら(ティッシュ渡したり毛布渡したり)
ある日
「俺のことを知り尽くされているようでなんだか落ち着きませんな」
と冗談っぽく言われて、そういえばまだ出会って2ヶ月くらいしか経ってないということに気づき、自身がきもすぎて激落ち込み君になる未来(俺P軸)
巽の秋、周りと交流があって心豊かに過ごしてるようで泣けてくる
要がアルミホイルに巻いた芋を電子レンジに入れちゃって、危うく大惨事なるとこだったのを偶々巽が見つけて止め、流れで落ち葉で焼き芋を作ることになった回
#微妙な妄想
要がアルミホイルに巻いた芋を電子レンジに入れちゃって、危うく大惨事なるとこだったのを偶々巽が見つけて止め、流れで落ち葉で焼き芋を作ることになった回
#微妙な妄想
ローズガーデン
俺は風早公爵家の庭師であり、日々木々の剪定に花の手入れ等を生業として暮らしている。
ある日、苗ポットから花壇に植え替える作業をしていると後ろから
「精が出ますな」
との声が。振り返ると公爵家嫡男の風早巽様が、春の陽気に目を細め、俺の作業を興味深げに見つめているではないか。
「どうしたのですか、こんな所で」
などと俺が礼儀知らずにも尋ねれば、巽様は笑って
「すみません、貴方に少しお尋ねしたいことがありまして」
と屈みなさる。
「それはどういったご要件で」
しゃがんでいた俺は慌てて膝を折り、その場に正座の形を取った。
巽様は困ったように「まぁまぁ」と立ち上がるよう促して、自身も立ち上がる。
「この先にイングリッシュガーデンがあるでしょう?」
「はい」
「あれは俺が世話をしている庭で、たしか普段は立ち入りを控えるよう言われているそうですな」
「はい」
俺が相槌を返す度、彼の緊張は高まっていくような気がした。
少し言い淀んで、
「俺はこの頃、そのガーデンを王家主催の品評会に出そうと思っています」
真面目な顔に照れを滲ませながら瞳を真っ直ぐに
「それで、貴方に俺のガーデンを見て欲しいんです。」
俺の方は、何だそんなことかと腑抜けた笑みを零しそうになったが、思春期らしい澄んだ瞳を前に、ぐっと口元を引き締める。
巽様はそれほど話したこともない俺を相手に並ではない心持ちで真剣に教えを請うているのだ。
そうなると俺もそれに相応しい態度で応えなくてはいけない。
俺は一つ頷いて
「見ましょう」
と如何にも玄人らしい態度を取ってみせた。それは自分でも偉そうで可笑しかったが、当の巽様は愁眉を開き、胸いっぱいに空気を吸い込んで
「はい!」
と元気よく返事をした。
庭へ行くと見事な薔薇が所々に美しく咲き誇っていた。
入り口ではクィーンエリザベスの濃桃色が華々しく客人を迎い入れ、ファンタンラトゥールがお辞儀する。
ティーテーブルの傍らには優しい色合いのモダンシュラブとイングリッシュローズが幾重にも花弁を束ね、来客を包み込む。
そして、ふと下に視線を落とすと立派なレッドデビルが妖艶な影を潜め、こちらをじっと狙っていた。
俺は感嘆した。驚嘆して詠嘆した。
彼は恥ずかしそうにはにかみながら、それでもどこか誇らしげに自身のローズガーデンに向き合っていた。
それからしばらく。巽様は王家主催のローズガーデンの大会で最優秀賞を修めた。名前を呼ばれ表彰台に上がる。
民衆の前に立ち、綻ぶお顔は灼けたアシュラムのように輝いていた。
ローズガーデン編(終)
〈〈前の話 次の話〉〉
ページTOP
俺は風早公爵家の庭師であり、日々木々の剪定に花の手入れ等を生業として暮らしている。
ある日、苗ポットから花壇に植え替える作業をしていると後ろから
「精が出ますな」
との声が。振り返ると公爵家嫡男の風早巽様が、春の陽気に目を細め、俺の作業を興味深げに見つめているではないか。
「どうしたのですか、こんな所で」
などと俺が礼儀知らずにも尋ねれば、巽様は笑って
「すみません、貴方に少しお尋ねしたいことがありまして」
と屈みなさる。
「それはどういったご要件で」
しゃがんでいた俺は慌てて膝を折り、その場に正座の形を取った。
巽様は困ったように「まぁまぁ」と立ち上がるよう促して、自身も立ち上がる。
「この先にイングリッシュガーデンがあるでしょう?」
「はい」
「あれは俺が世話をしている庭で、たしか普段は立ち入りを控えるよう言われているそうですな」
「はい」
俺が相槌を返す度、彼の緊張は高まっていくような気がした。
少し言い淀んで、
「俺はこの頃、そのガーデンを王家主催の品評会に出そうと思っています」
真面目な顔に照れを滲ませながら瞳を真っ直ぐに
「それで、貴方に俺のガーデンを見て欲しいんです。」
俺の方は、何だそんなことかと腑抜けた笑みを零しそうになったが、思春期らしい澄んだ瞳を前に、ぐっと口元を引き締める。
巽様はそれほど話したこともない俺を相手に並ではない心持ちで真剣に教えを請うているのだ。
そうなると俺もそれに相応しい態度で応えなくてはいけない。
俺は一つ頷いて
「見ましょう」
と如何にも玄人らしい態度を取ってみせた。それは自分でも偉そうで可笑しかったが、当の巽様は愁眉を開き、胸いっぱいに空気を吸い込んで
「はい!」
と元気よく返事をした。
庭へ行くと見事な薔薇が所々に美しく咲き誇っていた。
入り口ではクィーンエリザベスの濃桃色が華々しく客人を迎い入れ、ファンタンラトゥールがお辞儀する。
ティーテーブルの傍らには優しい色合いのモダンシュラブとイングリッシュローズが幾重にも花弁を束ね、来客を包み込む。
そして、ふと下に視線を落とすと立派なレッドデビルが妖艶な影を潜め、こちらをじっと狙っていた。
俺は感嘆した。驚嘆して詠嘆した。
彼は恥ずかしそうにはにかみながら、それでもどこか誇らしげに自身のローズガーデンに向き合っていた。
それからしばらく。巽様は王家主催のローズガーデンの大会で最優秀賞を修めた。名前を呼ばれ表彰台に上がる。
民衆の前に立ち、綻ぶお顔は灼けたアシュラムのように輝いていた。
ローズガーデン編(終)
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「全ての物体は表面から放射エネルギーを出しており、その強さは表面温度の4乗に比例する(ステファン・ボルツマンの法則)。体重60kgの日本の成人男性の場合、それは約7000ベクレルになる。そして、人体をすべてエネルギーに変換できるとすれば5.4EJ程になる。つまり、僕はそれだけのエネルギーを君から受けていて、同時に与えてもいる。だからこんなに温かいんだね」つってHする俺巽小説
#微妙な妄想
#微妙な妄想
巽が巨大化したら巽は自分の持つ破壊的な力に絶望し、俯きながら海に還るんじゃないか。もう何も傷つけないでいいように体育座りをして海底で眠りこけ、自分が消えゆくまで目を瞑り孤独に耐え忍ぶ。人間の世界では戦争や災害が度々起こり巽の目を覚まそうとしてくるけど。巽はグッと堪え、その都度まぶたに力を込めるんだ。そして外が静かになった時、再び目を覚まして水平線上を見渡す。辺り一帯苔生した世紀末。核兵器で全てが滅んだんだと賢い巽は直感するんだ。自分がいてもいなくても世界は滅びる運命だったんだと哀しい気持ちになりながらも傷ついた地球を優しく癒やしてあげる。それから一抹の希望をもってしてもう一度水平線上を見渡す。すると砂漠化した地上に細い川が流れてるのを見つけた。巽は指先でそこを何遍も何遍も掘り、大河が流れるようにした天照大御巽(アマテラスオオタツミ)だわ
#微妙な妄想
#微妙な妄想
僕は巽の妊娠中のいかような無理難題にも応えたいと思っている例えば、夜おそくどこのスーパーも閉まっているような時間帯に「柿のスープが食べたい」と言い出し、それが一体なんなのか見当がつかなかったとしても僕は車のキーを握ってコンビニエンスストアに乗り出すよ。ある時は銀杏のケーキで、またある時は鰻のひつまぶし。つわりが酷くて中々思うように物を食べられなくなった君に少しでも食の喜びを思い出して欲しくて。所望の品を卓に並べた際の君の笑顔は何物にも勝る輝きを放っていて僕は自分が誇らしくなる。少し手を付けて、やっぱり食べられないってなっても僕は君が大好きだよ
#微妙な妄想
#微妙な妄想
宗教勧誘をする役に抜擢されても断って欲しい。家(の教会)にそういうイメージがついたら困りますからって。んで断った後、世間が宗教に持ってるイメージについてまた考えることになる。一般家庭を訪問して勧誘するところもあるけれど全部がそうじゃないけれど世間はそういった偏見を宗教全体に持っていて、根付いたものは中々変えるのは難しい。手に届かない範囲の事はまだ自分たち(宗教家)のことを冷たい目で睨んでいるんじゃないかと悪い想像ばっかしてしまうってとこまで想像した
#微妙な妄想
#微妙な妄想
キスハ感想
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·ゆるゆると手を振りながら貴族のような足取りで捌けていき最後に会釈をくれます
·カッコいい顔で◇作った後にニコって微笑むの反則
·手の甲に顎を乗せて考えるポーズからの目を伏せる
·喜んでる藍良くんと顔見合わせながら小さなガッツポーズ 清楚な女子高生みたい うちのクラスにいたよ?
·頭上のチャカをニコニコでヒラヒラさせてからこちらに構える
·バタンきゅーのポーズが光あれとか神を仰ぐポーズに見えてしまうのなに笑
·おててひらひら可愛い
·俺は図体がでかいので右も左もありませんが巽が言うなら右に寄りましょう(PC前鑑賞)
·なんだ最後の一撃
·可愛らしかった…?一生懸命…?
っぐはぁ゛!!!!!!!!!!!しぬ!お返し?!?
·所作がいちいち騎士紳士
·不死鳥
·フィギュアスケーターの着地ようなステップ
·やっぱり私がメス化するには彼は可憐すぎる。俺になるしかない
·アイドルやってる時の30℃眉愛おしい。これの三角定規使って義務教育終えたかった
·やっぱりお尻でかいよね?
·裾いれるん好き
·距離遠くてもニコニコしてるのが伝わる
·曲始まる直前まで目を閉じてタイミングに集中してるところ好き
·一題目 巽とひめるそんな離れてなくないか?と思ったけど間奏の所から明らかに距離空き出して流石に草
みんなが言ってたのこれか
·ウッキウキで飛び跳ねるの可愛すぎる 幼女
·しゃがんで両お手振りは保母さんなんよ
·最後の決めポーズ!!!それサニトリで見たよ!!!こん時からやってたんか!!!!持ちネタか!そうやったんかあ
·笑うとお口おっきいの可愛い
·んっふの音圧割と大きいの好き
·カッコいい顔で◇作った後にニコって微笑むの反則
·手の甲に顎を乗せて考えるポーズからの目を伏せる
·喜んでる藍良くんと顔見合わせながら小さなガッツポーズ 清楚な女子高生みたい うちのクラスにいたよ?
·頭上のチャカをニコニコでヒラヒラさせてからこちらに構える
·バタンきゅーのポーズが光あれとか神を仰ぐポーズに見えてしまうのなに笑
·おててひらひら可愛い
·俺は図体がでかいので右も左もありませんが巽が言うなら右に寄りましょう(PC前鑑賞)
·なんだ最後の一撃
·可愛らしかった…?一生懸命…?
っぐはぁ゛!!!!!!!!!!!しぬ!お返し?!?
·所作がいちいち騎士紳士
·不死鳥
·フィギュアスケーターの着地ようなステップ
·やっぱり私がメス化するには彼は可憐すぎる。俺になるしかない
·アイドルやってる時の30℃眉愛おしい。これの三角定規使って義務教育終えたかった
·やっぱりお尻でかいよね?
·裾いれるん好き
·距離遠くてもニコニコしてるのが伝わる
·曲始まる直前まで目を閉じてタイミングに集中してるところ好き
·一題目 巽とひめるそんな離れてなくないか?と思ったけど間奏の所から明らかに距離空き出して流石に草
みんなが言ってたのこれか
·ウッキウキで飛び跳ねるの可愛すぎる 幼女
·しゃがんで両お手振りは保母さんなんよ
·最後の決めポーズ!!!それサニトリで見たよ!!!こん時からやってたんか!!!!持ちネタか!そうやったんかあ
·笑うとお口おっきいの可愛い
·んっふの音圧割と大きいの好き
巽って恋愛メディアにおいてあんま主人公のイメージないな。どっちかというと当て馬。王子系生徒、爽やかリーマン然り、最初こそヒロインからの好感度がバカ高いにしても後半で主人公に持ってかれてしまう役回りが似合う
巻き込みに関しては本気出せば頭一つ出ると思ってるので
内輪差でビル削る
内輪差でビル削る
雑多






畳む






畳む
#解釈
「0明学園のことは忘れてしまいなさい」つうのはつまるところ「0明学園にもう関わるな」ってことなんだろうけど、これは巽さんの人柄かな
新入生を囲い込んで仲間を増やせば勝率は上がりそうなものを、そうはせず逃がすというのは目的が0明を壊すことではなかったからだったと思う。巽さんは皆が平等公平に夢を叶えられる(アイドルになれる)土壌を作ろうとしたのであり、究極は個人の幸せを願っている。
カタコンベへの誘導があった辺り協力者がいらないと言えば嘘になるんだろうけど、無理に誘うことなく0明を去るよう勧めたのは、革命によって少なからず失うものがあることを知っていたから。自分の野心のために他人の未来を奪って利用するようなことはしたくなかった。
「絶対変えられる」という確信が持てなかったのかもしれない。革命が失敗した場合、自分ひとりで巻き込んだ者達の未来を背負えるかと言われれば実際不可能。
だから、有志を募り「賛同する者は」自分の会社に、そうでない者には諸々の退学手続きを代行していたんじゃないか?
入学式のスピーチについて
「0明学園のことは忘れてしまいなさい」つうのはつまるところ「0明学園にもう関わるな」ってことなんだろうけど、これは巽さんの人柄かな
新入生を囲い込んで仲間を増やせば勝率は上がりそうなものを、そうはせず逃がすというのは目的が0明を壊すことではなかったからだったと思う。巽さんは皆が平等公平に夢を叶えられる(アイドルになれる)土壌を作ろうとしたのであり、究極は個人の幸せを願っている。
カタコンベへの誘導があった辺り協力者がいらないと言えば嘘になるんだろうけど、無理に誘うことなく0明を去るよう勧めたのは、革命によって少なからず失うものがあることを知っていたから。自分の野心のために他人の未来を奪って利用するようなことはしたくなかった。
「絶対変えられる」という確信が持てなかったのかもしれない。革命が失敗した場合、自分ひとりで巻き込んだ者達の未来を背負えるかと言われれば実際不可能。
だから、有志を募り「賛同する者は」自分の会社に、そうでない者には諸々の退学手続きを代行していたんじゃないか?
近所のローソンTRICK with TREAT!!流れてた
巽さんと読書の秋したい
推理小説なんかを秋の夜長に読み耽って、お互い静な時間を過ごし、面白かったものがあれば交換こしたりしたい
そして本を渡す時に、巽さんは少し悪戯っぽい笑みをするんだよね 俺はそれでどんな本なんだろうとドキドキするんだ
それがたまに悪趣味なものだったりするから、俺はお返しに次の読書会で大人な内容のものを勧めてやるんだ
すると読んでる最中、巽さんが片眉を下げ『やったな?』みたいな顔でこっちを見てくる
それに俺はずるい顔で返すもんだから、彼は口元だけでくすっと笑い本に視線を戻すんだ
推理小説なんかを秋の夜長に読み耽って、お互い静な時間を過ごし、面白かったものがあれば交換こしたりしたい
そして本を渡す時に、巽さんは少し悪戯っぽい笑みをするんだよね 俺はそれでどんな本なんだろうとドキドキするんだ
それがたまに悪趣味なものだったりするから、俺はお返しに次の読書会で大人な内容のものを勧めてやるんだ
すると読んでる最中、巽さんが片眉を下げ『やったな?』みたいな顔でこっちを見てくる
それに俺はずるい顔で返すもんだから、彼は口元だけでくすっと笑い本に視線を戻すんだ
2024年9月 この範囲を古い順で読む
すぐ死ぬマンボウと風早巽の掛け合い
マンボウ「……」
巽 「……」
--DED--
死因: 神聖なオーラに当てられて
すぐ死ぬマンボウと風早巽の掛け合い2
巽 「どうしてすぐに死んでしまうのでしょうか?」
マンボウ「……」
--DED--
死因: それは地雷
すぐ死ぬマンボウと風早巽の掛け合い3
巽 「……素敵な唇ですな」
マンボウ「……」
--DED--
死因: 気にしてるのに
巽「はぁ、今回もだめでしたか…」
「これもいけませんか…」
「ふむ……」
最初はそれなりにショック受けてたのに、どんどん作業の如く淡々と試すようになって最終的に攻略ゲーになってくれると気持ちいい#微妙な妄想
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マンボウ「……」
巽 「……」
--DED--
死因: 神聖なオーラに当てられて
すぐ死ぬマンボウと風早巽の掛け合い2
巽 「どうしてすぐに死んでしまうのでしょうか?」
マンボウ「……」
--DED--
死因: それは地雷
すぐ死ぬマンボウと風早巽の掛け合い3
巽 「……素敵な唇ですな」
マンボウ「……」
--DED--
死因: 気にしてるのに
巽「はぁ、今回もだめでしたか…」
「これもいけませんか…」
「ふむ……」
最初はそれなりにショック受けてたのに、どんどん作業の如く淡々と試すようになって最終的に攻略ゲーになってくれると気持ちいい
お風呂はいってる時
シャンプーの泡でふざけてスネ夫にしたりカオナシしたりして笑ってたら、巽が泡で自分の髪まとめて短髪風にして
「いずれ、またこんな風に髪を短く切ろうと思うのですが、俺さんはどう思われますか?」
と尋ねてきて、それが巽さん(未来の姿)の面影に重なり言葉を失い泣いてしまう(俺P軸)
シャンプーの泡でふざけてスネ夫にしたりカオナシしたりして笑ってたら、巽が泡で自分の髪まとめて短髪風にして
「いずれ、またこんな風に髪を短く切ろうと思うのですが、俺さんはどう思われますか?」
と尋ねてきて、それが巽さん(未来の姿)の面影に重なり言葉を失い泣いてしまう(俺P軸)
茶葉何回も使うタイプだったらどうしよう。部屋干しとかされたら笑っちゃうな。
同棲先のアパートが新築で最初木の匂いしてたのに日に日に茶葉の匂いが濃くなってきて、雨の日とか特にきついんだよ。
俺が「おー今日はちょっとお茶の匂いが濃いな〜」とか言って、チラつかせたら「確かに…雨の日は少しきついかもしれませんな」つって。
巽も流石にか、じゃあついに?と思ってたら、雨の多い週はフレーバーティーになったというオチ
#微妙な妄想
同棲先のアパートが新築で最初木の匂いしてたのに日に日に茶葉の匂いが濃くなってきて、雨の日とか特にきついんだよ。
俺が「おー今日はちょっとお茶の匂いが濃いな〜」とか言って、チラつかせたら「確かに…雨の日は少しきついかもしれませんな」つって。
巽も流石にか、じゃあついに?と思ってたら、雨の多い週はフレーバーティーになったというオチ
#微妙な妄想
俺が巽さんに4体埋め頼んでも自首して悔い改めることを熱心に説得されるだけなので俺一人で埋めに行く
車に積んでたらエンジン音で起きてきた巽さんが
(家で後始末をするな)
こんな夜中にどうしたのかと聞きつつ、重そうだから手伝うと寄ってくるのをガンギマリの目で牽制する回
または邪の気配を感じ取った巽さんにジリジリと詰め寄られキャンキャン吠える回
#微妙な妄想
車に積んでたらエンジン音で起きてきた巽さんが
(家で後始末をするな)
こんな夜中にどうしたのかと聞きつつ、重そうだから手伝うと寄ってくるのをガンギマリの目で牽制する回
または邪の気配を感じ取った巽さんにジリジリと詰め寄られキャンキャン吠える回
#微妙な妄想
私が巽さんの小学校からの同級生になっても、きっとマジで友達だとしか思ってもらえない。
巽さんは小中と同性の友達がいない代わりに異性の友達が多いタイプだろうから私もそのうちの一人にしかなれなくて
小学校低学年の時から片思いして毎年バレンタイン渡したとしても、恋愛感情を感覚的に分からない巽君は良質なハンカチにメッセージカード付けて
「バレンタインは素敵なプレゼントをありがとうございました。これは俺からのお返しです」って律儀に返してくる。
でも、どう見てもそこには“お返し”以上の意味は含まれていなくて。あくまでもそれが礼儀だからそうしてるって感じ。
今年も脈ナシを実感する。
『いっそのことお返しとかいらないから黙ってもらっといてくれよ。虚しいわ』
ある日取り巻きの女子達が全員たまたま別の用事でいなくて、巽君と2人で帰れた。
グループの中では影薄めな私。別れが近くなり勇気を出して「うち近くなんだけど…ちょっと寄ってかない?」なんて言ってみるも
「寄り道はするなと日頃から厳しく言われているもので、すみません」としっかり断られる。
巽君は私の方を振り返ることなく真っ直ぐお家へ帰っていきましたとさ
夕闇に消えていく巽君の背中をいつまでも見送り続ける
巽さんは小中と同性の友達がいない代わりに異性の友達が多いタイプだろうから私もそのうちの一人にしかなれなくて
小学校低学年の時から片思いして毎年バレンタイン渡したとしても、恋愛感情を感覚的に分からない巽君は良質なハンカチにメッセージカード付けて
「バレンタインは素敵なプレゼントをありがとうございました。これは俺からのお返しです」って律儀に返してくる。
でも、どう見てもそこには“お返し”以上の意味は含まれていなくて。あくまでもそれが礼儀だからそうしてるって感じ。
今年も脈ナシを実感する。
『いっそのことお返しとかいらないから黙ってもらっといてくれよ。虚しいわ』
ある日取り巻きの女子達が全員たまたま別の用事でいなくて、巽君と2人で帰れた。
グループの中では影薄めな私。別れが近くなり勇気を出して「うち近くなんだけど…ちょっと寄ってかない?」なんて言ってみるも
「寄り道はするなと日頃から厳しく言われているもので、すみません」としっかり断られる。
巽君は私の方を振り返ることなく真っ直ぐお家へ帰っていきましたとさ
夕闇に消えていく巽君の背中をいつまでも見送り続ける
巽さんのマイカー購入検討に付き合う俺
巽さんに色々アドバイスしてると
「俺より若いのに詳しいですな、誰かの影響ですか?」
と聞かれるので
「父が車好きで」とか言う(俺P軸)
オプションについて真剣に悩む巽さん可愛かったなあ。
最初は中古車にしたほうが良いとか考えてたみたいだったけど
当時の巽さんやっぱり20とかだから新車欲しくなっちゃって
色んなカタログ雑誌漁ってた俺の顔を見るたび嬉しそうに駆け寄ってきて「これなんてどうでしょう!?」なんて。
俺はアイドルプロデューサーなんだけどな笑 なんて
絶対乗せるから!的なニュアンスのことを毎回言ってて、実際納車した際は俺とメンバーを乗せてドライブに連れて行ってくれた
免許とりたてとかじゃないから事故の心配は、…しないわけじゃなかったけど。
最初に乗せる人については目茶苦茶考えてくれてたらしくて、俺かメンバーか、結局どっちも乗せればええやん!ってなったの巽さんらしくて笑っちゃった。
そうだよな〜(メンバーと同等に考えてくれてることに幸せのため息をつきたい)
巽さんに色々アドバイスしてると
「俺より若いのに詳しいですな、誰かの影響ですか?」
と聞かれるので
「父が車好きで」とか言う(俺P軸)
オプションについて真剣に悩む巽さん可愛かったなあ。
最初は中古車にしたほうが良いとか考えてたみたいだったけど
当時の巽さんやっぱり20とかだから新車欲しくなっちゃって
色んなカタログ雑誌漁ってた俺の顔を見るたび嬉しそうに駆け寄ってきて「これなんてどうでしょう!?」なんて。
俺はアイドルプロデューサーなんだけどな笑 なんて
絶対乗せるから!的なニュアンスのことを毎回言ってて、実際納車した際は俺とメンバーを乗せてドライブに連れて行ってくれた
免許とりたてとかじゃないから事故の心配は、…しないわけじゃなかったけど。
最初に乗せる人については目茶苦茶考えてくれてたらしくて、俺かメンバーか、結局どっちも乗せればええやん!ってなったの巽さんらしくて笑っちゃった。
そうだよな〜(メンバーと同等に考えてくれてることに幸せのため息をつきたい)
ハッピーチャームの巽さんが担当するのってコーヒーカップとかウェーブスウィンガーだと思うんだけど、あえてタワー系アトラクションのアナウンス係に任命
「シートベルトはきつく締めて云々 お荷物は足元に云々」いい声で説明受けてた所「それではいってらっしゃい♪」で
ガクッンッ とアトラクションが動いて絶叫、ニコニコとサンバイザー越しに客を見守る巽
「シートベルトはきつく締めて云々 お荷物は足元に云々」いい声で説明受けてた所「それではいってらっしゃい♪」で
ガクッンッ とアトラクションが動いて絶叫、ニコニコとサンバイザー越しに客を見守る巽
初めてのH、巽さんと深くキスをするだけで涙ぐんで。体を触る手つきがあまりにも丁寧で大切そうに噛み締めて触るから触診みたいだと笑われて。挿入の際にはついに嗚咽混じりに泣き出して。彼の腹部に倒れ込んで、挿入れたまま「どうされたのですか」って慰められた。(俺P軸)
郵便局のぽすくまアニメ「かわいい手紙」を見て制作陣に同族嫌悪を覚える今日この頃
風早のことが好きなのに妥協で恋人作った俺に対して「俺にばっかりかまけていてはいけませんよ。恋人のことを大切にして差し上げるべきですな」とか言われる。鬱
そんで勢いで告白しても困った顔するんだろ…愁眉を寄せさせてしまうくらいならしない半端な気持ちで恋人作るなよという話なんですが
#微妙な妄想
そんで勢いで告白しても困った顔するんだろ…愁眉を寄せさせてしまうくらいならしない半端な気持ちで恋人作るなよという話なんですが
#微妙な妄想
教会のベンチに巽さんが礼拝の時に着てる服がかけられてるのを見つけるショタ俺
ちょっとした好奇心でそれを着てみると、巽さんに少し近づけた気がして、この姿を巽さんにも見てもらいたくなった。
教会の敷地を駆け回り、巽さんをやっとこさ見つけた。
『きっといつものように微笑んでくれる』
巽さんの輝く笑顔が、俺が着てる衣装を捉えた瞬間フッと消えた。代わりに少し険しいような哀しいような表情になって
「それはおふざけで着ていいものではありません。その衣装は(カソックを着る意味を述べる)です。分かったら着替えてきなさい。」と本気で叱った。
泣きながら着替えた後、衣装をベンチに戻し腰掛ける。しばらくすると巽さんが2人分の飲み物を持って現れて隣に腰掛ける。
動揺して咄嗟に強い物言いをしてしまったことを詫び、自分も昔全く同じ経験をしたと教えてくれる。「俺達は似た者同士ですな」と照れ笑い。
ちょっとした好奇心でそれを着てみると、巽さんに少し近づけた気がして、この姿を巽さんにも見てもらいたくなった。
教会の敷地を駆け回り、巽さんをやっとこさ見つけた。
『きっといつものように微笑んでくれる』
巽さんの輝く笑顔が、俺が着てる衣装を捉えた瞬間フッと消えた。代わりに少し険しいような哀しいような表情になって
「それはおふざけで着ていいものではありません。その衣装は(カソックを着る意味を述べる)です。分かったら着替えてきなさい。」と本気で叱った。
泣きながら着替えた後、衣装をベンチに戻し腰掛ける。しばらくすると巽さんが2人分の飲み物を持って現れて隣に腰掛ける。
動揺して咄嗟に強い物言いをしてしまったことを詫び、自分も昔全く同じ経験をしたと教えてくれる。「俺達は似た者同士ですな」と照れ笑い。
風呂から中々上がってこないから心配になって見に行ったら湯船に浮かんでた限界風早巽
#微妙な妄想
#微妙な妄想
いつでもフラットに落ち着いて人と接することができる男、風早巽
玲明の制度を変えたいと意気込んでいて、自身を奮い立たせるために「かくあるべき」姿を自己暗示にかけた。その結果、視野狭窄に陥り「公正平等」に執着するようになった。
#解釈
#解釈
巽自身が服従が美徳とされる環境に育っていて(父権的?)その反発から玲明で革命を起こそうとした可能性
##微妙な妄想
##微妙な妄想
#解釈
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ホリハロ
彼女一人のためのライブというのも考えてたんだろうけど、そこは元トップアイドルとして観に来てくれた「他のお客さん」のことも大切にしたいというのが本音なんだろうか。そこが風早巽のアイドルとしてあるべき姿の一つ、大事にしてる所なんかな。
それと多分メンバーのファンのことも想ってくれてる。メンバーが輝けるようテーマも個人と全体の妥協点を取って。みんなでライブを完成させる。っていうのが今の巽のアイドルとしてのあり方なんだね。素敵だよ
SS
ヒイロに電話を聞かれたあと「巽先輩は正しいことをするって信じてる」的なことを言われて動揺してた
そう思うと、ホリハロのヒイロがリーダーとして巽の支えになろうとしてくれたことがとても有難く効いてくる。もう全部背負わなくてもいいんだよ。悩まないで、頼ってって。まっすぐ伝えてくれた。
ありがとう…ありがとう
ファンを新しい世界につれていきたい。根本的に巽さんは歌うのが好き。死して尚まだ歌おうとしたんだから。
巽さんは歌に救われたから歌でみんなを救おうとしているのか
彼女一人のためのライブというのも考えてたんだろうけど、そこは元トップアイドルとして観に来てくれた「他のお客さん」のことも大切にしたいというのが本音なんだろうか。そこが風早巽のアイドルとしてあるべき姿の一つ、大事にしてる所なんかな。
それと多分メンバーのファンのことも想ってくれてる。メンバーが輝けるようテーマも個人と全体の妥協点を取って。みんなでライブを完成させる。っていうのが今の巽のアイドルとしてのあり方なんだね。素敵だよ
SS
ヒイロに電話を聞かれたあと「巽先輩は正しいことをするって信じてる」的なことを言われて動揺してた
そう思うと、ホリハロのヒイロがリーダーとして巽の支えになろうとしてくれたことがとても有難く効いてくる。もう全部背負わなくてもいいんだよ。悩まないで、頼ってって。まっすぐ伝えてくれた。
ありがとう…ありがとう
ファンを新しい世界につれていきたい。根本的に巽さんは歌うのが好き。死して尚まだ歌おうとしたんだから。
巽さんは歌に救われたから歌でみんなを救おうとしているのか
スカウト!ハッピーチャームで巽が手当するシーン。空いてるわけないでしょ(笑)みたいにボケを一蹴しないのがいいよね。
俺もこうやってよく手当してもらった。
「頭割れた〜(泣)」
「ふむ、どれどれ………あぁ、安心してください。割れてはいませんよ。たんこぶはできていますけど」
俺もこうやってよく手当してもらった。
「頭割れた〜(泣)」
「ふむ、どれどれ………あぁ、安心してください。割れてはいませんよ。たんこぶはできていますけど」
巽は仕事関係だとしっかり自前予習とかしてそう。大変じゃないかとか聞いても「いえ、これは好きでやってることなので。知見が広がって楽しいですよ」とかしか言わないんだろうな
18時薔薇園で
毎年のように子供ができては風早教会に預けに来る貧乏なキリシタン夫婦。ある時、子供が里子に出した先で死んでしまい、心苦しく思うも報告する。すると母親は「これであの子も天使になって天国へ行った」と平気な顔で言い放った。巽はカッとなって平手打ちをかましてしまう
#微妙な妄想
#微妙な妄想
2024年8月 この範囲を古い順で読む
#解釈
▣生い立ち
「自分の頭で考える」といったことを制限されてきたような面が見られる。人から望まれるものは与え、しかし自分が何を欲しているのかはわからない。主がそういうのだから行動し正しくあるのが当たり前。おそらく人生の大半は求められる像を演じていたのでは。父権的な家庭環境、というか父親は主に仕える牧師なので家族全員(関係者含め)彼に追従するのが美徳みたいな。それに、両親が教会運営(おそらく孤児院運営も)で忙しくしていただろうから特に構ってもらえるようなこともなかったんじゃないだろうか。ゆえに誰よりも早く大人になった。だから学校でも対等な友達が作れなかった。
巽を育てたのは地域の目だったりもする。
▣父親
幼少期は父親(牧師)への憧れがあったようだ。いつも優しく滅多に怒らない人物だったため神聖な仕事着を戯れに使って怒られたことをよく覚えている。秩序や慣習を重んじる人物だと考察。彼の謙虚さは神への信仰というより幼少期の刷り込み?父親が教徒に示す「あり方」を素直に取り込んでいた時期が彼にもあって、彼の謙虚さの源はそこにあるんじゃないか。「主を磔にしたのは信者自身で神と自分を同一視すれば必ず痛い目を見る」というのを聖書(父親)は説いていて、ゆえに他人から聖人扱いされるのを嫌ってるのかも。
「家族は一度だってアイドル活動している巽を応援してくれなかった(革命時)。」彼の思考が理解できなかったのだろう。不気味で怖い。あんなに素直で真っ直ぐだった一人息子が反抗してきて動揺して、罵りまでしないけど対話を諦めて距離を置くことにしたのかも。対話を重んじる彼にとってそれがどれだけ寂しいことだったか。
しかし、復帰後は特にそんな親子不和な話は出ず、度々手伝いで実家に顔を出している様子が見られるので仲直りしたのかも。実家からいろいろ借りてるし家もESに近い?
▣母親
優しくて穏やか、やや天然。彼の母親に会った人間は彼を母親似と評するだろう。顔だけじゃなく彼のガワの多くは母親由来。笑顔も声の調子も眼差しも。
しかし、一方で彼は与えられる愛というものに鈍感な感じがする。特に無条件の愛には。おそらく彼の実家が孤児院を運営しているところにあるだろう(滅茶滅茶非公式設定)。彼だけに向けられる特別な愛を感じる機会が少なかったんだと思う。あるいは子供らしく甘えたり、親の愛を独占すること自体求めることを許される環境ではなかった。両親ともそれを自覚していたかは定かではないが明らかに彼の性格に影響を及ぼしている。彼が他人に無条件で無尽蔵な愛を注ごうとするのは自分が昔そうされたかったからなのではないだろうか。
巽の生い立ちについて非公式
▣生い立ち
「自分の頭で考える」といったことを制限されてきたような面が見られる。人から望まれるものは与え、しかし自分が何を欲しているのかはわからない。主がそういうのだから行動し正しくあるのが当たり前。おそらく人生の大半は求められる像を演じていたのでは。父権的な家庭環境、というか父親は主に仕える牧師なので家族全員(関係者含め)彼に追従するのが美徳みたいな。それに、両親が教会運営(おそらく孤児院運営も)で忙しくしていただろうから特に構ってもらえるようなこともなかったんじゃないだろうか。ゆえに誰よりも早く大人になった。だから学校でも対等な友達が作れなかった。
巽を育てたのは地域の目だったりもする。
▣父親
幼少期は父親(牧師)への憧れがあったようだ。いつも優しく滅多に怒らない人物だったため神聖な仕事着を戯れに使って怒られたことをよく覚えている。秩序や慣習を重んじる人物だと考察。彼の謙虚さは神への信仰というより幼少期の刷り込み?父親が教徒に示す「あり方」を素直に取り込んでいた時期が彼にもあって、彼の謙虚さの源はそこにあるんじゃないか。「主を磔にしたのは信者自身で神と自分を同一視すれば必ず痛い目を見る」というのを聖書(父親)は説いていて、ゆえに他人から聖人扱いされるのを嫌ってるのかも。
「家族は一度だってアイドル活動している巽を応援してくれなかった(革命時)。」彼の思考が理解できなかったのだろう。不気味で怖い。あんなに素直で真っ直ぐだった一人息子が反抗してきて動揺して、罵りまでしないけど対話を諦めて距離を置くことにしたのかも。対話を重んじる彼にとってそれがどれだけ寂しいことだったか。
しかし、復帰後は特にそんな親子不和な話は出ず、度々手伝いで実家に顔を出している様子が見られるので仲直りしたのかも。実家からいろいろ借りてるし家もESに近い?
▣母親
優しくて穏やか、やや天然。彼の母親に会った人間は彼を母親似と評するだろう。顔だけじゃなく彼のガワの多くは母親由来。笑顔も声の調子も眼差しも。
しかし、一方で彼は与えられる愛というものに鈍感な感じがする。特に無条件の愛には。おそらく彼の実家が孤児院を運営しているところにあるだろう(滅茶滅茶非公式設定)。彼だけに向けられる特別な愛を感じる機会が少なかったんだと思う。あるいは子供らしく甘えたり、親の愛を独占すること自体求めることを許される環境ではなかった。両親ともそれを自覚していたかは定かではないが明らかに彼の性格に影響を及ぼしている。彼が他人に無条件で無尽蔵な愛を注ごうとするのは自分が昔そうされたかったからなのではないだろうか。
#アイドルへモーニングコール#風早巽
7/28モーニングコールの後、風早巽は「髪だけ今乾かしてしまいますね」と言い、電話越しにドライヤーの音が聞こえてきた。その間俺は今朝淹れたコーヒーを啜り、目を閉じて窓から吹き込む柔らかな風を愛でた。あぁ、いい朝だ。
7/29「あふぁ、おはようございます。ぷろでゅーさーさんですか? これは失礼、欠伸なんてみっともないですな。えっと、ご要件は……。なるほど、俺のためにモーニングコールをしてくださったんですな。朝早くからご苦労さまです♪ お陰で良い目覚めとなりました。コーヒーを淹れて来ます。『それなら切ったほうがいいか?』と? いえいえ、このままで大丈夫ですな。プロデューサーさんの時間が許すなら、ですが。俺と朝の雑談に付き合ってくださると嬉しいです。『もちろんです!』ふふ。良い返事が聞けて俺も嬉しいですな。プロデューサーさんと話していると不思議と元気がみなぎってくる気がするので。いえ、決してお世辞などではありませんよ。心から楽しいと思える相手ということですな」
7/31「はい、おはようございます。本日も朝からお疲れ様ですな、プロデューサーさん」電話越しに聞こえる風早巽の声は籠もっていて、俺は思わず『もしかして今お風呂ですか?』と問いかけた。すると『チャポ』。水の音が返ってきた。「そうです。声、聞き取りづらかったらすみません」
巽は朝からシャワーを浴びるだけでなく、湯船にまで浸かっているらしい。流石アイドル。
何も言わないでいると「このまま入っていても問題ありませんか?」と不安気な声色で様子を伺われてしまった。『も、もちろんです!』俺は慌てて頓狂な声を出す。巽は「ははは」軽快な笑い声をたてた。
「何か、良からぬ想像をされたのかと」浴槽に響く涼やかな声。スピーカー越しに聞くと少し湿っぽい。俺はスマホに耳を当てたまま、顔から火を吹き出しそうになった。
「ふふふ。冗談ですな♪」
巽は全て見越したように楽しそうに笑った。
8/2「おはようございます、プロデューサーさん♪今朝もお早いですな」第一声、岸に流れ着いたボトルメールのような静けさで風早巽は電話に出た。俺もつられて声のボリュームを下げる。
「すみません、まだ隣でメンバーが眠っているもので」巽はもう一段ボリュームを下げると
「はい、俺は今沖縄に来ています」さっきの俺の問いかけに丁寧に答えてくれた。
「そうですな。沖縄は本州に比べると暑いのもそうなんですが、何より湿気が多くて。俺なんかは特に汗かきなので、現場を変える度に着替えていますな」巽が自嘲気味に言う後ろで、扉がガチャリと鳴った。同時に巽の声が少し大きくなる。
『今、部屋出ました?』俺が問うと「はい、このすぐ近くに海があるので。プロデュサーさんにもお裾分けを♪」語尾の跳ねた感じの声が返ってくる。海に着くまでの間、俺達は互いに取り留めのない、他愛ないエピソードを語り合った。「ビーチに出たら蟹がいて、見せたい一彩さんと怖がる藍良さんで追っかけっこになった」やら「マヨイさんが年下二人の水着を選ぶ際、その日一番の輝きをみせた」など。巽は話上手で俺はいつも聞き入ってしまう。「着きましたよ」
話が終わらない内に、巽はスマホを耳元から離し海の方へスピーカーを向けた。ザザーッと静かな波の音が鼓膜をくすぐる。「聞こえますか?」心配する巽に『聞こえますよ』と返し、二人でしばらくその静波に心を預けた。
それから30分ほど、電話をつなげたまま巽は砂浜を散歩してくれた。普段忙しくて旅行などには行けない俺へのお裾分けだ。「お土産は何がいいですかな?」ずっと考えているといった風に巽が話題を切り出し、沈黙が下りる。俺が『じゃあ、そこの貝。今、巽さんの目についたやつ。』それだけ言うと、また間が空いた。しばらくして巽が我慢ならないといったように吹き出す。
「それがプロデュサーさんの欲しいものですか?」『そうですよ』「ふふ。分かりました、プロデュサーさんがそう言うなら。……ふむ、これにしましょうか。この"とっておき"をプロデュサーさんへ送りましょう♪」『とっておき?』巽が勿体振った言い方をするので、俺が思わず聞き返すと「はい♪でもそれは帰ってからのお楽しみですな。俺が直接お届けに上がりますので、それまでお待ち下さい♪」悪戯っぽい笑い声が鼓膜をくすぐった。
「Twitter」
#アイドルへモーニングコール#風早巽
返信:プロデュサーさん、おはようございます♪早起きは苦ではありませんが、こうして朝からお話しできるのは嬉しいですな…♪
時間外:ただいま、アイドルはお仕事中です🎤
朝6時~10時にまたチャレンジしてください✨
明日は遅れないよう、アイドルからあなたへモーニングコールをもらおう📞
7/28無言
7/29おはよう
7/30ごめん今起きた💦巽今何してる?
7/31おはよう。今大丈夫だった?
8/1おはよ☀ってもう起きてるか。俺も今日は早く出ないといけなくて。うん、行ってきます
8/2おはよう。もう8月に突入したんだね。そっちは大分暑いのかな。沖縄出張だっけ?熱中症には気を付けて
8/3おはよう。昨日はよく眠れた?
8/4モニコしてくれたのに気づかなくてごめん💦
8/5今日は朝からテストがあるよ。もちろん一夜漬け。受かるかなぁ…
8/6おはよ☀昨日はあのまま寝ちゃってごめん!起きた時まだ電話繋がっててびっくりした
8/7おはよう☀今日は4時起きだったから巽よりは早いかな?え、3時起き?コーヒ豆の調達に?…身体に気をつけてね
8/8おはよう。今日もかわいいね
8/9待ってて
8/10ごめんごめんごめんごめん畳む
幸せな2週間だったな
〈〈前の話 次の話〉〉
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7/28モーニングコールの後、風早巽は「髪だけ今乾かしてしまいますね」と言い、電話越しにドライヤーの音が聞こえてきた。その間俺は今朝淹れたコーヒーを啜り、目を閉じて窓から吹き込む柔らかな風を愛でた。あぁ、いい朝だ。
7/29「あふぁ、おはようございます。ぷろでゅーさーさんですか? これは失礼、欠伸なんてみっともないですな。えっと、ご要件は……。なるほど、俺のためにモーニングコールをしてくださったんですな。朝早くからご苦労さまです♪ お陰で良い目覚めとなりました。コーヒーを淹れて来ます。『それなら切ったほうがいいか?』と? いえいえ、このままで大丈夫ですな。プロデューサーさんの時間が許すなら、ですが。俺と朝の雑談に付き合ってくださると嬉しいです。『もちろんです!』ふふ。良い返事が聞けて俺も嬉しいですな。プロデューサーさんと話していると不思議と元気がみなぎってくる気がするので。いえ、決してお世辞などではありませんよ。心から楽しいと思える相手ということですな」
7/31「はい、おはようございます。本日も朝からお疲れ様ですな、プロデューサーさん」電話越しに聞こえる風早巽の声は籠もっていて、俺は思わず『もしかして今お風呂ですか?』と問いかけた。すると『チャポ』。水の音が返ってきた。「そうです。声、聞き取りづらかったらすみません」
巽は朝からシャワーを浴びるだけでなく、湯船にまで浸かっているらしい。流石アイドル。
何も言わないでいると「このまま入っていても問題ありませんか?」と不安気な声色で様子を伺われてしまった。『も、もちろんです!』俺は慌てて頓狂な声を出す。巽は「ははは」軽快な笑い声をたてた。
「何か、良からぬ想像をされたのかと」浴槽に響く涼やかな声。スピーカー越しに聞くと少し湿っぽい。俺はスマホに耳を当てたまま、顔から火を吹き出しそうになった。
「ふふふ。冗談ですな♪」
巽は全て見越したように楽しそうに笑った。
8/2「おはようございます、プロデューサーさん♪今朝もお早いですな」第一声、岸に流れ着いたボトルメールのような静けさで風早巽は電話に出た。俺もつられて声のボリュームを下げる。
「すみません、まだ隣でメンバーが眠っているもので」巽はもう一段ボリュームを下げると
「はい、俺は今沖縄に来ています」さっきの俺の問いかけに丁寧に答えてくれた。
「そうですな。沖縄は本州に比べると暑いのもそうなんですが、何より湿気が多くて。俺なんかは特に汗かきなので、現場を変える度に着替えていますな」巽が自嘲気味に言う後ろで、扉がガチャリと鳴った。同時に巽の声が少し大きくなる。
『今、部屋出ました?』俺が問うと「はい、このすぐ近くに海があるので。プロデュサーさんにもお裾分けを♪」語尾の跳ねた感じの声が返ってくる。海に着くまでの間、俺達は互いに取り留めのない、他愛ないエピソードを語り合った。「ビーチに出たら蟹がいて、見せたい一彩さんと怖がる藍良さんで追っかけっこになった」やら「マヨイさんが年下二人の水着を選ぶ際、その日一番の輝きをみせた」など。巽は話上手で俺はいつも聞き入ってしまう。「着きましたよ」
話が終わらない内に、巽はスマホを耳元から離し海の方へスピーカーを向けた。ザザーッと静かな波の音が鼓膜をくすぐる。「聞こえますか?」心配する巽に『聞こえますよ』と返し、二人でしばらくその静波に心を預けた。
それから30分ほど、電話をつなげたまま巽は砂浜を散歩してくれた。普段忙しくて旅行などには行けない俺へのお裾分けだ。「お土産は何がいいですかな?」ずっと考えているといった風に巽が話題を切り出し、沈黙が下りる。俺が『じゃあ、そこの貝。今、巽さんの目についたやつ。』それだけ言うと、また間が空いた。しばらくして巽が我慢ならないといったように吹き出す。
「それがプロデュサーさんの欲しいものですか?」『そうですよ』「ふふ。分かりました、プロデュサーさんがそう言うなら。……ふむ、これにしましょうか。この"とっておき"をプロデュサーさんへ送りましょう♪」『とっておき?』巽が勿体振った言い方をするので、俺が思わず聞き返すと「はい♪でもそれは帰ってからのお楽しみですな。俺が直接お届けに上がりますので、それまでお待ち下さい♪」悪戯っぽい笑い声が鼓膜をくすぐった。
「Twitter」
#アイドルへモーニングコール#風早巽
返信:プロデュサーさん、おはようございます♪早起きは苦ではありませんが、こうして朝からお話しできるのは嬉しいですな…♪
時間外:ただいま、アイドルはお仕事中です🎤
朝6時~10時にまたチャレンジしてください✨
明日は遅れないよう、アイドルからあなたへモーニングコールをもらおう📞
7/28無言
7/29おはよう
7/30ごめん今起きた💦巽今何してる?
7/31おはよう。今大丈夫だった?
8/1おはよ☀ってもう起きてるか。俺も今日は早く出ないといけなくて。うん、行ってきます
8/2おはよう。もう8月に突入したんだね。そっちは大分暑いのかな。沖縄出張だっけ?熱中症には気を付けて
8/3おはよう。昨日はよく眠れた?
8/4モニコしてくれたのに気づかなくてごめん💦
8/5今日は朝からテストがあるよ。もちろん一夜漬け。受かるかなぁ…
8/6おはよ☀昨日はあのまま寝ちゃってごめん!起きた時まだ電話繋がっててびっくりした
8/7おはよう☀今日は4時起きだったから巽よりは早いかな?え、3時起き?コーヒ豆の調達に?…身体に気をつけてね
8/8おはよう。今日もかわいいね
8/9待ってて
8/10ごめんごめんごめんごめん畳む
幸せな2週間だったな
〈〈前の話 次の話〉〉
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巽さんに歌のレッスンつけてもらえるとか正直羨ましい
歌の通しの時 途中で止めて
「今のラの音、少し低いですな。ラ、ラ。この音です」って教えてくれるし
中々その音を出せないでいると
「そうですね。舌の位置を意識してみるといいかもしれません。こんな風に。見ていてください」
って今の舌の位置と正しい舌の位置を実演してくれるし、絵も描いてくれる ハーモニカで音とってくれるのも嬉しい
歌の通しの時 途中で止めて
「今のラの音、少し低いですな。ラ、ラ。この音です」って教えてくれるし
中々その音を出せないでいると
「そうですね。舌の位置を意識してみるといいかもしれません。こんな風に。見ていてください」
って今の舌の位置と正しい舌の位置を実演してくれるし、絵も描いてくれる ハーモニカで音とってくれるのも嬉しい
不思議生命体
ある晩のこと、公園にどでかい卵が現れた。それは一見よくある謎のオブジェに見えた。故に人々は誰もそれを気にすることなく、そのまま数日が経過した。しかし、その晩は違った。卵に近づく影があった。
「なんだこれ」
よれたTシャツに擦れたジーンズ。いかにも貧乏そうな、くたびれた若い男が躊躇なく卵に触れた。すると
パカッ
卵の蓋が開き、中から裸の赤ん坊が。赤ん坊は急に視界が明るくなって驚いたのか、みるみるうちに顔を赤らませ、泣き声をあげようとした。男は慌てて赤ん坊を抱き上げる。そのとき背後で懐中電灯が無造作に辺りを照らすのを感じた。
――お巡りだ。男は瞬時に判断し、胸で大人しくしている赤ん坊を取り敢えず家で保護することに決めた。
赤ん坊の世話を始めて約1ヶ月。あの貧弱だった乳児はこの短期間で立派な青年になった(177センチ)。おおよそこの世の生物とは思えない。
たまげる男に生命体は
「俺はドコドコから来た◯◯という生命体で、地球の方からは宇宙人と呼ばれる存在です」
と丁寧に自己紹介し始める。
「俺はここの調査をする職に就いていまして、そのためにまずは地球の習慣を学ぼうと、あの姿になっていたんです。騙すような真似をして申し訳ありません」
生命体の言うことはよく分からなかったが、よく分かった振りをして「そうかそうか」と頷いてみせると、生命体は安堵したようなホッとした表情になって
「あぁ、よかった。俺さんは良い人ですな。安心して頼み事ができます」
『頼み事?』俺の訝しげな態度をよそに生命体は続ける。
「俺と地球をまるっと一周、旅をしてくれませんか?やはり一人では心細くて、俺さんが居てくれたなら、なんと心強いことでしょう」
また訳の分からないことを言い出した。
「俺と?旅?」
「はい」
「いやいや、困るよ」
「おや、何か気になることでもありましたかな? 貴方には職も家族もないでしょうに」
「痛いところをつく」
「すみません、手段は選ばない性でして」
「ゆるふわの見た目のくせに…」
「このほうが何かと都合がいいので…♪」
俺は降参して、この不思議生命体――巽の調査に連れ添うことにした。
日本を始点として北は北極、南は南極。死の谷からジャングルの奥地まで。時には深海に潜ることもあった。俺達はピンチに陥るたび手を取り合って何とか諸々の研究課題をクリアしていった。
南アメリカ大陸、どこかのジャングルにて。巽は襲ってきたワニの大群を全て締め上げてしまってから、一匹の上顎にドカッと座り
「ふぅ、ここまで長い道のりでしたな」
誰に言うでもなくフッと零した。
「なに、その旅は終わったみたいな言い方」
男もそこらのワニを捕まえてドカッと座る。
「ふふ。そう、もう終わりなんですよ」
「どういうこと?」
「そのままの意味ですな。俺たちの調査はこれでお仕舞い。必要なデータが全て揃ったんです。俺さんのお陰ですよ」
「そんなこと一言も」
「言ってしまったら、悲しいムードになってしまうと思って。俺はそれを避けたかったんです。黙っていてすみませんでした」
俺は押し黙った。返す言葉が見つからなかった。
「俺さん…」
「っうぅ〜〜……いやだ、いやだっ…!!」
「そうですな、分かります。お別れというのは、いつ如何なる時でも辛いものです…」
「〜〜〜〜〜〜〜、!!」
悔しかった。どうしてコイツはこんなにも平然としていられるのか。どうして別れという言葉をいとも簡単に言えてしまうのか。
俺がこの旅で見出したもの、コイツは何も感じていなかったのか。
「あぁ、もうこんな早くから。…お迎えがきてしまったようです」
なんて空気の読めないお迎えだ。涙をダラダラ流したまま空を見上げる。そこには大きな円盤型のフィクションでよく見るUFOが浮かんでいた。呆気にとられて涙も止まる。
「俺さん。さあ、お別れをしましょう」
巽が俺と正面を向かい合わせ、両手を取る。
「ヒッ……ヒッ……」
巽は俺が泣き止むのを辛抱強く待ってくれた。
「っ…俺はぁ!お前と会えてぇ、本当に良かったと思ってるぅ!俺はぁ最初何っもなかったけどぉ、お前が来てくれてぇ強くなれたと思う!俺はぁ、お前のことがぁ!」
ここまで言って焦ったように巽が止めに入った。
「ちょっ、ちょっと待ってください。俺さん、俺さんは何とお別れしようとしているんですか?」
「はぁ?俺はお前と…」
「なるほど、これはすみません。俺の言葉が足りませんでしたな。」
「?」
「俺がお別れしようと言ったのは、俺に対してではなく、俺さんの故郷――地球に対してです」
「!?!」
度肝を抜かれた。コイツはナチュラルに俺をキャトろうとしていたのか!(正確には拐われる家畜に対して使う言葉)
「地球ぅーーー?!?!」
「はい、そうです」
「いやいやいや、おかしいよね?」
「はて?何がでしょう。貴方には職も家族もないはずですが」
「っ…!痛いところを」
「ふふ。そういうわけで、俺はお世話になった貴方に新しい居住地と仕事と、そして家族を与えたいと思ったんです」
「家族?」
「はい♪」
巽の両手が俺の手を包み込み、彼の胸元まで持っていく。
「俺と、一緒に来てくれますね?」
そんなに真っ直ぐ見つめられてしまっては……
「はひ……」
こうして俺達は地球を後にし、巽の故郷――天王星へと帰っていった。
不思議生命体編(終)
〈〈前の話 次の話〉〉
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ある晩のこと、公園にどでかい卵が現れた。それは一見よくある謎のオブジェに見えた。故に人々は誰もそれを気にすることなく、そのまま数日が経過した。しかし、その晩は違った。卵に近づく影があった。
「なんだこれ」
よれたTシャツに擦れたジーンズ。いかにも貧乏そうな、くたびれた若い男が躊躇なく卵に触れた。すると
パカッ
卵の蓋が開き、中から裸の赤ん坊が。赤ん坊は急に視界が明るくなって驚いたのか、みるみるうちに顔を赤らませ、泣き声をあげようとした。男は慌てて赤ん坊を抱き上げる。そのとき背後で懐中電灯が無造作に辺りを照らすのを感じた。
――お巡りだ。男は瞬時に判断し、胸で大人しくしている赤ん坊を取り敢えず家で保護することに決めた。
赤ん坊の世話を始めて約1ヶ月。あの貧弱だった乳児はこの短期間で立派な青年になった(177センチ)。おおよそこの世の生物とは思えない。
たまげる男に生命体は
「俺はドコドコから来た◯◯という生命体で、地球の方からは宇宙人と呼ばれる存在です」
と丁寧に自己紹介し始める。
「俺はここの調査をする職に就いていまして、そのためにまずは地球の習慣を学ぼうと、あの姿になっていたんです。騙すような真似をして申し訳ありません」
生命体の言うことはよく分からなかったが、よく分かった振りをして「そうかそうか」と頷いてみせると、生命体は安堵したようなホッとした表情になって
「あぁ、よかった。俺さんは良い人ですな。安心して頼み事ができます」
『頼み事?』俺の訝しげな態度をよそに生命体は続ける。
「俺と地球をまるっと一周、旅をしてくれませんか?やはり一人では心細くて、俺さんが居てくれたなら、なんと心強いことでしょう」
また訳の分からないことを言い出した。
「俺と?旅?」
「はい」
「いやいや、困るよ」
「おや、何か気になることでもありましたかな? 貴方には職も家族もないでしょうに」
「痛いところをつく」
「すみません、手段は選ばない性でして」
「ゆるふわの見た目のくせに…」
「このほうが何かと都合がいいので…♪」
俺は降参して、この不思議生命体――巽の調査に連れ添うことにした。
日本を始点として北は北極、南は南極。死の谷からジャングルの奥地まで。時には深海に潜ることもあった。俺達はピンチに陥るたび手を取り合って何とか諸々の研究課題をクリアしていった。
南アメリカ大陸、どこかのジャングルにて。巽は襲ってきたワニの大群を全て締め上げてしまってから、一匹の上顎にドカッと座り
「ふぅ、ここまで長い道のりでしたな」
誰に言うでもなくフッと零した。
「なに、その旅は終わったみたいな言い方」
男もそこらのワニを捕まえてドカッと座る。
「ふふ。そう、もう終わりなんですよ」
「どういうこと?」
「そのままの意味ですな。俺たちの調査はこれでお仕舞い。必要なデータが全て揃ったんです。俺さんのお陰ですよ」
「そんなこと一言も」
「言ってしまったら、悲しいムードになってしまうと思って。俺はそれを避けたかったんです。黙っていてすみませんでした」
俺は押し黙った。返す言葉が見つからなかった。
「俺さん…」
「っうぅ〜〜……いやだ、いやだっ…!!」
「そうですな、分かります。お別れというのは、いつ如何なる時でも辛いものです…」
「〜〜〜〜〜〜〜、!!」
悔しかった。どうしてコイツはこんなにも平然としていられるのか。どうして別れという言葉をいとも簡単に言えてしまうのか。
俺がこの旅で見出したもの、コイツは何も感じていなかったのか。
「あぁ、もうこんな早くから。…お迎えがきてしまったようです」
なんて空気の読めないお迎えだ。涙をダラダラ流したまま空を見上げる。そこには大きな円盤型のフィクションでよく見るUFOが浮かんでいた。呆気にとられて涙も止まる。
「俺さん。さあ、お別れをしましょう」
巽が俺と正面を向かい合わせ、両手を取る。
「ヒッ……ヒッ……」
巽は俺が泣き止むのを辛抱強く待ってくれた。
「っ…俺はぁ!お前と会えてぇ、本当に良かったと思ってるぅ!俺はぁ最初何っもなかったけどぉ、お前が来てくれてぇ強くなれたと思う!俺はぁ、お前のことがぁ!」
ここまで言って焦ったように巽が止めに入った。
「ちょっ、ちょっと待ってください。俺さん、俺さんは何とお別れしようとしているんですか?」
「はぁ?俺はお前と…」
「なるほど、これはすみません。俺の言葉が足りませんでしたな。」
「?」
「俺がお別れしようと言ったのは、俺に対してではなく、俺さんの故郷――地球に対してです」
「!?!」
度肝を抜かれた。コイツはナチュラルに俺をキャトろうとしていたのか!(正確には拐われる家畜に対して使う言葉)
「地球ぅーーー?!?!」
「はい、そうです」
「いやいやいや、おかしいよね?」
「はて?何がでしょう。貴方には職も家族もないはずですが」
「っ…!痛いところを」
「ふふ。そういうわけで、俺はお世話になった貴方に新しい居住地と仕事と、そして家族を与えたいと思ったんです」
「家族?」
「はい♪」
巽の両手が俺の手を包み込み、彼の胸元まで持っていく。
「俺と、一緒に来てくれますね?」
そんなに真っ直ぐ見つめられてしまっては……
「はひ……」
こうして俺達は地球を後にし、巽の故郷――天王星へと帰っていった。
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真夏のワンナイト(18↑?)
砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けないって本の主人公の友達、藻屑が俺的にめっちゃ要概念なんだよな〜
2024年7月 この範囲を古い順で読む
代々天に仕え、山の麓で料理に勤しむ一族の長男として日々励むしいなニキ。ノリが軽くて接しやすく、接客態度は概ね満点。献上物として下ってきた尊い食べ物を「ゴムの味がするっす〜うげ〜」とか普通に言う
今日園児たちに初心者マーク笑われた。お前らも人生初心者マークなのに棚上げで草
国際免許持ってんのぉ?!!!!!
なんで取れてんのぉ?????
そしてフランスにて尚も健在なGod Speed やっぱわざとやってるよね アドレナリン中毒か
サマースパークル全話素敵でした 家族の愛と仲間の愛。人を深く想うことの尊さを再確認できました。これからも周りの人を愛し、愛されながら健やかに育ってね藍良
なんで取れてんのぉ?????
そしてフランスにて尚も健在なGod Speed やっぱわざとやってるよね アドレナリン中毒か
サマースパークル全話素敵でした 家族の愛と仲間の愛。人を深く想うことの尊さを再確認できました。これからも周りの人を愛し、愛されながら健やかに育ってね藍良
Hi!Sunny Trip, Endless Summer♪
Hi!Sunny Trip, Endless Summer♪
出自と元の性質上、人より早く大人にならざる負えなかったんだろう巽さんに自分はまだ大人ではないことを仄めかす歌詞パートを当て「このままでいたい」と言わせるハピェレの度量。完敗
Hi!Sunny Trip, Endless Summer♪
出自と元の性質上、人より早く大人にならざる負えなかったんだろう巽さんに自分はまだ大人ではないことを仄めかす歌詞パートを当て「このままでいたい」と言わせるハピェレの度量。完敗
あんな爽やかレモンスカッシュ浴びたらこっちも射精すに射精せないよ…去勢イベ
フル聴いた
良質なビタミンを得たかのような気分だ
フル聴いた
良質なビタミンを得たかのような気分だ
劣等感の良い所って日常の景色がいつもより綺麗に見えるって所しかない。(すべてが俺よりも上位の存在に思えるため)
ALKALOID予告に対する反応
ここらへんでTwitterで呟くようになったんですよね。中学から今までずーっとROM垢にいました。
抑えきれない衝動に突き動かされ今ハンドルを握りアクセルを踏むよ。
エンジンフル稼働
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ALKALOIDバーモンドカレーのcmやってくれ
今年の6月に結婚した新夫感がすごいです
ジリジリュワシュワのところ、振りが大変大きく笑顔も満点で普段とのギャップに心臓ごと持っていかれたけど、よく考えたら彼は元玲明キッズだからダンスの基本がよく身についてるのも納得 バックダンサーとかやってたんかなぁ
えってか、スマホケース自分の?撮影用のやつとかじゃなく?だったら凄く愛おしいんですが…それスマホ買ったら初めに付いてくるやつじゃん…そのまま使ってるの?
黒だし、カメラ2つだし…
好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ
違ったらめっちゃ恥ずい
今回の巽さんキラキラすぎて俺には眩しい。シュワシュワになっちゃうよ…
今年の6月に結婚した新夫感がすごいです
ジリジリュワシュワのところ、振りが大変大きく笑顔も満点で普段とのギャップに心臓ごと持っていかれたけど、よく考えたら彼は元玲明キッズだからダンスの基本がよく身についてるのも納得 バックダンサーとかやってたんかなぁ
えってか、スマホケース自分の?撮影用のやつとかじゃなく?だったら凄く愛おしいんですが…それスマホ買ったら初めに付いてくるやつじゃん…そのまま使ってるの?
黒だし、カメラ2つだし…
好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ
違ったらめっちゃ恥ずい
今回の巽さんキラキラすぎて俺には眩しい。シュワシュワになっちゃうよ…
ここらへんでTwitterで呟くようになったんですよね。中学から今までずーっとROM垢にいました。
抑えきれない衝動に突き動かされ今ハンドルを握りアクセルを踏むよ。
エンジンフル稼働
隣の席の優等生
隣の席。
中学校生活において隣の席がどんなやつか、というのはとても重要である。
いい奴であれば宿題を写させてもらえたり、忘れ物をすれば一緒に見せてもらえるよう頼みやすくなる。反対に、わるい奴――異常に無愛想だったりヤンキーだったりすれば、ペア活動なんてのは終わったも同然だろう。
俺の隣はというと、風早巽。他に類を見ないほどの優等生である。
『やりぃ!』俺はこれが確定した時、あまりの嬉しさに膝を打った。風早巽は学力においても人格においても完璧な超・優等生だったからだ。
テストは毎回上位常連。一年の頃から生徒会に属していて、困った者には必ず手を差し伸べる。なんでも実家が教会なんだそうだ。納得。そして何より女みたいに顔がいい。ここ男子校において、それは何よりも重要なことだ。
「これからどうぞよろしくお願いしますな俺さん。お隣同士支え合っていきましょう♪」
なんて善良そうなやつなんだ。支え合うなんてたまったもんじゃないが、思う存分利用させてもらうぜ。
それから俺は、事ある度に隣の席の風早巽を頼った。授業の予習、宿題の写し、教科書を借りたり、掃除当番まで。どんなことでも頼めばこの優等生は断らなかった。
なんて楽ちんなんだ! 風早巽サイコー!!
ある日の夕方、俺は家のお使いでスーパーに行く際、優等生の家の前を通ることになった。
俺は優等生の部屋がどこにあるのか気になって、ゆっくり通りを歩いた。しかし、殆どの部屋にカーテンがかかっていて中が見えない。なんだが不気味な家だ。そう思いながら目を凝らしていると、一階の一室にカーテンの隙間があることに気がついた。
俺は中に人がいるかもしれないと思い、見つからないよう慎重にその一室を覗き込んだ。が、次の瞬間目を疑った。例の優等生『風早巽』がおじさんのデカちんこを咥えているではないか。俺は驚いてその場に腰を抜かした。そして、無理やり足をばたつかせその場を逃げ出した。
――アイツと一瞬目が合った気がする。
翌日、いくら待ってもアイツが俺に釘を刺してくることはなかった。それどころか何もなかったようにいつも通りだ。『気づかれていない?』そう思うと逆にこっちから相手を強請ってみたくなるものだ。
帰りのホームルームのあと、俺は隣で帰り支度を済ますアイツの耳元にそっと、こう囁いた。
「昨日のことだけど」
すると例の如く、優等生はにっこり微笑んで
「場所を変えましょうか」
待っていたみたいに。
放課後の空き教室
「やはり、昨日窓越しに目があったのは俺さんだったんですね」
「やはりって。気づいてたんじゃん」
「ふふ」
「なんで何も言ってこなかったんだよ」
「俺から言及するほどのことでもありませんから」
「俺が周りに言うかもしれなかったろ!」
「言わなかったでしょう」
「それは…っ!」
俺は悔しかった。コイツの甘さが、俺みたいな奴を信じる愚かさが。
「ふふ、呼び出したからには俺に何か望むものがあるのでしょうな。言わないと約束してくださるなら、なんでも差し出してみせますよ」
「……なんでも?」
しかし、それを聞いた瞬間。俺のささやかな善性は見事に打ち砕かれた。
「それじゃあ……」
――事後
微かな煙の匂い。鼻をピクつかせ、目を閉じたまま、俺は煙の出どころを掴もうと首を反対側に動かした。薄ら目を開ける。
するとそこには上裸の――俺と先程まで交わっていた――例の優等生が心ここにあらずといった表情で物憂げに煙草を咥えていた。
優等生は俺の視線に気づいたのか、スッと笑顔を作ると、煙草を口から離し、代わりに人差し指を唇に当ててから
しーっ…
と…小さくジェスチャーしてみせた。
隣の席の優等生編(終)
〈〈前の話 次の話〉〉
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隣の席。
中学校生活において隣の席がどんなやつか、というのはとても重要である。
いい奴であれば宿題を写させてもらえたり、忘れ物をすれば一緒に見せてもらえるよう頼みやすくなる。反対に、わるい奴――異常に無愛想だったりヤンキーだったりすれば、ペア活動なんてのは終わったも同然だろう。
俺の隣はというと、風早巽。他に類を見ないほどの優等生である。
『やりぃ!』俺はこれが確定した時、あまりの嬉しさに膝を打った。風早巽は学力においても人格においても完璧な超・優等生だったからだ。
テストは毎回上位常連。一年の頃から生徒会に属していて、困った者には必ず手を差し伸べる。なんでも実家が教会なんだそうだ。納得。そして何より女みたいに顔がいい。ここ男子校において、それは何よりも重要なことだ。
「これからどうぞよろしくお願いしますな俺さん。お隣同士支え合っていきましょう♪」
なんて善良そうなやつなんだ。支え合うなんてたまったもんじゃないが、思う存分利用させてもらうぜ。
それから俺は、事ある度に隣の席の風早巽を頼った。授業の予習、宿題の写し、教科書を借りたり、掃除当番まで。どんなことでも頼めばこの優等生は断らなかった。
なんて楽ちんなんだ! 風早巽サイコー!!
ある日の夕方、俺は家のお使いでスーパーに行く際、優等生の家の前を通ることになった。
俺は優等生の部屋がどこにあるのか気になって、ゆっくり通りを歩いた。しかし、殆どの部屋にカーテンがかかっていて中が見えない。なんだが不気味な家だ。そう思いながら目を凝らしていると、一階の一室にカーテンの隙間があることに気がついた。
俺は中に人がいるかもしれないと思い、見つからないよう慎重にその一室を覗き込んだ。が、次の瞬間目を疑った。例の優等生『風早巽』がおじさんのデカちんこを咥えているではないか。俺は驚いてその場に腰を抜かした。そして、無理やり足をばたつかせその場を逃げ出した。
――アイツと一瞬目が合った気がする。
翌日、いくら待ってもアイツが俺に釘を刺してくることはなかった。それどころか何もなかったようにいつも通りだ。『気づかれていない?』そう思うと逆にこっちから相手を強請ってみたくなるものだ。
帰りのホームルームのあと、俺は隣で帰り支度を済ますアイツの耳元にそっと、こう囁いた。
「昨日のことだけど」
すると例の如く、優等生はにっこり微笑んで
「場所を変えましょうか」
待っていたみたいに。
放課後の空き教室
「やはり、昨日窓越しに目があったのは俺さんだったんですね」
「やはりって。気づいてたんじゃん」
「ふふ」
「なんで何も言ってこなかったんだよ」
「俺から言及するほどのことでもありませんから」
「俺が周りに言うかもしれなかったろ!」
「言わなかったでしょう」
「それは…っ!」
俺は悔しかった。コイツの甘さが、俺みたいな奴を信じる愚かさが。
「ふふ、呼び出したからには俺に何か望むものがあるのでしょうな。言わないと約束してくださるなら、なんでも差し出してみせますよ」
「……なんでも?」
しかし、それを聞いた瞬間。俺のささやかな善性は見事に打ち砕かれた。
「それじゃあ……」
――事後
微かな煙の匂い。鼻をピクつかせ、目を閉じたまま、俺は煙の出どころを掴もうと首を反対側に動かした。薄ら目を開ける。
するとそこには上裸の――俺と先程まで交わっていた――例の優等生が心ここにあらずといった表情で物憂げに煙草を咥えていた。
優等生は俺の視線に気づいたのか、スッと笑顔を作ると、煙草を口から離し、代わりに人差し指を唇に当ててから
しーっ…
と…小さくジェスチャーしてみせた。
隣の席の優等生編(終)
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たつみさんが昔『玉ねぎを溶かすくらいの気持ちで煮ると野菜のコクがたっぷりと出た、いいカレーができますよ』って教えてくれたから俺はいつもそうしてんだ。人参やじゃがいももゴロゴロしたサイズじゃなくて、ある程度細かく切られててルーに溶けやすいようになってた。うちのカレーは美味かった
2024年6月 この範囲を古い順で読む
熱気団とそれを押し流す風が交互にあり息の仕方を忘れそうになる。風に乗るのは6月に満開を迎えたらしい名前も知らない木々の花。甘い匂いが鼻孔をくすぐるがすぐ風に流されてしまう
沖縄でワンナイトラブ
大学の卒業旅行で沖縄に来た俺たち。グループ内で最も調子の良い奴が、昼間にナンパした女子達とバーに行こうと言い出した。なんでも昼間の海の家が、夜は軽い食事に酒やカクテルを出しているらしい。
俺はあまり気乗りしなかったが、他の奴等が乗り気だったので付いて行った。
バーにて、昼は家族連れも多かった店内が薄着のチャラチャラした男女で溢れかえっている。やっぱり来なければよかった。俺は早速後悔した。友達は、というともう例の女たちを見つけてお楽しみを開催している。そんな彼らを軽く見下し俺はカウンター席へと移動する。すると、そこには美しい翠髪をした綺麗な男が座っていた。
俺が釘付けになっていると、その男は気さくにも声をかけてきた。
「ご一緒にどうですか?」
愛らしい笑顔で。
男はどうもここの出身ではないようだった。聞いてみると、仕事の関係で2週間近くここに滞在しているのだそうだ。このバーに来るのは初めてで、慣れないことはするもんじゃないと苦々しく笑っていた。
俺は男にカクテルを勧められた。普段は酒に弱くて飲めたものではなかったが今日だけなら、と男にすすめられるままに数杯飲んだ。頭がくらくらする。
「気分が優れないのでしょうか?あそこで少し休んでいきましょう」
気づけば俺は男にホテルへ連れ込まれてしまっていた。部屋に入ってからも俺達はまた酒を頼んだ。
「俺さんとのお喋りは楽しいです」
なんて彼が言うのに、俺はいい気になってさらに酒を煽る。そんな感じで戯れていると、急に俺の股間へ彼の手が伸びてきた。流石に驚く俺。
「すみません。つい、楽しくて」
そう言う彼は、とは言いつつ股間の上から手をどかさない。俺はこの状況に興奮して、素直に股間をおっ勃てた。
俺達はそのまま雪崩込むようにベッドに移動した。俺がシーツに背を預け、陰部だけが重力に逆らってそびえ立っている。彼はそんな俺に跨って、尻の孔を俺の陰部の先端にくっ付けたり離したりしながら後ろ手にゆっくり扱いていく。挿入るか挿入らないかの瀬戸際で、先端にのみ集中するフニフニとした柔らかな襞の感触は、次第に俺の射精感を強めていった。
「イきそう……っ」
絞りカスのような情けない声は、そんな彼の何かしらのスイッチを刺激したようで、俺を扱いていた手はピタリと止まってしまった。
「へ……?」
「ふふ」
彼は出会った時の笑顔とはまた違う、悪魔のような笑みを浮かべて、俺の頬にキスをした。
「……なんで」
「いえ、あまりに愛らしくて」
それだけ言うと今度は唇を重ねてきた。彼の滑らかな尻の質感を俺の陰部が繊細に拾いながら、部屋には互いの唾液が混ざり合うクチュクチュとしたいやらしい音が響いている。
「んっ…っはぁ」
生暖かい息遣いが口周りを覆って、酒のせいか目もかすみ、彼の輪郭がぼんやりと白んできた。その代わり、他の器官が敏感になって俺を襲う。
彼の舌遣いは素晴らしかった。歯列を丁寧になぞり、かと思えば上口蓋を舌先でチロチロと細かく刺激される。口内を自由に這い回る彼の舌は捕らえようがなく、自身の舌の所在を探っている内に彼のが俺の舌の裏筋に入り込んだ。
「んぶ…」
それは少し苦しくて、息の仕方を忘れるほどの快感であった。
「おれひゃん、いきをしてくらはい」
口内でこだまする、低く穏やかな彼の声に遠のいていた意識がヒュンっと戻る。口元は顎にかけて唾液でびちょびちょだ。
「ふふ。流石に、やりすぎてしまいましたな」
彼は聖母のような微笑みを湛え、慈悲深く俺の涎を手のひらで拭い去った。
「それでは、本番といきましょうか」
言葉の意味を理解するのに脳は要らなかった。何故なら俺の陰部はもう限界を迎えていたから。
彼は「よっこいしょ」と若くて綺麗な見た目に似合わない掛け声と共に、俺の先端に孔をあてがった。しかし、俺の涎だけでは潤滑油として役不足。微かに濡れた彼の蕾が強く押し当てられるという、なんとも言えない時間が体感数分続いた。お陰で俺は彼の孔の形を覚えてしまえそうだった。敢えて花に例えるなら開花間近の桃の蕾だろうか。
「っふぅ…中々難儀なものですな。事前に準備も済ませたのですが…」
諦めたのか、彼は腰を浮かせて枕元を探った。
「ローションは…あぁ、ありました」
避妊具と一緒に備えられていた潤滑液を手に取り、よく指に絡ませてから彼は自身の孔に指を一本、二本と咥えさせていく。
「っんん…」
すっかりマグロ状態な俺の上で心地悪そうな声を漏らす彼にピンときた。多分この人初めてだ。
俺は名前も知らないこの男の背景に想いを馳せようとした。が、できなかった。早くこの熱をどうにかしてしまいたい。慣れない手つきでヌチヌチと孔をほぐす彼を、俺は己の衝動に任せて押し倒した。
「俺…さん?」
アルコールは俺の全てを支配した。視覚、聴覚、嗅覚に味覚、そして触覚まで。五感の全てが鈍感になり、代わりに脳がそれを想像で補う。故に今、彼がどのような表情で俺と行為に及んでいるのか確かめることができない。よって当時の俺には、この問いかけがこのように聞こえていた。
「早く挿入れてください♡」
俺は入口を強めにノックしてから、中へと強引に押し入った。彼の中は狭くて、下手するとちんこをもぎ取られそうなくらい窮屈だった。完全な処女孔である。しかし、ここで抜いてしまっては男が廃る。据え膳食わぬはなんとやら。俺はゆっくりピストン運動を始めた。
最初はぐぅ…とか、ぬ゛っ…とか言って俺を押し退けようとしていた彼も、ピストンを繰り返している内にほぐれてきたのか、気持ちよさそうに喘ぐようになった。準備がなんとか言ってたもんな。俺は納得して、沸々と沸き上がる罪悪感を性欲で完封した。冷たかったローションは彼の熱を吸い取り、俺を奥の奥へと温かく導いてくれる。
ジュポッジュポッ
あぁ、気持ちいい。もっと、もっと欲しい。激しく腰を打ち付ける中、汗が吹き出し目に入る。彼の身体も汗ばんでいるのが摑んでいる腕の感触からも分かる。彼の腸壁がうねうねと波打ち、精液を絞り出そうとしてくる。っはぁ…もう限界だ。でも、ここで出してしまっては勿体ない。酒に呑まれた今、俺の残機はたかが知れてる。
俺が一旦引き抜こうとすると、彼がその長い脚で腰をがっちりホールドしてきた。
「っう……〜〜〜!!!!」
瞬間、声を上げたのは彼の方だった。どうやら強く引き寄せすぎたせいで、俺のがS字結腸まで入り込んでしまったらしい。中が凄まじいうねりを起こす。半端ない加減で揉みくちゃにされた俺のちんこは悲鳴を上げ、精を吐き出し、同時に俺も気を失った。
どのくらいそうしていたのだろうか。気づけば俺は、中に出したまま眠ってしまっていて、起きたら彼はいなかった。
代わりにテーブルの上にメモ用紙が一枚『昨夜は楽しい一時をありがとうございました。また御縁があればお会いしましょう。それでは』と書かれており、これがワンナイトというやつか…と放心状態になる。フロントへ鍵を返して外へ出ると、もう昼だった。
地図アプリを使って元々泊まっていたホテルに戻る。カードを翳し扉を開けると、昨日一緒にバーに行った面子が何人か集まっていて、俺の顔を見るなり「昨夜はどうだった」と好奇の目を向けてきた。
「どうもしないよ」
俺は飛びかかってくる質問を適当にはぐらかし、ベッドにぐったり沈み込んだ。初めての二日酔いだった。
帰りの飛行機の中、昨夜の行為に思いを馳せる。酒が回っていて、あの時のことはあまり覚えていなかったが、感覚としては残ってる。『最っ高だった…』俺は余韻に浸って瞼の裏に何度もあの男のことを見た。
一方、彼――もとい風早巽は事実アレが初めての男との性交渉だった。あの日の巽は出張の寂しさがピークに達していて、自分でも驚くような行動に出てしまっていたのだ。
『ふふ。慣れないこともたまにはいいものですな』
ほんの少し哀愁漂う表情を浮かべ、微笑む彼はワンナイト相手より1便前の飛行機に乗って東京にある本社へと帰っていった。
沖縄でワンナイトラブ編(終)
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大学の卒業旅行で沖縄に来た俺たち。グループ内で最も調子の良い奴が、昼間にナンパした女子達とバーに行こうと言い出した。なんでも昼間の海の家が、夜は軽い食事に酒やカクテルを出しているらしい。
俺はあまり気乗りしなかったが、他の奴等が乗り気だったので付いて行った。
バーにて、昼は家族連れも多かった店内が薄着のチャラチャラした男女で溢れかえっている。やっぱり来なければよかった。俺は早速後悔した。友達は、というともう例の女たちを見つけてお楽しみを開催している。そんな彼らを軽く見下し俺はカウンター席へと移動する。すると、そこには美しい翠髪をした綺麗な男が座っていた。
俺が釘付けになっていると、その男は気さくにも声をかけてきた。
「ご一緒にどうですか?」
愛らしい笑顔で。
男はどうもここの出身ではないようだった。聞いてみると、仕事の関係で2週間近くここに滞在しているのだそうだ。このバーに来るのは初めてで、慣れないことはするもんじゃないと苦々しく笑っていた。
俺は男にカクテルを勧められた。普段は酒に弱くて飲めたものではなかったが今日だけなら、と男にすすめられるままに数杯飲んだ。頭がくらくらする。
「気分が優れないのでしょうか?あそこで少し休んでいきましょう」
気づけば俺は男にホテルへ連れ込まれてしまっていた。部屋に入ってからも俺達はまた酒を頼んだ。
「俺さんとのお喋りは楽しいです」
なんて彼が言うのに、俺はいい気になってさらに酒を煽る。そんな感じで戯れていると、急に俺の股間へ彼の手が伸びてきた。流石に驚く俺。
「すみません。つい、楽しくて」
そう言う彼は、とは言いつつ股間の上から手をどかさない。俺はこの状況に興奮して、素直に股間をおっ勃てた。
俺達はそのまま雪崩込むようにベッドに移動した。俺がシーツに背を預け、陰部だけが重力に逆らってそびえ立っている。彼はそんな俺に跨って、尻の孔を俺の陰部の先端にくっ付けたり離したりしながら後ろ手にゆっくり扱いていく。挿入るか挿入らないかの瀬戸際で、先端にのみ集中するフニフニとした柔らかな襞の感触は、次第に俺の射精感を強めていった。
「イきそう……っ」
絞りカスのような情けない声は、そんな彼の何かしらのスイッチを刺激したようで、俺を扱いていた手はピタリと止まってしまった。
「へ……?」
「ふふ」
彼は出会った時の笑顔とはまた違う、悪魔のような笑みを浮かべて、俺の頬にキスをした。
「……なんで」
「いえ、あまりに愛らしくて」
それだけ言うと今度は唇を重ねてきた。彼の滑らかな尻の質感を俺の陰部が繊細に拾いながら、部屋には互いの唾液が混ざり合うクチュクチュとしたいやらしい音が響いている。
「んっ…っはぁ」
生暖かい息遣いが口周りを覆って、酒のせいか目もかすみ、彼の輪郭がぼんやりと白んできた。その代わり、他の器官が敏感になって俺を襲う。
彼の舌遣いは素晴らしかった。歯列を丁寧になぞり、かと思えば上口蓋を舌先でチロチロと細かく刺激される。口内を自由に這い回る彼の舌は捕らえようがなく、自身の舌の所在を探っている内に彼のが俺の舌の裏筋に入り込んだ。
「んぶ…」
それは少し苦しくて、息の仕方を忘れるほどの快感であった。
「おれひゃん、いきをしてくらはい」
口内でこだまする、低く穏やかな彼の声に遠のいていた意識がヒュンっと戻る。口元は顎にかけて唾液でびちょびちょだ。
「ふふ。流石に、やりすぎてしまいましたな」
彼は聖母のような微笑みを湛え、慈悲深く俺の涎を手のひらで拭い去った。
「それでは、本番といきましょうか」
言葉の意味を理解するのに脳は要らなかった。何故なら俺の陰部はもう限界を迎えていたから。
彼は「よっこいしょ」と若くて綺麗な見た目に似合わない掛け声と共に、俺の先端に孔をあてがった。しかし、俺の涎だけでは潤滑油として役不足。微かに濡れた彼の蕾が強く押し当てられるという、なんとも言えない時間が体感数分続いた。お陰で俺は彼の孔の形を覚えてしまえそうだった。敢えて花に例えるなら開花間近の桃の蕾だろうか。
「っふぅ…中々難儀なものですな。事前に準備も済ませたのですが…」
諦めたのか、彼は腰を浮かせて枕元を探った。
「ローションは…あぁ、ありました」
避妊具と一緒に備えられていた潤滑液を手に取り、よく指に絡ませてから彼は自身の孔に指を一本、二本と咥えさせていく。
「っんん…」
すっかりマグロ状態な俺の上で心地悪そうな声を漏らす彼にピンときた。多分この人初めてだ。
俺は名前も知らないこの男の背景に想いを馳せようとした。が、できなかった。早くこの熱をどうにかしてしまいたい。慣れない手つきでヌチヌチと孔をほぐす彼を、俺は己の衝動に任せて押し倒した。
「俺…さん?」
アルコールは俺の全てを支配した。視覚、聴覚、嗅覚に味覚、そして触覚まで。五感の全てが鈍感になり、代わりに脳がそれを想像で補う。故に今、彼がどのような表情で俺と行為に及んでいるのか確かめることができない。よって当時の俺には、この問いかけがこのように聞こえていた。
「早く挿入れてください♡」
俺は入口を強めにノックしてから、中へと強引に押し入った。彼の中は狭くて、下手するとちんこをもぎ取られそうなくらい窮屈だった。完全な処女孔である。しかし、ここで抜いてしまっては男が廃る。据え膳食わぬはなんとやら。俺はゆっくりピストン運動を始めた。
最初はぐぅ…とか、ぬ゛っ…とか言って俺を押し退けようとしていた彼も、ピストンを繰り返している内にほぐれてきたのか、気持ちよさそうに喘ぐようになった。準備がなんとか言ってたもんな。俺は納得して、沸々と沸き上がる罪悪感を性欲で完封した。冷たかったローションは彼の熱を吸い取り、俺を奥の奥へと温かく導いてくれる。
ジュポッジュポッ
あぁ、気持ちいい。もっと、もっと欲しい。激しく腰を打ち付ける中、汗が吹き出し目に入る。彼の身体も汗ばんでいるのが摑んでいる腕の感触からも分かる。彼の腸壁がうねうねと波打ち、精液を絞り出そうとしてくる。っはぁ…もう限界だ。でも、ここで出してしまっては勿体ない。酒に呑まれた今、俺の残機はたかが知れてる。
俺が一旦引き抜こうとすると、彼がその長い脚で腰をがっちりホールドしてきた。
「っう……〜〜〜!!!!」
瞬間、声を上げたのは彼の方だった。どうやら強く引き寄せすぎたせいで、俺のがS字結腸まで入り込んでしまったらしい。中が凄まじいうねりを起こす。半端ない加減で揉みくちゃにされた俺のちんこは悲鳴を上げ、精を吐き出し、同時に俺も気を失った。
どのくらいそうしていたのだろうか。気づけば俺は、中に出したまま眠ってしまっていて、起きたら彼はいなかった。
代わりにテーブルの上にメモ用紙が一枚『昨夜は楽しい一時をありがとうございました。また御縁があればお会いしましょう。それでは』と書かれており、これがワンナイトというやつか…と放心状態になる。フロントへ鍵を返して外へ出ると、もう昼だった。
地図アプリを使って元々泊まっていたホテルに戻る。カードを翳し扉を開けると、昨日一緒にバーに行った面子が何人か集まっていて、俺の顔を見るなり「昨夜はどうだった」と好奇の目を向けてきた。
「どうもしないよ」
俺は飛びかかってくる質問を適当にはぐらかし、ベッドにぐったり沈み込んだ。初めての二日酔いだった。
帰りの飛行機の中、昨夜の行為に思いを馳せる。酒が回っていて、あの時のことはあまり覚えていなかったが、感覚としては残ってる。『最っ高だった…』俺は余韻に浸って瞼の裏に何度もあの男のことを見た。
一方、彼――もとい風早巽は事実アレが初めての男との性交渉だった。あの日の巽は出張の寂しさがピークに達していて、自分でも驚くような行動に出てしまっていたのだ。
『ふふ。慣れないこともたまにはいいものですな』
ほんの少し哀愁漂う表情を浮かべ、微笑む彼はワンナイト相手より1便前の飛行機に乗って東京にある本社へと帰っていった。
沖縄でワンナイトラブ編(終)
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大正ロマン
東京にある実家を出て東北の大学へ通うことになった俺は、下宿先でそこの一人息子に一目惚れをする。そいつは優しくて穏やかで気さくで加えて格別に綺麗だった。
俺は下宿先の主人に頭を下げて頼み込んだ。
「俺に息子さんをください」
幸運なことに俺の実家は裕福で、俺は次男だったから家を継ぐ必要もなく、夫妻は喜んで俺の申し出を受けてくれた。
彼はというと
「両親が決めたことなら、そうなのでしょう」
そう言って半ば諦めのように俺との結婚を了承してくれた。
結婚してからというもの俺たちの間に進展という進展は特になかった。夫妻は俺たちに宿を託すと隠居生活へと移った。俺は経営について1から学び、彼はせっせと慣れた仕事をする毎日。そんな日が長く続き、ついに俺たちの間には会話がなくなってしまった。俺は毎日飲み歩き、どうしようもない寂しさを飲み屋の雰囲気に癒してもらおうとした。
しかし飲んでも飲んでも、心にはぽっかり穴が空いているばっかりで
「もう帰ります」
いつも日が暮れる頃には家に帰ってしまっていた。
家に帰ればあの人がいる。
なんだか苦しいような嬉しいような複雑な気持ちを抱えて帰路につく。
「おかえりなさい」
「ただいま」
会話とも呼べない挨拶を交わして彼が作ってくれた食事に箸をつける。
彼も席につくが相変わらず会話はない。家の食卓は冷え切っていた。
それでも、食べたあと食器を片す彼の後ろ姿を眺めては『やっぱり好きだなあ』と思ってしまうのだった。
ある日、家で大人しく新聞を読むなりしていると、彼が子どもを連れてきた。
「どうしたんだ」
俺が聞くと
「親戚の子で、…親を亡くしてしまったんです。ここで暫く面倒をみようと思うのですが、俺さんはどうされますか」
『どうって…』そう言われても連れてこられたんじゃ今更追い払うわけにもいかないだろう。
「わかった。俺たちで育てよう」
考えるより先に言葉が出ていた。
子供が来てからというもの、家の食卓は明るくなった。テーブルには子供の好きな食事が並び、会話の中心はいつもその子供のこと。
彼も結婚する前のような笑顔を度々見せるようになり、口数も元のように多くなった。
俺たちは家族になった。
十数年が経ち、子供が、外で見聞を広めるため上京したいと言い出した。
狼狽える俺。また元の生活に戻ってしまうのではないかと不安になった。しかし俺の私情でこの子の将来を潰してしまうわけにもいかなかった。
俺は二つ返事でそれを了承し、彼も「あなたがそう言うなら」子どもを送り出した。
子供のいなくなった食卓はまた静かになった。それでも前のように冷たくはない。俺たちの間にはこの十数年、ともに育児に励むことで親愛というものが築かれていた。それは恋愛感情とはまた別のものであったが、実に心地の良いものだった。
「巽」
河川敷の桜に見惚れる彼の後ろ姿に俺は声をかけた。優しく彼が振り返る。
「俺をもらってくれてありがとう」
初めて結婚の感謝を述べた。俺はずっと、彼に相談もなしに義両親と話をつけてしまったことを後悔していた。巽にはもしかして結婚したい相手がいたんじゃないか。俺が巽の人生を邪魔してしまったんじゃないか。そう考えては怖くなった。だけど、もう今は
「ふふ。もらっていただいたのは俺の方では?」
彼が柔らかく笑う。桜吹雪が舞い上がり、無数の花びらが俺と彼の間を埋めていく。
春の嵐の真ん中で、俺たちは初めて手を繋いだ。
大正ロマン編(終)
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東京にある実家を出て東北の大学へ通うことになった俺は、下宿先でそこの一人息子に一目惚れをする。そいつは優しくて穏やかで気さくで加えて格別に綺麗だった。
俺は下宿先の主人に頭を下げて頼み込んだ。
「俺に息子さんをください」
幸運なことに俺の実家は裕福で、俺は次男だったから家を継ぐ必要もなく、夫妻は喜んで俺の申し出を受けてくれた。
彼はというと
「両親が決めたことなら、そうなのでしょう」
そう言って半ば諦めのように俺との結婚を了承してくれた。
結婚してからというもの俺たちの間に進展という進展は特になかった。夫妻は俺たちに宿を託すと隠居生活へと移った。俺は経営について1から学び、彼はせっせと慣れた仕事をする毎日。そんな日が長く続き、ついに俺たちの間には会話がなくなってしまった。俺は毎日飲み歩き、どうしようもない寂しさを飲み屋の雰囲気に癒してもらおうとした。
しかし飲んでも飲んでも、心にはぽっかり穴が空いているばっかりで
「もう帰ります」
いつも日が暮れる頃には家に帰ってしまっていた。
家に帰ればあの人がいる。
なんだか苦しいような嬉しいような複雑な気持ちを抱えて帰路につく。
「おかえりなさい」
「ただいま」
会話とも呼べない挨拶を交わして彼が作ってくれた食事に箸をつける。
彼も席につくが相変わらず会話はない。家の食卓は冷え切っていた。
それでも、食べたあと食器を片す彼の後ろ姿を眺めては『やっぱり好きだなあ』と思ってしまうのだった。
ある日、家で大人しく新聞を読むなりしていると、彼が子どもを連れてきた。
「どうしたんだ」
俺が聞くと
「親戚の子で、…親を亡くしてしまったんです。ここで暫く面倒をみようと思うのですが、俺さんはどうされますか」
『どうって…』そう言われても連れてこられたんじゃ今更追い払うわけにもいかないだろう。
「わかった。俺たちで育てよう」
考えるより先に言葉が出ていた。
子供が来てからというもの、家の食卓は明るくなった。テーブルには子供の好きな食事が並び、会話の中心はいつもその子供のこと。
彼も結婚する前のような笑顔を度々見せるようになり、口数も元のように多くなった。
俺たちは家族になった。
十数年が経ち、子供が、外で見聞を広めるため上京したいと言い出した。
狼狽える俺。また元の生活に戻ってしまうのではないかと不安になった。しかし俺の私情でこの子の将来を潰してしまうわけにもいかなかった。
俺は二つ返事でそれを了承し、彼も「あなたがそう言うなら」子どもを送り出した。
子供のいなくなった食卓はまた静かになった。それでも前のように冷たくはない。俺たちの間にはこの十数年、ともに育児に励むことで親愛というものが築かれていた。それは恋愛感情とはまた別のものであったが、実に心地の良いものだった。
「巽」
河川敷の桜に見惚れる彼の後ろ姿に俺は声をかけた。優しく彼が振り返る。
「俺をもらってくれてありがとう」
初めて結婚の感謝を述べた。俺はずっと、彼に相談もなしに義両親と話をつけてしまったことを後悔していた。巽にはもしかして結婚したい相手がいたんじゃないか。俺が巽の人生を邪魔してしまったんじゃないか。そう考えては怖くなった。だけど、もう今は
「ふふ。もらっていただいたのは俺の方では?」
彼が柔らかく笑う。桜吹雪が舞い上がり、無数の花びらが俺と彼の間を埋めていく。
春の嵐の真ん中で、俺たちは初めて手を繋いだ。
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雨とクッキー
街中が雨雲に覆われ、アスファルトに無数の雨粒が打ち付けられる6月。むせ返るような植物の匂いで満ち満ちた通学路に、水溜りを割って走る音が響く。
小学校中学年くらいだろうか、体操服の少年が傘もささず一目散に駆けて行く。
黒光りのランドセルが、上下に大きく揺れながら、足音とともに雨のカーテンの奥へと消えていった。
「ただいまーーー」
ガチャリと玄関の扉を開いて、少年は自身の帰宅を大声で告げた。
「おかえりなさい。…っと、これはまた随分びしょ濡れで帰って来られましたな」
2階からバスタオルを抱えた青年が、やれやれと降りてくる。
「傘。通学路に落ちていたと、先ほど近隣の方が届けに来てくれましたよ。それで今迎えに行こうと……手遅れでしたが」
小言を言いながらタオルを広げて近づいて来る。
「どうして、というのは後から聞くとしましょうか。まずはお風呂に入ってきなさい。そのままでは風邪を引いてしまいますな」
どうやらお説教は免れたようだ。
少年は大人しく髪やランドセルを拭いてもらうと、グチョグチョの靴下を持ってお風呂場へと直行した。
雨を限界まで吸い込みパンパンになった衣類を洗濯槽へ投げ入れる。カチャッと扉を開けばそこは湯気の世界。湯気の出所はついさっき湧いたのだろう、ほかほかの湯船だ。
少年は雨に濡れた全身の記憶をお湯で塗り替えるべく蛇口をひねる。風呂を沸かしていたからか、すぐに水はお湯に変わってくれた。冷えきっていた体が徐々にほどけ、内側からエネルギーが満ちてくる。
「いきかえる…」
そんな爺くさいことをぼやいて我に返り、一人ほくそ笑む。髪と全身を洗い上げ、背中に泡が少し残っているのも気にせずに少年は浴槽に片足を突っ込んだ。
「つめたっ、あ゛っあつう!?」
急いで片足を抜き、代わりに片手でお湯の調子を測る。そして腕にお湯が馴染んできた所でもう一度片足を入れ、今度は腰、次に肩まで浸かる。
「はふぅ…」
生きてて良かった。そう心から思った。
芯まで温まり、いい匂いのする衣服に着替え、まるで生まれ変わったような気持ちで少年は脱衣所を出た。リビングの扉を開けようとして中から何やら甘い匂いがするのに気がついた。
「巽兄」
彼が振り返る。手元を見るとクッキーの生地のようなものと、型がいくつか転がっているのが分かった。
「おや…ふふ。身体は十分温まりましたかな?」
「うん! みて、このとおり」
腰に手を当てふんぞり返ってみせる。
「ふふ。そうですな、まるで生まれたての赤子のようで愛らしいです…あ、」
「あかごはよけいだよ!」
「そうでした、すみません」
口では謝りつつ、クスクスと楽しそうに笑う彼に反省の色は見られない。……楽しそうだから良いけど。少年もたまらず表情を緩ませる。
「それ、クッキー?」
彼の手元を指差し、少年は尋ねる。
「はい。先日差し入れで手作りのマフィンを頂いたので、そのお返しにと思って……。気になりますか?」
「あっ、え」
あまりにも、熱心に彼の手元を見ていたのだろう。
「でもプレゼントならオレがいたら上手にできないと思う……」
「そう気負わなくても。これはまだ試作の段階ですし、心配無用ですな。それに、たとえ本番だとしても、君がよければお手伝いをお願いしたいです」
「いいの?」
頷いて調理台の前を開ける彼。
少年は調理台のキャビネットから折りたたみ式の踏み台を引っ張り出した。
「まずは好きな型を使って生地をくり抜いていきましょう♪」
「僕、鳥さんがいい!…っあ、オレェ……」
「…無理に変えなくてもいいのに」
優しく、でも少し乱暴に頭を撫でられた。
「……もうっ」
手を払う。ゆるく目を細める彼。
「鳥さん。蒼さんは鳥さんが好きなんですね?」
「?」
「いえ、少し気になったもので」
強引に話を逸らしたなと思いつつ、少年はクッキーの型を抜きながら今朝の出来事を話し始めた。
それは今朝の登校中のこと。昨夜の雨の影響でじっとりと湿った通学路を一列になって歩いていたとき。2本先の電信柱の下で黒い地面に小さな鳥が一羽、ちょこんと佇んでいるのが見えた。
「鳥がいる」
「どうしたんだろう」
「見てみようよ」
班の子どもたちは好奇心からその小鳥に近づいた。しかし、小鳥は数人に取り囲まれても一歩も動かない。どうやら雨で羽が濡れて飛べなくなってしまったらしい。
「どうしよう」
「近くの大人に言う?」
「早く行かないと遅刻するよ」
子ども達は口々に自分の意見を言うのでまとまらない。そのまま時間は過ぎていき、朝礼まで30分を切ってしまった。加えて小雨もポツポツ、服にシミを作り始めた。
「わぁ!雨だよ」
「鳥さん、ますます濡れちゃう」
みんながワタワタする中
「オレの傘かしてあげる」
少年は自分の傘を、雨から小鳥を守るようにして置いた。小鳥は相変わらず一歩も動かないで目をパチクリさせている。
1学年上の子の傘に入れてもらって、少年達は急いで学校へと向かった。
「そんなことが」
「そう、それでさっき走って帰ってきたんだよ」
「鳥さんのためだったんですね。優しい子」
「ふふ!」
「しかし、次からは必ず迎えが来るまで待つか、公衆電話から家にかけるようお願いしますな。風邪を引いてしまっては本末転倒でしょう」
「えーーー! 最後までほめてよ!! 巽兄のケチ!!」
話の腰を折る彼に、少年はわざとらしく膨れてみせた。彼は困り笑いで「ごめんね」と少年の頭を撫でる。
そんな茶番をしていると、オーブンがチーーーンと元気よく鳴った。クッキーを取りにいくニ人。オーブンからは甘い良い匂いがする。
開けてみると、トレーには綺麗な焼き菓子色をした小鳥が割れも欠けもせず均等に並んでいるではないか。ニ人は目を見合わせる。
期待以上の良いものができた。
「せっかくなので、傘を届けに来てくれたご近所さんにもお裾分けをしましょうか」
彼の一言に少年も頷き、トートバッグにラッピングしたクッキーを忍ばせると、二人はサンダル姿で外に出た。
外はもう今朝からの雨模様が嘘だったかのように晴れていて、空は青々としている。
それでも所々に雨の片鱗は残っていて、足元では水溜りが、木々や草花の上では露が、あちこちで太陽の光を反射して世界がキラキラ輝いて見える。そんな世界に陶酔していると、一羽の鳥が二人の横を飛び抜けた。
「あの子かなあ」「あの子だと良いですね」なんて二人で言い合いながら。
いつまでもこの世界で二人きり、ずっと一緒にいられますように。
少年はそう青空に願いをかけた。
〈〈前の話
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街中が雨雲に覆われ、アスファルトに無数の雨粒が打ち付けられる6月。むせ返るような植物の匂いで満ち満ちた通学路に、水溜りを割って走る音が響く。
小学校中学年くらいだろうか、体操服の少年が傘もささず一目散に駆けて行く。
黒光りのランドセルが、上下に大きく揺れながら、足音とともに雨のカーテンの奥へと消えていった。
「ただいまーーー」
ガチャリと玄関の扉を開いて、少年は自身の帰宅を大声で告げた。
「おかえりなさい。…っと、これはまた随分びしょ濡れで帰って来られましたな」
2階からバスタオルを抱えた青年が、やれやれと降りてくる。
「傘。通学路に落ちていたと、先ほど近隣の方が届けに来てくれましたよ。それで今迎えに行こうと……手遅れでしたが」
小言を言いながらタオルを広げて近づいて来る。
「どうして、というのは後から聞くとしましょうか。まずはお風呂に入ってきなさい。そのままでは風邪を引いてしまいますな」
どうやらお説教は免れたようだ。
少年は大人しく髪やランドセルを拭いてもらうと、グチョグチョの靴下を持ってお風呂場へと直行した。
雨を限界まで吸い込みパンパンになった衣類を洗濯槽へ投げ入れる。カチャッと扉を開けばそこは湯気の世界。湯気の出所はついさっき湧いたのだろう、ほかほかの湯船だ。
少年は雨に濡れた全身の記憶をお湯で塗り替えるべく蛇口をひねる。風呂を沸かしていたからか、すぐに水はお湯に変わってくれた。冷えきっていた体が徐々にほどけ、内側からエネルギーが満ちてくる。
「いきかえる…」
そんな爺くさいことをぼやいて我に返り、一人ほくそ笑む。髪と全身を洗い上げ、背中に泡が少し残っているのも気にせずに少年は浴槽に片足を突っ込んだ。
「つめたっ、あ゛っあつう!?」
急いで片足を抜き、代わりに片手でお湯の調子を測る。そして腕にお湯が馴染んできた所でもう一度片足を入れ、今度は腰、次に肩まで浸かる。
「はふぅ…」
生きてて良かった。そう心から思った。
芯まで温まり、いい匂いのする衣服に着替え、まるで生まれ変わったような気持ちで少年は脱衣所を出た。リビングの扉を開けようとして中から何やら甘い匂いがするのに気がついた。
「巽兄」
彼が振り返る。手元を見るとクッキーの生地のようなものと、型がいくつか転がっているのが分かった。
「おや…ふふ。身体は十分温まりましたかな?」
「うん! みて、このとおり」
腰に手を当てふんぞり返ってみせる。
「ふふ。そうですな、まるで生まれたての赤子のようで愛らしいです…あ、」
「あかごはよけいだよ!」
「そうでした、すみません」
口では謝りつつ、クスクスと楽しそうに笑う彼に反省の色は見られない。……楽しそうだから良いけど。少年もたまらず表情を緩ませる。
「それ、クッキー?」
彼の手元を指差し、少年は尋ねる。
「はい。先日差し入れで手作りのマフィンを頂いたので、そのお返しにと思って……。気になりますか?」
「あっ、え」
あまりにも、熱心に彼の手元を見ていたのだろう。
「でもプレゼントならオレがいたら上手にできないと思う……」
「そう気負わなくても。これはまだ試作の段階ですし、心配無用ですな。それに、たとえ本番だとしても、君がよければお手伝いをお願いしたいです」
「いいの?」
頷いて調理台の前を開ける彼。
少年は調理台のキャビネットから折りたたみ式の踏み台を引っ張り出した。
「まずは好きな型を使って生地をくり抜いていきましょう♪」
「僕、鳥さんがいい!…っあ、オレェ……」
「…無理に変えなくてもいいのに」
優しく、でも少し乱暴に頭を撫でられた。
「……もうっ」
手を払う。ゆるく目を細める彼。
「鳥さん。蒼さんは鳥さんが好きなんですね?」
「?」
「いえ、少し気になったもので」
強引に話を逸らしたなと思いつつ、少年はクッキーの型を抜きながら今朝の出来事を話し始めた。
それは今朝の登校中のこと。昨夜の雨の影響でじっとりと湿った通学路を一列になって歩いていたとき。2本先の電信柱の下で黒い地面に小さな鳥が一羽、ちょこんと佇んでいるのが見えた。
「鳥がいる」
「どうしたんだろう」
「見てみようよ」
班の子どもたちは好奇心からその小鳥に近づいた。しかし、小鳥は数人に取り囲まれても一歩も動かない。どうやら雨で羽が濡れて飛べなくなってしまったらしい。
「どうしよう」
「近くの大人に言う?」
「早く行かないと遅刻するよ」
子ども達は口々に自分の意見を言うのでまとまらない。そのまま時間は過ぎていき、朝礼まで30分を切ってしまった。加えて小雨もポツポツ、服にシミを作り始めた。
「わぁ!雨だよ」
「鳥さん、ますます濡れちゃう」
みんながワタワタする中
「オレの傘かしてあげる」
少年は自分の傘を、雨から小鳥を守るようにして置いた。小鳥は相変わらず一歩も動かないで目をパチクリさせている。
1学年上の子の傘に入れてもらって、少年達は急いで学校へと向かった。
「そんなことが」
「そう、それでさっき走って帰ってきたんだよ」
「鳥さんのためだったんですね。優しい子」
「ふふ!」
「しかし、次からは必ず迎えが来るまで待つか、公衆電話から家にかけるようお願いしますな。風邪を引いてしまっては本末転倒でしょう」
「えーーー! 最後までほめてよ!! 巽兄のケチ!!」
話の腰を折る彼に、少年はわざとらしく膨れてみせた。彼は困り笑いで「ごめんね」と少年の頭を撫でる。
そんな茶番をしていると、オーブンがチーーーンと元気よく鳴った。クッキーを取りにいくニ人。オーブンからは甘い良い匂いがする。
開けてみると、トレーには綺麗な焼き菓子色をした小鳥が割れも欠けもせず均等に並んでいるではないか。ニ人は目を見合わせる。
期待以上の良いものができた。
「せっかくなので、傘を届けに来てくれたご近所さんにもお裾分けをしましょうか」
彼の一言に少年も頷き、トートバッグにラッピングしたクッキーを忍ばせると、二人はサンダル姿で外に出た。
外はもう今朝からの雨模様が嘘だったかのように晴れていて、空は青々としている。
それでも所々に雨の片鱗は残っていて、足元では水溜りが、木々や草花の上では露が、あちこちで太陽の光を反射して世界がキラキラ輝いて見える。そんな世界に陶酔していると、一羽の鳥が二人の横を飛び抜けた。
「あの子かなあ」「あの子だと良いですね」なんて二人で言い合いながら。
いつまでもこの世界で二人きり、ずっと一緒にいられますように。
少年はそう青空に願いをかけた。
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2024年5月 この範囲を古い順で読む
巽さんに自分は釣り合わないという思い込み(事実)から仮に巽さんと性交渉できたとしても俺のが短くて巽さんのいいトコに当たんないっていう妄想をしてしまう。この精神病の窓口はどこですか?
サイズは別に普通だと思ってるけど巽さんのgスポが深そう
#微妙な妄想
サイズは別に普通だと思ってるけど巽さんのgスポが深そう
#微妙な妄想
夜の街路樹ってほんのり街灯に照らされてて全部花が咲いてるように見えるんだよな
下心もクソもない頃の俺は巽さんのほくろの数を無邪気に数えたりして
#微妙な妄想
#微妙な妄想
イービルの巽さんを目前にして「やけに神々しい悪魔(淫魔)だな」って思いたい
俺の上で可憐に揺れてる巽さんを春風に吹かれて揺れる1輪のすずらんに例えてみたりして
「我慢せず、好きなだけ出してくださいね」
ってアルカイックスマイルの中に悪魔顔覗かせてくれ
我慢できなくなって俺が押し倒そうとしたら、押し倒すとこまではできてもこっちから触ろうとすると謎の力発揮されて人間(俺)は硬直してしまうんだよな
「すみません、貴方がたから触れられるのは禁止されているんです」
って俺に組み敷かれてるのに俺が動けないからって余裕そうな巽さんにお預け食らってtntnは痛いままで
そのまま出して彼の顔にかかってしまいたいな。流石に淫魔の力でもtntnの生理現象までは操れないという
巽さんが動揺した拍子に強制魔法が一瞬解けて、その隙に肩と腰を掴み奥の奥まで一気に突っ込みたい
エロ漫画みたいに
まぁ巽さんはそれでは逝かないので結局俺の方が搾り取られて完敗するんですけどね
最後窓から出てくときに
「ご馳走様でした…(妖艶な笑み)また機会があれば宜しくお願いしますな、人間さん♡」
って言ってスッと去ってく
次いつ会えるのかとかそもそも会いに来る気があるのかとか一切分かんないまま俺はずっともやもやさせられてるんだけど!!
#微妙な妄想
俺の上で可憐に揺れてる巽さんを春風に吹かれて揺れる1輪のすずらんに例えてみたりして
「我慢せず、好きなだけ出してくださいね」
ってアルカイックスマイルの中に悪魔顔覗かせてくれ
我慢できなくなって俺が押し倒そうとしたら、押し倒すとこまではできてもこっちから触ろうとすると謎の力発揮されて人間(俺)は硬直してしまうんだよな
「すみません、貴方がたから触れられるのは禁止されているんです」
って俺に組み敷かれてるのに俺が動けないからって余裕そうな巽さんにお預け食らってtntnは痛いままで
そのまま出して彼の顔にかかってしまいたいな。流石に淫魔の力でもtntnの生理現象までは操れないという
巽さんが動揺した拍子に強制魔法が一瞬解けて、その隙に肩と腰を掴み奥の奥まで一気に突っ込みたい
エロ漫画みたいに
まぁ巽さんはそれでは逝かないので結局俺の方が搾り取られて完敗するんですけどね
最後窓から出てくときに
「ご馳走様でした…(妖艶な笑み)また機会があれば宜しくお願いしますな、人間さん♡」
って言ってスッと去ってく
次いつ会えるのかとかそもそも会いに来る気があるのかとか一切分かんないまま俺はずっともやもやさせられてるんだけど!!
#微妙な妄想
2024年4月 この範囲を古い順で読む
買い物
7月初旬。全国的な梅雨明けが報道されるようになった頃、僕は玄関の戸棚から買ってもらったばかりの靴を取り出し、その履き心地を確かめていた。
ライトグリーンの下地に紫のラインが入った某人気ブランドの靴。「女の子みたいだね」と皆は言うけれど、僕はこの色の組み合わせをとても気に入っている。――残念ながら最近は雨続きで中々履く機会に恵まれなかったけど
『やっと外に履いていける。早くこれで走り出してしまいたい。』
はやる気持ちを抑え、足が靴に馴染むよう足をパタパタさせていると、奥の部屋から玄関に向かってくる足音があるのに気がついた。そそくさと立ち上がり、玄関口にて足音の主を待つ。まぁ足音の主とは概ね誰か予想がつくと思うが、今日は巽兄と夕飯の買い出しに行くことになっているのだ。
ようやく玄関に姿を見せた巽兄は、そんな「待ちきれない」と言わんばかりの僕を一瞥し、
「ちょっと待ってくださいね」
ゆったりとした動作で靴を履き始めた。どうもこのところ急な気圧の変化で調子が出ないらしい。昔はそんなことなかったらしいのだが
なんて、そんなことはお構いなしに僕は巽兄が靴を履き、立ち上がるのを確認するなり勢いよくスーパーに向かって走り出した。18時だというのにまだ空は明るい。生ぬるい湿った空気が纏わりつくこの感覚が気持ち悪いようで癖になる。
家からスーパーまでは徒歩5分。大人が走れば3分もかからないだろう。そんな道のりを走っては立ち止まり、振り返ってはまた走り出し、そんなことを繰り返しながら進んだ。
スーパーに着いて最初に目についたのは、入口を囲むようにしてずらりと並べられた野菜の苗。背丈が伸びたトマトや那須、胡瓜などの苗が小さなポットから大きくはみ出し、自らの重さで前傾している。まるでいつ訪れるのかも分からない買い手のことを待ちぼうけているようだ。
しゃがんでそれらを観察していると、やっと追いついたというように巽兄が僕に声をかけてきた。
「野菜の苗ですか。随分と成長してしまっているようですが」
僕はしゃがんだまま巽兄をじっと見つめ、買うまでここから動かないぞという意志を控えめに示してみた。特に何かを育ててみたいという訳ではなかったが、見ているうちになんだか可哀想になってきてしまったのだ。
そんな僕を見て困った顔をする巽兄。少し考える素振りをして
「……ふむ、そうですな。最近は葉野菜も収穫の頃合いを迎え、畑に空きができていますし……丁度良いのかもしれませんな」
ニコリと笑う。
「ですが、まずはこのメモにある買い物を済ませてしまいましょう。苗選びはその後です。さぁ立って。行きますよ」
巽兄に促されるまま僕は立ち上がり、その場をあとにした。
スーパーにて、僕は巽兄から頼まれた食材を大方調達し終えた後、知り合いと挨拶を交わす巽兄を尻目に、一目散にお菓子売り場へと向かった。
お気に入りのお菓子を一つ選び、巽兄の元へと持って行く。巽兄は一瞬「やられた」という表情をしたあと
「500円以内であればいいでしょう。ただし、他の子ども達と分け合うこと」
僕は大きく頷いた。巽兄から500円玉を受け取り、再びお菓子売り場へと向かう。子供用のカラフルなカゴを手に取って1列1列じっくりと、お菓子と値段を天秤にかけ精査する。施設に子どもは僕を含めて5人。一人100円とすると…。
カゴいっぱいのお菓子を抱え巽兄を探していると、彼も僕を探していたらしく
「次からは俺が行くまでその場で待っていてください。できますか?」
軽いお叱りを受けた。
この時間帯のレジは混み合っていて、僕達はできるだけ空いてるレーンを探し並んだ。巽兄が隣のレーンに並ぶ人から声をかけられる。相変わらず顔の広い人だ。僕は大人しく、レジ横の商品を見るなりして時間を潰すことにする。
レジ打ちが終わり、自動精算機に巽兄がお金を入れる。それと同時に、僕は商品の入ったカゴを台に運ぶ。家から持ってきたエコバックを広げて手早く詰める。重くて大きいものから順番に、軽くて潰れやすいものは上に。お菓子はポリ袋に小分けにして…。
僕は割とここに生きがいを感じている。買い物についてきたからには役に立ちたい。
今日は買うものが少なかったからか、巽兄が精算し終えるより先に詰め終えられた。僕は巽兄を見やりドヤる。気づいて微笑む巽兄。『見事です。前回よりも詰めるのが早くなったのでは?』こんな声が聞こえてくるようだ。
僕たちは小さな緑の実まで付けている萎びたトマトの苗と他に2,3本見繕ってスーパーをあとにした。
巽兄に買い物袋を持ってもらい、苗の方を2人で、袋の取手を片方ずつ持ち帰路につく。
道中、巽兄がふと寂しそうに
「ふふ、君はいつまで俺とこうして買い物に行ってくれるのでしょうか」
と言うので、僕は
「いっしょうだよ。一生一緒にいるんだから当たり前じゃん!」
と言い放ってやった。すると巽兄は屈託のない表情を浮かべて
「約束ですよ♪指切りしましょう」
『ゆびきりげんまん』を歌い始めた。夕焼け空の下、僕達の歌声が響く。
歌い終わって顔を見合わせ、ひとしきり笑ったあと、僕はなんだか照れくさくなって足元を見た。靴が目に入る。そしてやはり思うのだ。みんながどう言おうと、僕は巽兄とお揃いの色をしているこの靴を選んで良かったと。この色が、―――彼が大好きだと。
〈〈前の話 次の話〉〉
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7月初旬。全国的な梅雨明けが報道されるようになった頃、僕は玄関の戸棚から買ってもらったばかりの靴を取り出し、その履き心地を確かめていた。
ライトグリーンの下地に紫のラインが入った某人気ブランドの靴。「女の子みたいだね」と皆は言うけれど、僕はこの色の組み合わせをとても気に入っている。――残念ながら最近は雨続きで中々履く機会に恵まれなかったけど
『やっと外に履いていける。早くこれで走り出してしまいたい。』
はやる気持ちを抑え、足が靴に馴染むよう足をパタパタさせていると、奥の部屋から玄関に向かってくる足音があるのに気がついた。そそくさと立ち上がり、玄関口にて足音の主を待つ。まぁ足音の主とは概ね誰か予想がつくと思うが、今日は巽兄と夕飯の買い出しに行くことになっているのだ。
ようやく玄関に姿を見せた巽兄は、そんな「待ちきれない」と言わんばかりの僕を一瞥し、
「ちょっと待ってくださいね」
ゆったりとした動作で靴を履き始めた。どうもこのところ急な気圧の変化で調子が出ないらしい。昔はそんなことなかったらしいのだが
なんて、そんなことはお構いなしに僕は巽兄が靴を履き、立ち上がるのを確認するなり勢いよくスーパーに向かって走り出した。18時だというのにまだ空は明るい。生ぬるい湿った空気が纏わりつくこの感覚が気持ち悪いようで癖になる。
家からスーパーまでは徒歩5分。大人が走れば3分もかからないだろう。そんな道のりを走っては立ち止まり、振り返ってはまた走り出し、そんなことを繰り返しながら進んだ。
スーパーに着いて最初に目についたのは、入口を囲むようにしてずらりと並べられた野菜の苗。背丈が伸びたトマトや那須、胡瓜などの苗が小さなポットから大きくはみ出し、自らの重さで前傾している。まるでいつ訪れるのかも分からない買い手のことを待ちぼうけているようだ。
しゃがんでそれらを観察していると、やっと追いついたというように巽兄が僕に声をかけてきた。
「野菜の苗ですか。随分と成長してしまっているようですが」
僕はしゃがんだまま巽兄をじっと見つめ、買うまでここから動かないぞという意志を控えめに示してみた。特に何かを育ててみたいという訳ではなかったが、見ているうちになんだか可哀想になってきてしまったのだ。
そんな僕を見て困った顔をする巽兄。少し考える素振りをして
「……ふむ、そうですな。最近は葉野菜も収穫の頃合いを迎え、畑に空きができていますし……丁度良いのかもしれませんな」
ニコリと笑う。
「ですが、まずはこのメモにある買い物を済ませてしまいましょう。苗選びはその後です。さぁ立って。行きますよ」
巽兄に促されるまま僕は立ち上がり、その場をあとにした。
スーパーにて、僕は巽兄から頼まれた食材を大方調達し終えた後、知り合いと挨拶を交わす巽兄を尻目に、一目散にお菓子売り場へと向かった。
お気に入りのお菓子を一つ選び、巽兄の元へと持って行く。巽兄は一瞬「やられた」という表情をしたあと
「500円以内であればいいでしょう。ただし、他の子ども達と分け合うこと」
僕は大きく頷いた。巽兄から500円玉を受け取り、再びお菓子売り場へと向かう。子供用のカラフルなカゴを手に取って1列1列じっくりと、お菓子と値段を天秤にかけ精査する。施設に子どもは僕を含めて5人。一人100円とすると…。
カゴいっぱいのお菓子を抱え巽兄を探していると、彼も僕を探していたらしく
「次からは俺が行くまでその場で待っていてください。できますか?」
軽いお叱りを受けた。
この時間帯のレジは混み合っていて、僕達はできるだけ空いてるレーンを探し並んだ。巽兄が隣のレーンに並ぶ人から声をかけられる。相変わらず顔の広い人だ。僕は大人しく、レジ横の商品を見るなりして時間を潰すことにする。
レジ打ちが終わり、自動精算機に巽兄がお金を入れる。それと同時に、僕は商品の入ったカゴを台に運ぶ。家から持ってきたエコバックを広げて手早く詰める。重くて大きいものから順番に、軽くて潰れやすいものは上に。お菓子はポリ袋に小分けにして…。
僕は割とここに生きがいを感じている。買い物についてきたからには役に立ちたい。
今日は買うものが少なかったからか、巽兄が精算し終えるより先に詰め終えられた。僕は巽兄を見やりドヤる。気づいて微笑む巽兄。『見事です。前回よりも詰めるのが早くなったのでは?』こんな声が聞こえてくるようだ。
僕たちは小さな緑の実まで付けている萎びたトマトの苗と他に2,3本見繕ってスーパーをあとにした。
巽兄に買い物袋を持ってもらい、苗の方を2人で、袋の取手を片方ずつ持ち帰路につく。
道中、巽兄がふと寂しそうに
「ふふ、君はいつまで俺とこうして買い物に行ってくれるのでしょうか」
と言うので、僕は
「いっしょうだよ。一生一緒にいるんだから当たり前じゃん!」
と言い放ってやった。すると巽兄は屈託のない表情を浮かべて
「約束ですよ♪指切りしましょう」
『ゆびきりげんまん』を歌い始めた。夕焼け空の下、僕達の歌声が響く。
歌い終わって顔を見合わせ、ひとしきり笑ったあと、僕はなんだか照れくさくなって足元を見た。靴が目に入る。そしてやはり思うのだ。みんながどう言おうと、僕は巽兄とお揃いの色をしているこの靴を選んで良かったと。この色が、―――彼が大好きだと。
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2024年3月 この範囲を古い順で読む
ワンルーム
首筋を伝う汗。荒い息。斜陽に染まる白い肌。重なる手のひら。薄桃色の唇。
「……っふ……きて……ください……」
しっとりした腕が俺の背に回り、頭を包み込む。長い指がうなじを這って耳朶を挟む。
血が集中して末端は冷えてしまっているのか――それは俺も同じだ――巽の冷えた指の感触が、熱を持った皮膚に心地いい。思わず頬を擦り付けると、巽は鈴が鳴るように笑って両の手の平で俺の顔を挟み込み
「……愛しい人」
引き寄せて接吻をくれた。耳を塞がれたまま
ぢゅっ……ちゅっ
水気を多分に含んだ接吻の音が脳内で官能的に響く。四つん這いで巽の唇を貪っている俺は指の間に煎餅布団を食い込ませ必死で体重を支える。
じゅるっ……ちゅっ…ぢゅっ……
半袖から伸びる白くてしなやかな腕。露わになる、白い腋。近くで見るときめが細かくて、青い筋がうっすら透けるのが病的なような健康的なような。
「……! ……妙なところを責めますな」
苦い顔をする彼に「いいでしょ」と言えば「まぁ、あなたがいいなら俺は」彼は咎めず舐めさせてくれる。
彼の腋は汗の味がする。塩気が薄くて仄かにミネラルを感じる、男の味。
「……ふふ。そろそろくすぐったいのですが」
首をもたげると、目の前には困った子供をあやす様な顔があった。言葉にはしないものの「これに何の意味が?」と問いかけている。
大人しく姿勢を起こす……。
巽は布団の上で器用に身を捩らせ、半袖を脱ぐと上裸になった。透けるような肌だが、付くとこには付いたバランスのいい筋肉。隆起した鎖骨や肋骨のライン。触れば程よい弾力が感じられるのであろう、立派な胸部にはピンクベージュの飾りがついている。西の陽光が陰影を作る。
白いシーツに躍り出た、パティシエ渾身の一品。皿に盛られたデザートをどう食べるのが正解なのか凡夫な俺には想像もつかない。困り果てた俺を見かねた巽は
「手伝います」
手を取って自分の胸に当てた。波打つ心臓が手の平を伝ってドーパミンを絞り出してくる。巽の鼓動に合わせてドクンドクンと脈を打つ。次第に俺たちの心音は全く同じリズムを刻むようになった。
次は、と問う前に巽は恋人繋ぎの真似事をして俺の指を掴むと自分の乳首へと当てがった。中指と薬指を使われて、健気に勃ったそれを軽く撫でさせられる。
他人の指を自慰の道具にする巽を、俺はじっくり観察した。普段自分勝手なことなどできない彼が――と思うと感慨深い。暫く「んっ……」とか「っ……」とか悩ましげに漏らしていたが、俺がじっと見ているのに気が付いたのか徐に手を離すと
「いや……ですか?」
不安そうに首をかしげる。
かぶりを振って思いっきり乳首をつねった。
「んああっ…………!!」
痛い? と聞くと巽は目をぎゅっと瞑りながら首を横に振った。もう一度つねる。
「んっ!」
赤く充血した乳首に顔を近づけ、慰むように優しく舐める。頭上で呼気が穏やかになっていくのを感じる。舌の根元を使ってゆっくり舐め上げ、最後に軽く歯を立てる。
「ッ……はっ…………」
左の親指と人差し指で左の乳首をこねる。右の乳首を噛んだり舐めたり。
「まってくださ…………」
俺は空いた右の手で短パンの上から巽の股間をさする。同時に左乳首に爪を立て乳頭の窪みを軽く引っ掛く。
「っふ……もう、……くるしい……です……」
服の上の膨らみを感知し、乳首を虐めるのを止め股間へと顔を下ろした。まずは短パンを脱がせ、蒸れて先が群青色になった青基調の幾何学模様のトランクスと対面する。トップから汁が溢れている。しかし不思議なことにアンモニアの匂いが一切しない。行為の前に丁寧に洗ってくれたのだろうか。そんなことしなくていいのに……。
慎重にトランクスを滑らせていく。弾けようとするソレを布が押さえる。際の際でそれ以上下ろすのを止め、焦らす。ぐぐ……と硬くなった先っぽが布を押し上げ、遂に
ぶるんっっ
立派な勃起ちんこが。
俺は口にくわえた。
「……そんな、いいのに……」
口では言いつつよがって手の平を俺の頭に押し付けてくる。内腿と膝に力が入っている。
逸品を亀頭から玉まで美味しく頬張った。
じゅぱっ……っぽ……ぢゅるっ
彼のちんこは無味無臭。いくら爽やかイケメンったって人間味がなさすぎる。
皮の間も掃除する。舌を溝に沿わして。
じゅるるっ……
「…………っ!!」
手で握って上下運動を繰り返しながら、カリに唇を引っかけ浅くフェラをする。
徐々にカウパーが溢れてきて扱く手も早くなる。
「うっ……! あ゛…………!」
イきそうな声を上げた彼を根元を抑えて阻止。内腿が打ち震えている。
「……ッッ…………意地の、悪い……」
恨めしそうに見てくる彼に悪戯に笑いかける。彼の眉が呆れたように開かれた。
俺は垂直を保ったままのソレに跨って、ゆっくり腰を落としていく。
自前に準備していたので容易に奥まで入ってくる。反りっ立ったソレが肉壁を圧迫する。形は覚えてしまっている。
ずちゅ……ずちゅ……
最初は包み込むようなピストン。俺たちが一体となれるように根本で抜き差しを繰り返す。腹の中に彼のモノがあると考えるだけで熱いものが込み上げる。
「っ……はっ…はっ…………」
彼が焦ったような熱い吐息を零す。俺は床に手をついて腰を使ったピストンに移る。
ぱちゅっぱちゅっぱちゅっ
顔中に熱が集まるのを感じる。額から汗が染みだす。目をギュッとつぶって、さらにピストンを激しくする。
ぱんぱんぱん
背筋に電流が走った瞬間があって精管から尿道を白いものが駆け巡る。
う゛っ……あ゛あ゛っ
吐き出して、俺のは芯を失い床を向いた。
俺は軽く深呼吸を繰り返して呼吸を整すと、モノをケツから抜きティッシュで拭いて風呂場に持っていった。
そのままシャワーを浴びて部屋着に着替え、一人分の夕飯を作ってテレビの前に座する。ビールのプルタブをカシュッと鳴らして電源を点ければ、丁度ALKALOIDの冠番組が始まるところだった。緑髪の男の子が丁寧にお辞儀する。
――風早巽君。
数年前、音楽番組で新曲を披露する彼に俺は一目惚れをした。それからはライブに行ったり番組を追ったり、推し活をしている。
巽君はきっと俺のことも、おかずにされていることも知らない。俺だけが彼を想い楽しんでいるだけでいいのだ。
「好きだよ…」
独り言が出てしまう。
巽君がカメラに向かって笑いかける。愛しい人を見つめるみたいに。
ワンルーム(終)
〈〈前の話
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首筋を伝う汗。荒い息。斜陽に染まる白い肌。重なる手のひら。薄桃色の唇。
「……っふ……きて……ください……」
しっとりした腕が俺の背に回り、頭を包み込む。長い指がうなじを這って耳朶を挟む。
血が集中して末端は冷えてしまっているのか――それは俺も同じだ――巽の冷えた指の感触が、熱を持った皮膚に心地いい。思わず頬を擦り付けると、巽は鈴が鳴るように笑って両の手の平で俺の顔を挟み込み
「……愛しい人」
引き寄せて接吻をくれた。耳を塞がれたまま
ぢゅっ……ちゅっ
水気を多分に含んだ接吻の音が脳内で官能的に響く。四つん這いで巽の唇を貪っている俺は指の間に煎餅布団を食い込ませ必死で体重を支える。
じゅるっ……ちゅっ…ぢゅっ……
半袖から伸びる白くてしなやかな腕。露わになる、白い腋。近くで見るときめが細かくて、青い筋がうっすら透けるのが病的なような健康的なような。
「……! ……妙なところを責めますな」
苦い顔をする彼に「いいでしょ」と言えば「まぁ、あなたがいいなら俺は」彼は咎めず舐めさせてくれる。
彼の腋は汗の味がする。塩気が薄くて仄かにミネラルを感じる、男の味。
「……ふふ。そろそろくすぐったいのですが」
首をもたげると、目の前には困った子供をあやす様な顔があった。言葉にはしないものの「これに何の意味が?」と問いかけている。
大人しく姿勢を起こす……。
巽は布団の上で器用に身を捩らせ、半袖を脱ぐと上裸になった。透けるような肌だが、付くとこには付いたバランスのいい筋肉。隆起した鎖骨や肋骨のライン。触れば程よい弾力が感じられるのであろう、立派な胸部にはピンクベージュの飾りがついている。西の陽光が陰影を作る。
白いシーツに躍り出た、パティシエ渾身の一品。皿に盛られたデザートをどう食べるのが正解なのか凡夫な俺には想像もつかない。困り果てた俺を見かねた巽は
「手伝います」
手を取って自分の胸に当てた。波打つ心臓が手の平を伝ってドーパミンを絞り出してくる。巽の鼓動に合わせてドクンドクンと脈を打つ。次第に俺たちの心音は全く同じリズムを刻むようになった。
次は、と問う前に巽は恋人繋ぎの真似事をして俺の指を掴むと自分の乳首へと当てがった。中指と薬指を使われて、健気に勃ったそれを軽く撫でさせられる。
他人の指を自慰の道具にする巽を、俺はじっくり観察した。普段自分勝手なことなどできない彼が――と思うと感慨深い。暫く「んっ……」とか「っ……」とか悩ましげに漏らしていたが、俺がじっと見ているのに気が付いたのか徐に手を離すと
「いや……ですか?」
不安そうに首をかしげる。
かぶりを振って思いっきり乳首をつねった。
「んああっ…………!!」
痛い? と聞くと巽は目をぎゅっと瞑りながら首を横に振った。もう一度つねる。
「んっ!」
赤く充血した乳首に顔を近づけ、慰むように優しく舐める。頭上で呼気が穏やかになっていくのを感じる。舌の根元を使ってゆっくり舐め上げ、最後に軽く歯を立てる。
「ッ……はっ…………」
左の親指と人差し指で左の乳首をこねる。右の乳首を噛んだり舐めたり。
「まってくださ…………」
俺は空いた右の手で短パンの上から巽の股間をさする。同時に左乳首に爪を立て乳頭の窪みを軽く引っ掛く。
「っふ……もう、……くるしい……です……」
服の上の膨らみを感知し、乳首を虐めるのを止め股間へと顔を下ろした。まずは短パンを脱がせ、蒸れて先が群青色になった青基調の幾何学模様のトランクスと対面する。トップから汁が溢れている。しかし不思議なことにアンモニアの匂いが一切しない。行為の前に丁寧に洗ってくれたのだろうか。そんなことしなくていいのに……。
慎重にトランクスを滑らせていく。弾けようとするソレを布が押さえる。際の際でそれ以上下ろすのを止め、焦らす。ぐぐ……と硬くなった先っぽが布を押し上げ、遂に
ぶるんっっ
立派な勃起ちんこが。
俺は口にくわえた。
「……そんな、いいのに……」
口では言いつつよがって手の平を俺の頭に押し付けてくる。内腿と膝に力が入っている。
逸品を亀頭から玉まで美味しく頬張った。
じゅぱっ……っぽ……ぢゅるっ
彼のちんこは無味無臭。いくら爽やかイケメンったって人間味がなさすぎる。
皮の間も掃除する。舌を溝に沿わして。
じゅるるっ……
「…………っ!!」
手で握って上下運動を繰り返しながら、カリに唇を引っかけ浅くフェラをする。
徐々にカウパーが溢れてきて扱く手も早くなる。
「うっ……! あ゛…………!」
イきそうな声を上げた彼を根元を抑えて阻止。内腿が打ち震えている。
「……ッッ…………意地の、悪い……」
恨めしそうに見てくる彼に悪戯に笑いかける。彼の眉が呆れたように開かれた。
俺は垂直を保ったままのソレに跨って、ゆっくり腰を落としていく。
自前に準備していたので容易に奥まで入ってくる。反りっ立ったソレが肉壁を圧迫する。形は覚えてしまっている。
ずちゅ……ずちゅ……
最初は包み込むようなピストン。俺たちが一体となれるように根本で抜き差しを繰り返す。腹の中に彼のモノがあると考えるだけで熱いものが込み上げる。
「っ……はっ…はっ…………」
彼が焦ったような熱い吐息を零す。俺は床に手をついて腰を使ったピストンに移る。
ぱちゅっぱちゅっぱちゅっ
顔中に熱が集まるのを感じる。額から汗が染みだす。目をギュッとつぶって、さらにピストンを激しくする。
ぱんぱんぱん
背筋に電流が走った瞬間があって精管から尿道を白いものが駆け巡る。
う゛っ……あ゛あ゛っ
吐き出して、俺のは芯を失い床を向いた。
俺は軽く深呼吸を繰り返して呼吸を整すと、モノをケツから抜きティッシュで拭いて風呂場に持っていった。
そのままシャワーを浴びて部屋着に着替え、一人分の夕飯を作ってテレビの前に座する。ビールのプルタブをカシュッと鳴らして電源を点ければ、丁度ALKALOIDの冠番組が始まるところだった。緑髪の男の子が丁寧にお辞儀する。
――風早巽君。
数年前、音楽番組で新曲を披露する彼に俺は一目惚れをした。それからはライブに行ったり番組を追ったり、推し活をしている。
巽君はきっと俺のことも、おかずにされていることも知らない。俺だけが彼を想い楽しんでいるだけでいいのだ。
「好きだよ…」
独り言が出てしまう。
巽君がカメラに向かって笑いかける。愛しい人を見つめるみたいに。
ワンルーム(終)
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朝、散歩帰りのファミレスで
朝の礼拝の後、俺は巽さんと散歩に出かけました。彼は当時から大人気アイドルであり、タレントであり、俳優でありましたから、俺にとってこのような機会を得られたのは約2週間ぶりのことでした。
俺達は1時間ほど歩きながら話しました。といっても、俺が一方的に喋っていただけのように記憶していますが――それはもう会えなかった分の時間を埋めるように。それでも彼は相槌を打ちながら笑顔で俺の手を引いてくれていたように思います。
その帰り道、ファミレスを見つけた彼は
「そういえば、喉が渇きましたな。あそこで少し休憩していきませんか?」
と提案しました。
俺はもちろん了承し2人で店に入りました。
早朝のファミレスは人影もまばらで、従業員も1、2人程度だったと思います。
店内は涼しくて薄暗く、辛うじて窓から差し込む朝日が窓辺から店の中央にあるドリンクバーをほんのり照らしていました。
俺達は窓際のソファーテーブルに腰掛け、メニューを開きました。
店内が薄暗いだけに日差しがより一層強く感じられ、ブラインドを降ろそうと、向こう側にある紐に視線をやりました。
しかし、光のコントラストを浴びる彼があまりにも美しくて…そんな気持ちもスッと消えていきました。
メニュに一通り目を通し、俺はプリンのパフェ、彼は紅茶を頼みました。俺達は食事が運ばれて来るまで会話の続きを楽しみました。
しばらくするとネコ型の配膳ロボットが軽快な音楽を奏でながら俺達のテーブルに向かってきました。
食事を受け取り、彼はロボットを返そうとタブレット操作をしますが、手こずっているようで、ロボットが
「冷めちゃうにゃー!」
と鳴きました。彼は
「はは、怒られてしまいました。いつまで経っても慣れないものですな」
と困ったように笑い、やっとのことでロボットは帰っていきました。
俺はそんな彼が愛おしくて、自分のプリンを取り皿に移し、彼に差し出しました。
最初は遠慮していた彼も俺があまりにもしつこく勧めるものですから、結局は折れて受け取ってくれました。
「美味しいです。ありがとうございます」
彼は一口食べてそう言いました。あんまり俺が見るもので食べにくそうでしたが、俺は彼の食べる姿を見るのが大好きでした。特に彼の一口が大きいところが好きで、その時もスプーンいっぱいのプリンを一気に口に放り込んでおり、すごく満たされた気分になりました。いっぱい食べてる訳ではないのですが、いっぱい食べる君が好きです。
俺達が会話に夢中になっていても時間は流れていきます。気づいたときには先程までパフェだったものがカラメルソース、苺ソース、バニラアイスの混濁した激甘な汁になっていました。幸い、ちまちまと消費していたホイップクリームは端のほうに残っていたものの、残念に思いつつ汁を啜っていると
「それだけでは味気ないでしょう。俺はもう十分いただいたので、あとは蒼さんが召し上がってください」
彼は先のプリンを差し出しました。
「えー! いいのー?」
遠慮のえの字もなく俺は、片手にスプーンを握ったまま若干掠め取るように受け取りました。しかし、プリンを目の前にして漸く気付きました。
それは一口しか手を付けられていなかったのです。
顔からボッと火が出た気がしました。自分が彼を、子どものままごとに付き合わせていたのだという事実が胸に落ちてきたのです。
さも彼に尽くせたかのような気になり優越に浸っていた時間を恥ずかしく思いました。
俺は気を紛らわすため残っていたホイップクリームを一気に口に放り込みました。もちろん綺麗に食べられるわけはなく、口の周りはもちろん鼻先までクリームまみれになりました。
彼はそんな俺を見てふふ。と笑い、紙ナプキンを手に取りこちらに身を乗り出しました。
「口の端についていますな。拭ってさしあげますから、顔をこちらにお寄せなさい」
相変わらず子ども扱いする様子の彼に理不尽にも少しヤキモキしました。机に手を置き立ち上がり、ぶっきらぼうに顔を突き出します。
そんな俺に気を遣ったのか、彼は緩んだ口元をきゅっと結びクリームを綺麗に取り去ってくれました。
「はい。もう動いて大丈夫ですよ……♪」
あれから十数年。今思うと巽さんは朝からプリンを食べるような気分ではなかったのだと思います。それでも幼子の気持ちを無下にしないために一口食べてくれたのでしょう。もしかすると、俺が後悔するのを見越して残してくれていたのかもしれません。
真相は分かりませんが、あの日の自分は彼の庇護下にある、まるで未熟な子どもでした。そんな自分が羨ましくもあり、彼の膝下を離れた今でも思い返す度に心がじんわり温まります。
〈〈前の話 次の話〉〉
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朝の礼拝の後、俺は巽さんと散歩に出かけました。彼は当時から大人気アイドルであり、タレントであり、俳優でありましたから、俺にとってこのような機会を得られたのは約2週間ぶりのことでした。
俺達は1時間ほど歩きながら話しました。といっても、俺が一方的に喋っていただけのように記憶していますが――それはもう会えなかった分の時間を埋めるように。それでも彼は相槌を打ちながら笑顔で俺の手を引いてくれていたように思います。
その帰り道、ファミレスを見つけた彼は
「そういえば、喉が渇きましたな。あそこで少し休憩していきませんか?」
と提案しました。
俺はもちろん了承し2人で店に入りました。
早朝のファミレスは人影もまばらで、従業員も1、2人程度だったと思います。
店内は涼しくて薄暗く、辛うじて窓から差し込む朝日が窓辺から店の中央にあるドリンクバーをほんのり照らしていました。
俺達は窓際のソファーテーブルに腰掛け、メニューを開きました。
店内が薄暗いだけに日差しがより一層強く感じられ、ブラインドを降ろそうと、向こう側にある紐に視線をやりました。
しかし、光のコントラストを浴びる彼があまりにも美しくて…そんな気持ちもスッと消えていきました。
メニュに一通り目を通し、俺はプリンのパフェ、彼は紅茶を頼みました。俺達は食事が運ばれて来るまで会話の続きを楽しみました。
しばらくするとネコ型の配膳ロボットが軽快な音楽を奏でながら俺達のテーブルに向かってきました。
食事を受け取り、彼はロボットを返そうとタブレット操作をしますが、手こずっているようで、ロボットが
「冷めちゃうにゃー!」
と鳴きました。彼は
「はは、怒られてしまいました。いつまで経っても慣れないものですな」
と困ったように笑い、やっとのことでロボットは帰っていきました。
俺はそんな彼が愛おしくて、自分のプリンを取り皿に移し、彼に差し出しました。
最初は遠慮していた彼も俺があまりにもしつこく勧めるものですから、結局は折れて受け取ってくれました。
「美味しいです。ありがとうございます」
彼は一口食べてそう言いました。あんまり俺が見るもので食べにくそうでしたが、俺は彼の食べる姿を見るのが大好きでした。特に彼の一口が大きいところが好きで、その時もスプーンいっぱいのプリンを一気に口に放り込んでおり、すごく満たされた気分になりました。いっぱい食べてる訳ではないのですが、いっぱい食べる君が好きです。
俺達が会話に夢中になっていても時間は流れていきます。気づいたときには先程までパフェだったものがカラメルソース、苺ソース、バニラアイスの混濁した激甘な汁になっていました。幸い、ちまちまと消費していたホイップクリームは端のほうに残っていたものの、残念に思いつつ汁を啜っていると
「それだけでは味気ないでしょう。俺はもう十分いただいたので、あとは蒼さんが召し上がってください」
彼は先のプリンを差し出しました。
「えー! いいのー?」
遠慮のえの字もなく俺は、片手にスプーンを握ったまま若干掠め取るように受け取りました。しかし、プリンを目の前にして漸く気付きました。
それは一口しか手を付けられていなかったのです。
顔からボッと火が出た気がしました。自分が彼を、子どものままごとに付き合わせていたのだという事実が胸に落ちてきたのです。
さも彼に尽くせたかのような気になり優越に浸っていた時間を恥ずかしく思いました。
俺は気を紛らわすため残っていたホイップクリームを一気に口に放り込みました。もちろん綺麗に食べられるわけはなく、口の周りはもちろん鼻先までクリームまみれになりました。
彼はそんな俺を見てふふ。と笑い、紙ナプキンを手に取りこちらに身を乗り出しました。
「口の端についていますな。拭ってさしあげますから、顔をこちらにお寄せなさい」
相変わらず子ども扱いする様子の彼に理不尽にも少しヤキモキしました。机に手を置き立ち上がり、ぶっきらぼうに顔を突き出します。
そんな俺に気を遣ったのか、彼は緩んだ口元をきゅっと結びクリームを綺麗に取り去ってくれました。
「はい。もう動いて大丈夫ですよ……♪」
あれから十数年。今思うと巽さんは朝からプリンを食べるような気分ではなかったのだと思います。それでも幼子の気持ちを無下にしないために一口食べてくれたのでしょう。もしかすると、俺が後悔するのを見越して残してくれていたのかもしれません。
真相は分かりませんが、あの日の自分は彼の庇護下にある、まるで未熟な子どもでした。そんな自分が羨ましくもあり、彼の膝下を離れた今でも思い返す度に心がじんわり温まります。
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桜並木の手のひら
午後10時半、周りはとっくに寝息をたてているというのに少年にはいくら経っても眠気というものがやってこない。むしろギンギンである。何度か体制を変えて入眠を試みたが敢え無く失敗。諦めて一旦なにか飲み物を取りに行くことにした。
少年が何故こんなにも眠るのに苦労しているのかというと、なんせ明日は小学校の入学式なのである。
少年は年少の頃からずっと小学生というものに憧れがあった。小学生というものは一人で明日の準備ができ、一人で起きることができ、買い物にだって一人で行ける。小学生になれば突然そういったことができるようになると信じて疑わなかった。
台所に着くと先客が居た。風早巽さんだ。何やら一生懸命にせっせと作っているようでこちらには気がついていない。
少年はニヤリと笑って、足音を立てないよう近づいた。ソロリソロリ。あと少し。
その時
「立ち去れ悪魔め!」
バッと彼が振り返り叫んだ。
少年は驚いて尻餅をつく。
慌てて駆けつける彼。
「大丈夫ですか?!すみません、まさか蒼さんだとは思い至らず…。立てますか?」
彼の手を借りて立ち上がる少年。照れ隠しに太ももあたりをパッパと払う。
「……何してたの?」
彼の眉尻が下がる。
「夜食用におにぎりを握っていたんですよ。夜遅くまで作業している方たちがいるので」
廊下の奥に目をやる2人。電気がついている部屋がいくつか。
「蒼さんの方こそ、こんな遅くにどうされたんですか? 明日には大事な式が控えているのですし、もう寝たものかと思っていましたよ?」
叱られると思った少年は少しの沈黙を挟んだ。
そして彼の目線をちらりと盗んでから正直に打ち明けた。
「なんか、眠れない」
すると
「ふふ。……実を言うと俺も同じです」
彼は自身の肩に頬を寄せ、やや苦味走った微笑をみせた。
「この間まであんなに小さかった君が大勢を前にする姿を想像すると、俺のほうが緊張してしまいましてな。参ってしまいます」
その告白を聞いた途端、少年の心は跳ね上がった。
「ぼくも!ぼくもキンチョーしてる!」
眠れない気持ちの正体がはっきりわかったこと。なにより、自分と同じ気持ちを彼も抱いていたこと。
台所に並ぶ大きな影と小さな影。
午後11時ちょっと過ぎ、二人は眠気が訪れるその時まで、一緒におにぎりを握った。
入学式当日の朝、カーテンの開くシャッという音と共に少年は目覚めた。
「さぁ、朝です。皆さん、各々顔を洗ったら着替えて朝食を摂りに来てください」
彼の掛け声の下、子供たちはベッドからむくりと起き上がると、それぞれ洗面所やお手洗いへと向かう。
少年もフラフラとした足取りで洗面所へと向かい、顔を洗ってそこで気が付いた。
『一人で起きれてないな』
まぁ、今日は小学生1日目なので仕方ない。そう開き直って顔の水分を拭き取った。
入学式の会場へと続く桜並木。
ぶかぶかの制服に身を包んだ少年。
ランドセルに背負われているよう。
隣にはスーツを真面目にきっちり着こなす彼。途中幼稚園が一緒だった面子を何人か見かけて挨拶をした。
「牧師さんだ!」なんて無邪気な声も何度か聞こえてくる。
学校の校門付近まで来て、少年の足は途端に動かなくなった。無意識に抱えていた不安が式を目前にして大きな塊となって襲いかかってきたのだ。
実はこの少年、幼稚園の卒園式に参加できていない。というのも、練習の時点で自分の番となると緊張で泣き出してしまい本番どころではなかったのだ。今回の式も、少年の大きな負担になるならと欠席も考えたのだが、少年自ら参加したいとのことで今日を迎えた。
全てを見てきた巽は少年の気持ちが痛いほどよく分かる。俯いて、今にも蹲ってしまいそうな少年の名前を呼ぶ。こちらを仰ぎ見る少年の顔は案の定、泣く寸前だった。
今すぐ抱きしめてやりたい。そんな気持ちを押し殺して巽は
「俺が一緒ですな」
と手を差し出す。
一瞬駄目かもしれないと思った。この手を取らずにその場に蹲ったとき、自分がこの子を抱いて、来た道を戻ろうと。
しかし、そんな巽の予想に反して少年は、グッと姿勢を正して巽の手を取った後
「だいじょうぶ」
そう言って、空いている方の手で涙を拭い、巽の手を引いて歩き出した。
巽は呆気にとられる。そして我に返った後、少年がどれほどこの日を楽しみに、乗り越えようとしてきたのか思い至った。
昨日の夜だって眠れなかった、あの横顔を思い出す。
何事もなく入学式が終わって、新一年生たちが親のもとに帰ってくる。生徒たちの表情は泣いてたり笑っていたり様々だ。
少年は、というと清々しい顔をしてこちらへ向かって走ってくる。
巽はそんな少年を誇らしげに見つめ、両手を広げ抱きとめる準備をした。
そうして屈みかけたところで、小さく首を振り、屈むのをやめた。
〈〈前の話 次の話〉〉
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午後10時半、周りはとっくに寝息をたてているというのに少年にはいくら経っても眠気というものがやってこない。むしろギンギンである。何度か体制を変えて入眠を試みたが敢え無く失敗。諦めて一旦なにか飲み物を取りに行くことにした。
少年が何故こんなにも眠るのに苦労しているのかというと、なんせ明日は小学校の入学式なのである。
少年は年少の頃からずっと小学生というものに憧れがあった。小学生というものは一人で明日の準備ができ、一人で起きることができ、買い物にだって一人で行ける。小学生になれば突然そういったことができるようになると信じて疑わなかった。
台所に着くと先客が居た。風早巽さんだ。何やら一生懸命にせっせと作っているようでこちらには気がついていない。
少年はニヤリと笑って、足音を立てないよう近づいた。ソロリソロリ。あと少し。
その時
「立ち去れ悪魔め!」
バッと彼が振り返り叫んだ。
少年は驚いて尻餅をつく。
慌てて駆けつける彼。
「大丈夫ですか?!すみません、まさか蒼さんだとは思い至らず…。立てますか?」
彼の手を借りて立ち上がる少年。照れ隠しに太ももあたりをパッパと払う。
「……何してたの?」
彼の眉尻が下がる。
「夜食用におにぎりを握っていたんですよ。夜遅くまで作業している方たちがいるので」
廊下の奥に目をやる2人。電気がついている部屋がいくつか。
「蒼さんの方こそ、こんな遅くにどうされたんですか? 明日には大事な式が控えているのですし、もう寝たものかと思っていましたよ?」
叱られると思った少年は少しの沈黙を挟んだ。
そして彼の目線をちらりと盗んでから正直に打ち明けた。
「なんか、眠れない」
すると
「ふふ。……実を言うと俺も同じです」
彼は自身の肩に頬を寄せ、やや苦味走った微笑をみせた。
「この間まであんなに小さかった君が大勢を前にする姿を想像すると、俺のほうが緊張してしまいましてな。参ってしまいます」
その告白を聞いた途端、少年の心は跳ね上がった。
「ぼくも!ぼくもキンチョーしてる!」
眠れない気持ちの正体がはっきりわかったこと。なにより、自分と同じ気持ちを彼も抱いていたこと。
台所に並ぶ大きな影と小さな影。
午後11時ちょっと過ぎ、二人は眠気が訪れるその時まで、一緒におにぎりを握った。
入学式当日の朝、カーテンの開くシャッという音と共に少年は目覚めた。
「さぁ、朝です。皆さん、各々顔を洗ったら着替えて朝食を摂りに来てください」
彼の掛け声の下、子供たちはベッドからむくりと起き上がると、それぞれ洗面所やお手洗いへと向かう。
少年もフラフラとした足取りで洗面所へと向かい、顔を洗ってそこで気が付いた。
『一人で起きれてないな』
まぁ、今日は小学生1日目なので仕方ない。そう開き直って顔の水分を拭き取った。
入学式の会場へと続く桜並木。
ぶかぶかの制服に身を包んだ少年。
ランドセルに背負われているよう。
隣にはスーツを真面目にきっちり着こなす彼。途中幼稚園が一緒だった面子を何人か見かけて挨拶をした。
「牧師さんだ!」なんて無邪気な声も何度か聞こえてくる。
学校の校門付近まで来て、少年の足は途端に動かなくなった。無意識に抱えていた不安が式を目前にして大きな塊となって襲いかかってきたのだ。
実はこの少年、幼稚園の卒園式に参加できていない。というのも、練習の時点で自分の番となると緊張で泣き出してしまい本番どころではなかったのだ。今回の式も、少年の大きな負担になるならと欠席も考えたのだが、少年自ら参加したいとのことで今日を迎えた。
全てを見てきた巽は少年の気持ちが痛いほどよく分かる。俯いて、今にも蹲ってしまいそうな少年の名前を呼ぶ。こちらを仰ぎ見る少年の顔は案の定、泣く寸前だった。
今すぐ抱きしめてやりたい。そんな気持ちを押し殺して巽は
「俺が一緒ですな」
と手を差し出す。
一瞬駄目かもしれないと思った。この手を取らずにその場に蹲ったとき、自分がこの子を抱いて、来た道を戻ろうと。
しかし、そんな巽の予想に反して少年は、グッと姿勢を正して巽の手を取った後
「だいじょうぶ」
そう言って、空いている方の手で涙を拭い、巽の手を引いて歩き出した。
巽は呆気にとられる。そして我に返った後、少年がどれほどこの日を楽しみに、乗り越えようとしてきたのか思い至った。
昨日の夜だって眠れなかった、あの横顔を思い出す。
何事もなく入学式が終わって、新一年生たちが親のもとに帰ってくる。生徒たちの表情は泣いてたり笑っていたり様々だ。
少年は、というと清々しい顔をしてこちらへ向かって走ってくる。
巽はそんな少年を誇らしげに見つめ、両手を広げ抱きとめる準備をした。
そうして屈みかけたところで、小さく首を振り、屈むのをやめた。
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憂鬱な日曜日
「いや゛ぁっ!!!」
突き刺すような声が冬の空気を震わせた。
「蒼さんっ!」
「いかないっ! いかないよ!!!」
伸ばされた青年の手を、幼子は振り払って駆け出した。
今日は教会の炊き出しの日。
子は主催元の教会の孤児で、青年はそこの牧師である。
炊き出しが行われる10時よりも前から会場には人が集まっており、教会関係者やボランティアの人々は準備で忙しそうだ。子もその手伝いをしなくてはならないはずだが、とてもそんな状態ではなさそうで。
子は教会の裏の空きビルの影に逃げ込んだ。
『にげてきちゃった。おにいちゃんガッカリした。でも、しらないひと、こわい…。でも』
うずくまり一人で悶々としていた。
1月の初旬。太陽が出ているとはいえ真冬の日陰となれば凍えるような寒さだ。子の頭は上手く回ってくれない。
『ごめんなさい、ごめんなさい、じょうずにできなくて。わるいぼくなんて、しんじゃえ』
どれ程の時間そうしていたのだろうか。爪が完全に青くなってしまった頃、ふっと自分にかかる影が濃くなった。
子は咄嗟に顔を上げて
「……………………」
こわばっていた筋肉が緩み、目頭から目尻にかけて涙がドバっと溢れる感覚が込み上げた。
「ここにいましたか、探しましたよ? 」
ホッとした表情の青年は
「さぁ、召し上がれ」
手元が見えないほど湯気が立つ豚汁を割り箸と一緒に子に手渡した。
「こんなに指先を冷やして……。可哀想に……寒かったでしょう?」
着ていたコートを脱ぎ、華奢な体を包みこむ。
コートからは爽やかながらも暖かみを感じる、甘い匂いがした。
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「いや゛ぁっ!!!」
突き刺すような声が冬の空気を震わせた。
「蒼さんっ!」
「いかないっ! いかないよ!!!」
伸ばされた青年の手を、幼子は振り払って駆け出した。
今日は教会の炊き出しの日。
子は主催元の教会の孤児で、青年はそこの牧師である。
炊き出しが行われる10時よりも前から会場には人が集まっており、教会関係者やボランティアの人々は準備で忙しそうだ。子もその手伝いをしなくてはならないはずだが、とてもそんな状態ではなさそうで。
子は教会の裏の空きビルの影に逃げ込んだ。
『にげてきちゃった。おにいちゃんガッカリした。でも、しらないひと、こわい…。でも』
うずくまり一人で悶々としていた。
1月の初旬。太陽が出ているとはいえ真冬の日陰となれば凍えるような寒さだ。子の頭は上手く回ってくれない。
『ごめんなさい、ごめんなさい、じょうずにできなくて。わるいぼくなんて、しんじゃえ』
どれ程の時間そうしていたのだろうか。爪が完全に青くなってしまった頃、ふっと自分にかかる影が濃くなった。
子は咄嗟に顔を上げて
「……………………」
こわばっていた筋肉が緩み、目頭から目尻にかけて涙がドバっと溢れる感覚が込み上げた。
「ここにいましたか、探しましたよ? 」
ホッとした表情の青年は
「さぁ、召し上がれ」
手元が見えないほど湯気が立つ豚汁を割り箸と一緒に子に手渡した。
「こんなに指先を冷やして……。可哀想に……寒かったでしょう?」
着ていたコートを脱ぎ、華奢な体を包みこむ。
コートからは爽やかながらも暖かみを感じる、甘い匂いがした。
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